現代口語演劇から小説を考える
現代口語演劇をご存知ですか?
知らない?
まぁ、だいたいの人はそうでしょう。演劇を趣味にしている人でも小劇場演劇を観ないとわからない概念だと思います。
劇団四季とか2.5次元演劇とはまったく違う表現手法なんですね。
超要約すると現代の自然な会話や見えているものをありのままに表現しましょうってことなんですけども。
私、これ結構好きで小説でも可能な限りやりたいなと思ってます。
無理なところはどうやっても無理なんですけど。
具体的にどういうことなの?っていう話をします。
舞台上における現代口語演劇って何をしてるかというとですね。
本当に自然に話す、ということをやります。
観客の存在を完全に無視しているような/ように見せるケースもあります。
たとえば、内緒話をするシーンがあるとしますよね? 相手にしか聞こえないように小声で話して、最後まで観客にはその内容がわからないとか。雑踏での会話だと複数人が同時に喋って、声が被りまくって全然聞き取れないとか、なんなら観客に背を向けて話すとかもあります。
だって、これがリアルな会話ならこのシーンで声張らないでしょ、とか、二人の人間が同じ向きを向いて話さないでしょ、とかそういうことです。
実際にはこの演出はただの自己満足で行われているわけではなく、ストーリー上聞こえなくても問題ない内容だったり、同時多発会話のシーンは実は台本、演出上細かい計算がされていて、重要なワードだけ聞き取れるようにその部分だけ音が被らないようにズレてたり、声を張っていたりとかあるんですけど。
それが小説とどう関係あるのかというとですね。まぁ気を抜くといかにも小説っぽい話し方になっちゃうよねって思っていて、自然な相槌とか声に出しやすい単語の並びとか、色々気にしてるんですよね。
私の作品だとですね、えーっと一例を挙げると、登場人物が相手にわーっと早口で何か言われたり、想定外の場面が来た時なんかは「あー」とか「えっと」とか文字の上では特に意味のない相槌で、内容を咀嚼するための時間稼ぎをしていたりします。
なんか自分がこういう演劇好きだからっていうのもあると思うんですけど、嘘くさい会話というか、声に出して違和感がある会話シーンってちょっと引っかかるところあります。とはいえ、途中で言い淀んだりとかそんなの小説に書くなよって話でもあるので難しいんですけど。
あと同時多発会話はまぁ無理なんですよね。台本/戯曲上はそこのシーンって二段組、三段組になっているんですよ。カッコいいので小説でもやりたい!って思ったんですけど、あんまり意味がないというか効果的に使う案が思いつかないので今のところ実践はできてないです。
誰が何を喋っているのか正確に聞き取れないというところがポイントなので。
ここまで書いて思ったんですが、自己満足ですね。正直あんまり意味はないと思います。
でも、そもそも小説は趣味ですし、自己満足のために書いてるんだから、誰に気づかれるとか気づかれないとか選考で加点してほしいとか関係なくこういうのにこだわっていきたいですね。
しかし、私の好きだった劇団がどんどん活動休止していって最近はだいぶ観劇の回数が減ってきています。年間50公演観た年もあって、戯曲もいっぱい読んだんですけどね。でもあの頃、吸収した知識とか経験は作品に色濃い影響あるなぁとは思ってます。
ではでは。
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