公募用原稿とウェブ連載用原稿の違い(有益度?)

 昨日書き忘れたんですけど、探偵系VTuberで主人公が麻雀は運ゲーだクソゲーだとグチグチ言うシーンがあるんですが、それはMリーグでサクラナイツが不運な負け方した時に書いてますね。小説じゃなくて日記かよっていう感じですが、趣味の作品なのでまぁいいでしょう。

 公募用の原稿も趣味ですけど。

 あと私、担当編集者さんが二人いるんですが、打ち合わせの際にサクラナイツのファンであるということを熱く語ったんですが、二人とも「…………?」っていう感じでしたね。あんまり興味ないらしい。最初あまりの反応の薄さに聞こえてないのかと思った。リモート打ち合わせだったんですけど、ミュートになってんのかと思った。つい直前まで普通に会話してたのに。

 まぁでもそりゃそうか。麻雀興味なかったら自社がオーナーのチームでも興味ないか……。なんかKADOKAWA社員はみんなサクラナイツを推しているものだと勝手に思っていましたね。


 それはともかく今日の本題。

 このエッセイ全体通してですが、あくまで自分はこうしてるよっていうだけで創作論なんてもんじゃないので話半分に読んでいただければ。

 もともとカクヨムは公募で落ちた原稿置き場に使っていて、あくまで縦書きの一冊の書籍をイメージして書いていたので、カクヨムに掲載しているもの=公募用原稿だったんですけど、探偵Vは初のハイブリッドでカクヨムでの連載を主としつつ、10万字近くキリが良いところまで貯まったら公募に出してみるというスタイルを実験的にやってみたものとなります。


 連載と公募用で大筋は同じなんですが、大筋以外はかなりガッツリ書き換えています。

 どこが違うかというと、まず連載版はストーリーを進めることを最優先にしているので、余計な描写、エピソードを限界まで削っています。

 必要のない情報であれば、季節から天気から時間から服装から一切描写してないです。特に服装は登場初期でだいたいこんな格好をしているということを描いてしまって、以後は変化がなければほぼ書かないくらいです。

 あとキャラを深掘りするためのエピソードなんかもキャラ同士の関係性を描くもの以外はカットしてます。

 ライトミステリーという謎解きがメインのジャンルなので、キャラ性は他キャラとの会話でストーリーを進めながらなんとかしていく方針です。

 特に時間が巻き戻る回想シーンなどは極力排除しています。


 たとえば探偵Vの主人公はまぁまぁのお嬢様育ちで、地元(神戸あたり)では比較的裕福な家庭できちんと教育にお金をかけてもらってきています。両親は地元の国立大(神戸大とか)に進学してほしいと希望していましたが、主人公は東京に出て色んな文化に触れて作家になりたいという願望が強かったため、地元の国立大に合格しながらそれを蹴って、東京の私大(早慶上智あたり)に通うため半ば家出同然に上京してきたので、両親と気まずくなってしまい、1年以上連絡もせずに仕送りも拒否し、バイトに明け暮れ、小説の印税もすべて学費(奨学金をもらっています)と生活費の足しにしています。

 という過去のエピソードは一切書かず、ストーリー進行上必要な場合のみ実家と疎遠であることや、自分で学費を払っていることが提示されています。


 公募原稿であればそういったエピソードでキャラクターを深堀りするのも有りかなと思うんですが、1文字でも少なくストーリーを先に進めるためにはこういったものはちょっとした会話の中で匂わせて想像してもらうようにしています。

 キャラクター同士の掛け合いは割と重要視しているので、なるべく会話内に伏線を張りながらではありますがボリュームが出てもOKとしています。


 一方、公募用原稿では台詞と台詞の間のちょっとした仕草や風景も加筆し、回想シーンなども入ってきます。さらに地の文で比喩表現なども必要に応じて出てきます。連載版はほとんど比喩表現出てきません。かなりストレートに書いています。


 ジャンルによってこのあたりはまた変わってくるのかなぁと思うんですが、WEB小説でライトで緩いとはいえミステリーなんてあまり気軽に読めないジャンルを読んでいただく以上は推理要素以外に読むのが面倒くさくなりそうな要素を限界まで排除していこうということなんですね。


 という感じでやってみましたよ、というお話でした。

 一応、公募用バージョンは最終選考まで残ったので、改稿方針自体はそこまで的外れでもなかったような気はしますが、やはりジャンルによって連載版も公募版もカスタマイズする部分はけっこう変わってきそうな気がします。


 ただ、公募用原稿をそのまま投稿サイトに載せるパターンも逆に戦略的に有りなんじゃないかと思うこともあって、たしかにちょっと読みにくいなーと思われたり、ポイントは伸びにくいかもしれないんですけど、一般文芸とかライト文芸の編集者さんに見つかった時にはこっちの方が書籍化の声かかるんじゃないの?という気もします。

 実際、公募用に書いていたものを多少は改稿しつつも、ほぼそのまま載せていたもの(夜道を歩く時なんやら)にお声がかかったので。


 まぁここまで書いて結論はよくわからんっていう感じなんですが、こういうことを考えながら書いてみるのも面白いかもしれないですね。

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