創作の糧になるインプット(有益度★★★)

※近況ノートからの転載です。


 昨日『予備校のいちばん長い日』っていう小説を読んだんですよ。

 小説っていっても実際にあった出来事をモデルにしてるそうなんですけど。

 かつて東大が後期の数学で誰にも解けない問題を出したんですね。予備校講師はもちろん、数学の専門家も解けないと。

 それをどうやって予備校講師達が解いて、解答速報を出したかっていうお話です。


 で、まぁぶっちゃけ読んでても1ミリも理解できないわけですよ。数学とか。

 私は数学から逃げて文系に行った人間なので、数3Cとかやったこないし。

 でも、面白いと。

 ここがポイントなんですよ。

 “全くわからないものが面白く読める”ように書いてある小説なんですね。

 これって結構芯を食った気づきだと思いますね。

 数学だけじゃなくて、SF設定にしろ、ファンタジーの世界観設定にしろ、読者にわかってもらうために説明を重ねるのも大事なんですけど、上手く雰囲気とドラマを作ればわかんないままでも面白い作品になるんだなと。


 ちなみに『フェルマーの最終定理』っていう作品も凄まじいですよ。これはノンフィクションですけど、フェルマーって男が本の端っこに「x^n+y^n=z^nとなる3以上の自然数の組(x.y.z)は存在しないってことは証明できるんだけど……紙の余白が足りないから書けねーわ」って書き残した1600年代のメモ書きを1995年まで何世代にも渡って、数学の天才達が前の世代が遺してくれたヒントをもとに解き明かしていく歴史ドラマなんですよね。

 結局、最後まで読んでもどういう理屈なのかはわかんないんですけど、とんでもなく面白いわけですよ。


 こういう気づきを得る、ということもまたインプットということなんじゃないかと思いますね。

 『予備校のいちばん長い日』『フェルマーの最終定理』オススメです。

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