ペンネームの考え方(有益度★)

 ペンネームなんて自分の好きなものを付ければよい。

 以上。


 というわけにもいかないので、自分がペンネームを付ける時に考えたことをつらつらと書いていきます。


 私のペンネームですが、商業デビューにあわせて苗字を追加しました。もともと苗字自体は公募に出す時には付いていたのですが、それもだいたいは「和田」でたまに違うのを付けることもありました。

 特にこれといった強いこだわりがあるわけではありませんでしたが「わ」で始まる苗字であることに意味はありました。


・書店店頭での探しやすさ


 これにつきます。

 書店の平台に置かれるのは新刊あるいはベストセラー。新人のデビュー作はすぐに棚に1冊だけ差し込まれ、後は返品される運命にあるでしょう。

 そこで棚に入った時に探しやすいのはどういった書籍でしょう?

 そう著者名が「あ」で始まるか「わ」で始まるかです。トリッキーな方法として「を」「ん」で始まる名前というのを付けるという手もあるかもしれませんが、そういったペンネームの作家さんは寡聞にして存じ上げませんし、いたとしてごく少数かと思いますので誤差でしょう。

 公募に出す、ということは自分の作品が書籍として店頭に並ぶことを目標としているわけですのでこういうことを考えてみての選択ということになります。

 別に「和久津」でも「渡辺」でもよかったんですが、ペンネームで呼ばれた時に一瞬「ん? あぁ、私のことか……」とならないように自分の本名に近い響きにしたというのもあります。

 とここまで書いてきましたが、誤差も誤差の話ではっきり言って”考え過ぎ”の部類だと思いますけどね。

 ちなみにカクヨムに掲載を始めた時になぜ苗字がなかったのかというと、カクヨム経由で商業デビューするということは当初特に意識していなかったからです。



 むしろ次の項目の方が重要な気がしますが、実は「検索性」も考慮しました。


・難読漢字や特殊読み(読めない、一発で変換できない)は使わないようにする、グーグル検索をかけた時に作家さん以外で同姓同名の有名人や商品名と被らないようにする。


 これは結構大事なことだと思っていて、検索をかけた時に上位の検索結果が自分とは違う人で埋め尽くされてしまうのはこのネット社会においてかなりのビハインドになるのではないでしょうか。

 漢字だけ変えて音が一緒でも「もしかして〇〇?」とか「〇〇の検索結果も同時に表示しています」とかで自分の作品に辿り着けないということがあってはいけないなと。

 別のペンネームの候補もあったのですが、それは同じ名前の政治家の方がいらっしゃったのでやめました。


 あとこれはどうでもいいと思いますが、ある程度由来があるとちょっとしたネタになったりするというのはあるかもしれないですね。

 私は「正」の字を入れるようにしているのですが、これは我が一族は代々長子には「正」の字を入れるという謎ルールがありまして、それを踏襲したからです。

 これが「正」そのものだけなのか、「政」とか「征」とか「㯊」(正どこやねん)みたいなものまでしきたりが許容とするのか範囲が不明なんですが、とりあえずオーソドックスな一族のルールに従ったものです。

(今度、家系図とか調べてみようかしら)


 「雪」の方はなんやねんというと、別に「正」の字が入ってればなんでもいいかなという感じで別に姓名判断で画数がどうというのもなかったのですが、山田風太郎先生の『魔界転生』を読んでいた時に由井正雪という名前を見て「しょうせつ」と読ませるの面白いなと思って、いただいたというだけです。

 Wikipediaを見ても「ゆい しょうせつ/まさゆき」とあるので、読み方は「まさゆき」でも間違いではなくどっちでもいいよということにしています。

 それこそ検索性や書店店頭への影響はないので。一応、出版社さんの取引先登録では「しょうせつ」としています。システム上二種類読み方があって、どっちでもいいとかそんなんないでしょうし。


 と、ペンネームを付けるのにこのくらいの要素が入っているわけすが、あくまで自分はこうしたというだけです。

 評価されるのは作品内容であってペンネームではないでしょう。

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