プロットの功罪(有益度?)

 このエッセイというのは基本宣伝なので、引きのあるテーマで読者さんに読みに来ていただいて、著作をお買い上げいただくのが目的です。で、既にお買い上げいただいた皆さんには少しでも有益な情報をお持ち帰りいただきたいというファンサの気持ちで書いています。

 なので、PVを稼げるとしても炎上ネタに乗っかったりとはしないですし、自分が本当に良いと思ったこととか大学や参考資料で勉強したことを書こうと思っています。

 その上でなお話半分に読んでいだきたいんですけども。

 なぜならこれは創作論ではなく、ただのCMだからです。


 で、プロットについてはどう書くか非常に悩ましいと思ってまして。

 最初は梗概みたいに自分が書いたものをそのままここに貼って、書籍の購入特典としてご自由にお使いくださいってやろうと思ってたんですよね。

 でもフォーマット化されているものがゆえ、それで楽になるっていうのは読者の皆さんの創造性を型に嵌める非常に良くないことではないかと思い直して、一旦削除したわけです。

 さらに言えば、私は今プロットを使ってないんです。

 というかなるべくプロットは使わずに、簡略化した形(数行のメモとキャラの簡素なプロフィールくらい)で書けるようにしているのに、プロットをオススメするなんて誠実ではないよなと。


 実際にきちんとプロットを作ると作品の完成度は上がるとは思うんです。完成度っていうのがまず適切か微妙なんですが、整った形になる、と言い換えておきます。

 まず持論としてはプロットは極端なほど良いと思っています。

 ただの数行のメモ書き程度の簡素なものか、あるいは長編に対して文庫換算100P200Pのほぼ下書きレベルのものか。

 まぁ後者はプロットと呼んでいいものかわからないですが、貴志祐介先生はそのくらいのものを書くそうです。

 で、そういうのが良いと思いつつも、そうではないプロットを作って作品を書いていたわけなんですよね。


 さて、ここでようやくどういうものを書いてきたかという本題に入っていこうかなと。

 長編を綺麗に完結させる、ということのみを目的とするならこういう風にやると楽だったという自分の経験なので人によっては違うかもしれないんですが。

 まず書きたいジャンルとかテーマがありますね。キャラクターとか。

 最初に書きたい骨子の部分を書きだします。

 次に書きたいシーンみたいなものがふわっとありますね。書きます。

 それがラストなのかクライマックスなのか冒頭なのかはわかりませんが、それを起点に起承転結なり序破急なりの構成になるようにイベントを書きます。

 あとはそれを分割していくだけです。

 起承転結だとしたら、8分割とかどんどん細かいエピソードに割っていくっていう感じですね。

 で、私が思うにプロットを書いてなお長編がうまくまとまらないとか書けないという方はですね、そのエピソードがだいたいどのくらいの分量が必要そうか目途を横に書いておくといいと思いますね。何ページでも何文字でもいいんですけど。

 このエピソードをどのくらい書くっていうのがある程度決まっているとかなりバランスがいい長編になるような気がします。

 その目安は何を基準にするかというと市販されている自分が思うバランスがいいと思う好きな小説でいいんじゃないでしょうか。

 だいたいプロローグに6P使っていて、一章は30Pだなとか。で、うまく200Pとか10万文字とかを目標に埋めていけばいい感じになるんじゃないかなーと個人的には思っています。


 ただ、これって初期の構想を超えるようなことが起きにくいという最大の欠点があるんですよね。書いていてあんまり楽しくないっていうのもあると思います。

 こういう書き方で最終選考まで残ったりとかある程度の結果は出てはいるんですけど、決まってますからね、書いてる段階でこの後何が起こるのか。


 あと書籍化する『よみかの』は実はプロットなしで最後まで書ききったというのもあんまりプロットをガチガチに固めて書くということに肯定的になれない理由でもあります。

 これはホラーが書きたい、ホラーだけど読後感がいい爽やかでちょっとエモい話にしよう、実体験(恐怖体験)をフィクションに落とし込んだ時にどういう風になるか試してみようっていうことだけをとっかかりにいきなり書き始めたんですよ。

 なので章ごとの分量のバランスなんて考えてないですし、途中でいきなり書けなくなって半年くらい放置してまた書き始めたりとか、とにかく先のことなんてわからないまま書いた作品なんです。これちゃんとラストまでいくか?っていう不安はありつつも楽しかったですね。


 『探偵系VTuber』もTwitterにたまに書くんですけど、ミステリーなのにプロットもなければ書き貯めもなしの一発書きです。これはどういう書き方をしているかというと章の頭で事件を起こします。

 未来予知詐欺とか殺人とか行方不明事件とか。で、その時点では何も決まってないんですが、事件が起きちゃった以上は犯人がいたり、トリックがあったりするわけなので、整合性が取れるように考えながらとにかく書いていくだけです。主人公と一緒に考えながら。

 この書き方はヒリつきますね。迷宮入りする可能性もありますし。でも、やっぱり当初と全然違うロジックで事件が解決したり、予定とは違う展開をするのは楽しいです。

 で、だいたい10万字くらいで一旦着地させて、それをベースに大加筆修正をして公募に出したので、長い長いプロットを書いたともいえるかもしれません。


 だらだらとここまできましたが、プロットについてはまだ模索中ということもありまして、「書き方」なんてね偉そうなことはやっぱり書けないんですが、何かしらヒントやきっかけになったらいいなと思います。


 で、もうお馴染み『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』の発売日まであと1週間をきりまして、宣伝をしようかなと思ったんですが……もう今更宣伝という感じでもないですね。

 皆さんいつも応援、そしてご予約ありがとうございます。というお礼で今日はおしまいとします。

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