四話

 半分開けた窓の外から穏やかな波の音がゆったりと響いてくる。館での掃除仕事を終えた夜に聞いていると、それが疲れた体に心地よく染みてきて、ある種の催眠にもなってくる。……いやいや、駄目だ。本業をしっかりやらなければ。夢の世界へ行くのはもう少し後だ――目頭を指先で強く押し、じわじわと飲み込もうとしてくる眠気をどうにか追い返して、俺は右手のペンを握り直した。


 ぼろい借家の拠点、俺の目の前の机の上には、ろうそくの明かりに照らされた一枚の紙がある。そこには俺がこつこつと描いたゼルバスの館の見取り図が描かれている。部屋はもちろん、外の庭から地下室まで、判明している場所はすべて描いている。これは館に潜入してから描いたものだ。新入りとして、伊達に掃除をやらされていたわけではない。人目がない隙を見ては、館内の部屋などをじっくりと観察し、どういう造りかを憶え込んできた。だが俺が観察するのは館だけではない。そこに配置されるゼルバスの部下達の動きも憶える。昼間、この部屋には何人が集まり、夜はここに何人の見張りが立つなど、つまり勤務状態も俺は見取り図に描き込んでいる。そして今日も、新たにわかった部下の動きを俺は描いていく。……はあ、それにしても眠い。すべての庭掃除を一日で終えたのは自分でも少し驚いたくらいだ。仕事とは言え、集中してやりすぎたな。疲れがいつもより溜まっているようだ。


 俺はペンを置き、小休止する。肩を揉みながら眠気を誘うあくびを噛み殺した時だった。


 ドンドン、と扉を叩く音が、瞬時に俺の中の睡魔を遠ざけた。反射的に机に広げた見取り図を素早く畳み、引き出しの奥へとしまう。こんな時間に訪問者? 大家はここを借りてから来たことはない。家賃は俺から払いに行っているからだ。隣近所とも特に知り合いではないし、ゼルバスの部下にも家の場所を教えたことはない。この島で俺に会い来る者などいないはずだが……。


 警戒しながら椅子から立った俺は、入り口の扉を睨んで聞いた。


「……誰だ」


 すると間も置かず、軽快な声が返ってきた。


「上手くやってるか? こっちは牛乳を飲み過ぎて腹を下したよ」


 その声と言葉に、俺は扉へ歩み寄った。


「へえ……それで? いつまで続いた?」


「末っ子が結婚式を挙げた翌日までだ」


 最後までしっかり聞いた俺は、扉の鍵を開け、取っ手を引いた。


「それじゃあ、結婚式は楽しめなかっただろう」


 開けた玄関に立つ旅装の訪問者にそう言うと、その顔はにこりと笑った。


「……よお、久しぶり」


「本当だな。ここに来ていたなんて聞いていなかったが」


「仕事で今日の午後に着いたんだ。前もって言うことでもない」


「そうか。入ってくれ。狭苦しいところで悪いが」


 俺は招き入れると、机の端に置かれていた酒を勧めた。


「これ、飲むか? 飲みかけでいいならだが」


「こんなぼろ家にいいものなんか期待してないさ。貰うよ」


 彼はベッドに腰かけると、狭い部屋を見渡しながら差し出した酒瓶を受け取り、それをぐいっと一口飲んだ。


 この男はニコス・ビオンといって、俺の同僚だ。国の諜報部で共に働き、現在もゼルバスの違法行為について、別の捜査を担当している。同い年で、同時期に諜報部に配属されたことで、昔からよく話す仲の、気の合う男だ。


 俺は椅子に座り、ビオンと向き合う。


「この拠点がよくわかったな」


「本部で聞いた。場所、伝えていたろ?」


「俺のことが恋しくなったか」


「ふっ、久しぶりにお前の顔を見たくなったわけでもないが、仕事の進み具合を確認しておきたかっただけだよ」


 笑顔のビオンはそう言って再び酒瓶に口を付けた。現在の任務についてから、もう三、四ヶ月ほどは経っているか。本土を離れ、それから俺はこのクローラ島にずっといる。人でごった返す王都とは違い、ここは小さな街が一つあるだけで、常にのどかな空気が流れているから、そんなに時間が経った感覚は正直ない。本土に待ち人でもいれば長く感じられたのかもしれないが、あいにく俺にはそういう存在はいない。そんなことも時間感覚に影響しているのかもしれないな。


「ビオンのほうはどうだ。順調か」


「ああ。密造酒の販売経路は大体わかってきたよ。ここと、あと本土のほうでもう少し調べれば、全容が見えるはずだ。そうなれば詰めの段階に入るだけだ」


「ここにはどれくらいいる」


「天候と捜査次第だが、早ければ明後日には本土へ戻るつもりだ」


 クローラ島と本土を結ぶ船は週に三日しか出ない。海が荒れれば最悪一度も出ない時もある。次に船に乗れるのは二日後だから、ビオンはそれに合わせたようだ。


「泊まる場所は大丈夫か? なければここを使ってもいいぞ」


「心配には及ばないよ。ちゃんと街に宿を取ってある。お前とこの小さなベッドで添い寝できなくて残念だがな」


 ビオンはおどけて笑った。


「そうか。野郎二人のむさくるしい夜を過ごさずに済んでよかったよ」


 返した言葉に、俺とビオンはお互い笑い合った。


「……で、アリオン、お前のほうは? しっかりやれているのか?」


「まだ潜入して日が浅いからな……」


 俺は机の引き出しから、先ほどしまった見取り図を取り出し、広げた。


「何だ、それ」


 ビオンは立ち上がり、机に近付いてくる。


「ゼルバスの館の見取り図だ」


 見せると、ビオンは真剣に目を凝らし、見下ろす。


「へえ、細かく描いているな。……この、時間とか人数は何だ」


「部下の配置状況だ」


「なるほど……こう見ると、夜間は館内の人数が少なくなるみたいだな」


「そうなんだが、簡単にはいかなくてね」


 腕を組んだ俺をビオンは不思議そうに見てきた。


「どうして。お前なら館内を探ることなんて朝飯前だろう?」


「やみくもに探るわけにはいかない。少しでも怪しまれたら仕事が難しくなるからな。だから、まずは当たりをつけるために、部下からそれとなく聞き出そうとしたんだが、新入りにはまだ早いと言って話そうとしてくれないんだ。ゼルバスはなかなかいい教育をしているよ。それだけ警戒心も強いということだ」


「じゃあ、まだ目星もないのか」


 俺は肩をすくめた。


「ない。ただ、時々部下達が大量の荷物を運び入れる時がある。それは密造酒の材料じゃないかと俺は睨んでいるんだが、もしそうなら、密造場所は館からそれほど遠くないところにあるはずだ。しかしそれを特定するとなると、新入りの身では自由がきかない。もっと信頼を得るか、時間をかけるか……とにかく、数日で見つけられる状況ではないということだ。残念ながら」


「それだと、まだまだゼルバスの下で働かされそうだな。お気の毒様」


 ビオンは涼しい顔で言った。


「本当は自分でなくてよかったと思っているだろう」


 これにビオンはわざとらしく目を丸くした。


「すごいな、俺の心が読めるのか?」


 感情のない口調で言われれば、誰だって心くらい読めるさ――呆れた言葉を胸の中で並べ、俺はビオンをじっと見つめた。


「そんな顔をするなって。お前の大変さは理解している。できるなら協力してやりたいところだが、それが無理なのはわかるだろう?」


「別に助けは求めていない。大変さをわかってくたらそれでいいさ」


「本部に戻ったら、お前の苦労ぶりを派手に伝えておいてやるよ」


「それはそれで困る。苦労していると手こずっているように勘違いされそうだ。俺はそうではなくて、ただ時間がかかる状況だと――」


「はいはい。おっしゃる通りに伝えるよ。心配するな」


 ビオンはなだめるように俺の肩を軽く叩いた。こんなふうに、相手との距離をすぐに縮められるような人柄であれば、俺ももう少し違う任務を与えられていたかもしれない。


 諜報員は、それぞれ人格、容姿、特技などを見極められて任務を任せられるのだが、相手との距離の取り方や、話術に長けたビオンは、主に人からの情報収集任務をこなしている。だから今回もゼルバスの密造酒の販売経路を、足と話術で地道に追っているのだ。俺はと言うと、自分で言うのも何だが昔から運動神経はいいほうで、武術も多少心得ている。特技と言えるのはそれくらいで、あとは至って特徴がない。部長はそんな俺を潜入任務に当てることが多い。身のこなしに優れ、普段から物静かで落ち着き払っているからというのが理由のようだった。確かに俺はあまり物事に動じない性格で、常に冷静さが必要な潜入任務には向いているのだろう。だが、見つかれば即命に関わる任務は神経をすり減らす。その疲労に慣れることはおそらくないだろう。諜報員なら多かれ少なかれ、同じように神経をすり減らしているのだろうが、俺が担当する潜入任務はその期間が他より長くなる。正直、そんな緊張状態から早く解放されたいと俺は毎回思っている。ビオンの仕事のほうが楽だと言うつもりはないが、もう少し俺に話術でもあればと、ふと思ってしまうのだ。まあ、ただの愚痴だ。早く解放されたいのなら、まずは酒の密造現場を発見するしかない。


「これ、ごちそうさん」


 ビオンは少し余った酒瓶を机に置いた。


「もう帰るのか?」


「ああ。お前の様子も見たしな。……何だ、一人ぼっちは寂しいか?」


「たまにそんな時もあるが、そういう時は綺麗な女にいてもらいたいもんだ」


 たとえば、褐色の肌に黒髪をなびかせたエメリーのような――


「女じゃない俺は用なしだな。じゃあ行くよ」


「待ってくれビオン」


 扉に向かおうとしたビオンを、俺は咄嗟に呼び止めた。


「……ん? 何だよ。まだ話か?」


 怪訝な目が俺を見てくる。……そうだ。エメリーのことを話してみよう。


「一つ、話したいことがあるんだ。いいか?」


「急いでいないから、構わないが……」


 俺の顔を見ながら、ビオンはまたベッドに腰かける。


「……何を話したいんだ。任務絡みか?」


 俺は机に腕を置き、ビオンと向き合った。


「実は、館に見覚えのある人物がいるんだ」


 これにビオンの顔付きがやや険しくなった。


「知り合いか? それだとまずいんじゃ――」


「いや違う。向こうは俺のことを知らないから大丈夫だ」


「お前が一方的に知っているってことか?」


「ああ。だが俺も知っているわけではない」


 ビオンは眉間にしわを寄せて俺を見つめる。


「どういうことだ」


「つまり、見覚えはあるんだが、一体誰だったか、思い出せないんだ」


「思い出せない? お前、記憶力は悪かったか?」


「どうだろうな。人並みにはあると思うが……」


「試験の地図の暗記は、確か俺よりいい成績だったろ」


「え、ああ、そうだったかな……」


「名前当ての試験も俺は二十四人までだったが、お前は――」


「ビオン、俺の記憶力の話より、こっちの話をしていいか?」


「あ……悪い。少し脱線したな」


 苦笑いを見せたビオンはベッドに座り直す。


「……それで、思い出せないのはどんな相手だ」


「ゼルバスには女が常に数人いるんだが、その中でも本命と言われる女で……」


 ビオンは意外そうに口を開いた。


「女? まさか昔に振った恋人とかいう落ちじゃないだろうな」


「それはない。俺は南国人と付き合った経験はないからな」


「ほお、南国人なのか。他の身体的特徴は?」


 俺はエメリーの整った容姿を思い返した。


「身長は俺より頭一つ分ほど低く、体形は細身。髪は黒で長く、瞳も黒だ。年齢は二十代前半だと思う」


「ふむ、典型的な南国人の特徴だな」


「ああ。だがかなりの美貌の持ち主だ」


「そんな美人を忘れたのか。俺ならあり得ないな。……他には?」


「そうだな……」


 見聞きしたことを思い出し、俺は言った。


「二年ほど前に、ぼろぼろの格好でゼルバスに拾われたらしい。おそらく、ここに親類や友人はいない。出身地を聞いたんだが、なぜか教えてくれなかった。あとは音楽が好きなようで、よく横笛を練習している……そんなところだ」


「肝心の名前はわかっているんだろう?」


「エメリーと呼ばれている」


「名字は?」


「さあ? 誰も呼ばないし、わざわざ聞くのも不自然だからな」


「エメリーか……これだけだと本名か愛称なのかわからないな」


 ビオンは難しい表情を浮かべ、腕を組んだ。


「ところで、お前はその彼女をどこで見たか憶えているのか?」


 俺は頭をかきつつ言った。


「実は、それもうろ覚えで……」


 するとビオンは俺に怪しむ眼差しを向けてきた。


「本当に、確実に、どこかで見たことがあるんだろうな」


「それは間違いない。断言する」


 あの見る者をはっとさせるような笑みは、俺の埋もれた記憶を引き出させようとしてくる。エメリーを、俺は絶対にどこかで見ているのだ。


「じゃあ、うろ覚えの中で残っていることは何だ」


 俺は脳裏にちらつく薄い記憶を、懸命に呼び起こしながら答えた。


「笑顔が印象に残っている。とにかく笑顔だ」


「場所や状況は?」


「明るい場所……だったと思う。それしかわからない」


 エメリーの幸せそうな笑顔が印象的すぎて、その周りの様子は記憶からすっかり抜け落ちてしまっている。明るい場所というのも、あまり自信はない。笑顔の印象で、ただそう感じて思い込んでいるだけの可能性もある。それほど俺の記憶はおぼろげだ。


 ビオンは口を曲げて唸り、首をかしげて俺を見つめた。


「ほとんどわからないのでは難しいな……。お前の記憶にわずかでも残っているということは、彼女は重要人物か何かなのか?」


「そこなんだが、もう一つうろ覚えの記憶があるんだ」


「あまり役には立ちそうにないが……何だ」


 期待のない目で見られ、俺は自分の足下を見下ろしながら言った。


「諜報部本部でも見た気がするんだ」


「何?」


 ビオンの目付きが途端に変わり、その腰が浮きかけたのを俺はすぐに制した。


「あくまで気がするだけで、映像としての記憶は不確かだ。だが、仕事中に彼女を見た感覚がわずかにあるんだ」


「そこははっきりさせよう。本部内なのか、お前の仕事中になのか、どっちだ」


 真剣な表情で問われ、俺は記憶の曇りを必死に拭った。


「……本部内だ。もしかしたら俺でなく、他の者の仕事に関係していたのかもしれない。これは断言できないが」


 ビオンはしばらく黙り込み、険しい表情で宙を睨み続けていた。


「これだけでは、さすがに難しいか」


 俺がそう言って息を吐くと、ビオンは口を開いた。


「まあな。うろ覚えのお前の記憶がすべて事実かどうかは怪しいところだ。人間は都合によって記憶を書き換えるらしいからな。だが訓練を積んだお前が本部内で見たなんていう思い違いをするとは考えづらい。事実はそうでなくても、それに近いものが、もしかしたら事実としてあるのかもしれない。うろ覚えの記憶もあなどることはできない」


 ベッドから勢いよく立ち上がったビオンは俺に笑みを見せた。


「そのエメリーという女が何者か、本部に戻ったら調べておこう」


「いいのか?」


「そのつもりで俺に話していたんじゃないのか」


「調べてもらうことまでは考えていなかったが……」


 腰に手を置いたビオンは俺を見下ろし、薄く微笑んだ。


「こっちの任務のめどは付いている。それが済めば時間ができるし、その時に調べてやるよ」


「何か、悪いな」


「別にお前のためだけじゃない。本部内で見たと言われたら調べないわけにはいかないだろう」


 入り口へ向かうビオンを俺は追い、その扉を開けた。直後、緩い風が吹き込んできて机の上でともるろうそくの火を静かに揺らした。部屋の中の影がうごめきを止めると、ビオンは俺に振り返って言った。


「俺が想像するに、その女はきっと難民だ。南国は少し前から政情不安で、一部では小規模な戦闘も起こっているようだしな。ぼろぼろの格好だったのもそのせいだ。お前が見た笑顔の女も、同じ南国人というだけで別人の可能性もある。要するに……気にしすぎるなということだ。拍子抜けの結果になるとは思うが、気長に待っていてくれ。それじゃあな」


 軽く片手を上げて夜の街へ消えていくビオンを俺は玄関から見送った。その背中が闇に紛れ、見えなくなると、遠くに点々と並ぶ小さな明かりの群れに目を移し、俺はたった今聞かされたビオンの話について考えた。


 エメリーは難民か……確かに、南国の一部では不安定な状況がある。そこから逃げ出す人間がいてもおかしくはないが、わざわざ船に乗ってクローラ島まで来るだろうか。南国からこの島までは結構な距離があり、その船賃も安くはない。俺だったら南国の安全な国へ避難すると思うが。そのほうが身体的にも経済的にも楽なはずだ。現に、ここで南国人はエメリー以外見かけていない。たった一人の難民というのも何だか違和感がある。


 ビオンは俺の記憶の中の女とエメリーは別人かもしれないと言ったが、それははっきりと言える。違う。別人などではない。あの優しくも光輝くような笑顔を、俺は見間違えることはない。記憶は笑顔以外、ぼやけて何も見えないが、それはエメリーのかすかな笑みにも重なるのだ。どこがどういうふうにと問われると説明は難しいが、感覚的に、二つの笑顔は俺の目を同じように釘付けにする。いや、目だけではない。心まで何かにつかまれる。そんな美しい笑顔を俺は他に知らない。ビオンの言う通り、気にしすぎるべきではないだろう。俺にはやらなければならない任務がまだあるのだ。しかし、気持ちはどうしようもなく彼女のことを気にかけ、知りたがっている。俺は、拍子抜けの結果を期待するべきなのだろうか……。


 ふっと自分を笑い、俺は扉を閉めて部屋に戻った。随分と無駄なことを考えている。結果は結果として出てくるだけだ。それより今できることをするべきだろう――俺は気を取り直し、椅子に座ってペンを握ると、見取り図を見下ろした。俺を飲み込もうとしていた眠気は、気付けばもう消え去っていた。

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