第3話 鍛錬の日々

 翌日、私は自宅の狭い庭先に出ると、気合を入れる。絶対正義の決意を実現する為に誰よりも強くなるのだ。私は右手の魔法陣を発動させる。


『ファイア・スコール』


 雨粒ほどの炎の塊が豪雨の様に振り出す。炎の粉は地面に落ちるとパチリと弾ける。この召喚術は大きな幅で炎の粉を降らす事が出来るので敵が沢山いる時に有効なのだ。


『我に炎の心あり、それを示すのは『絶対正義』燃え上れ、我が誓いと共に』


 右手が熱い……。


 召喚術に使う魔力が全身から集まっている感じだ。私は更に右手に炎の剣を召喚する。


 「剛力の剣』と名付けている。


 私は舞う様に炎の剣を振るい。剣術の稽古を始める。炎の具現化には誰にも負けない気分だ。


 初夏の落葉が辺りの熱さで、その数を増す。私は落葉をすべて切り裂く。三十分ほど全力で動いたので喉がカラカラである。


 一休みするか……。


 私は『絶対正義』と書かれたスマホケースを見て。白花に『シャドーカード』の事を調べるように指示する。ふ~ぅ、あんな、男娘をわたしが面倒を見なくて誰が見る。


 私は庭先に戻り。召喚術の『桜花』を試してみる。右手の手のひらに精神を集中して紅の桜の花びらを召喚する。私は水で濡れしておいたブロック塀に手のひらの上に召喚した桜の花びらをヒューっと飛ばす。炎の桜の花びらが、濡れているブロック塀に当たると高温の蒸気があがる。


 これは単体に有効な技だ。


 私は大きく息を吐くと右手の甲にある魔法陣の輝きが消える。さて、風呂です!汗を掻いた全身を洗うのであった。


***


 眠れない……。


 私はベッドに横になり天井を見上げる。心がざわざわする。五芒星の一人として、強さの更なる高みを目指さねば。それに輝夜さんのシャドーカードの存在はこれまでにない戦いが待っているはずです。

私は炎術師の憧れである氷炎の召喚を試してみる事にしました。


 それは氷属性の炎です。


 机の上にある飲みかけのコーヒーに精神を集中する。右手に描かれている魔法陣に術式を走られてみる。青白い炎が現れて飲みかけのコーヒー上を回りだす。私は集中していた右手の拳を握る。


 一瞬にしてコーヒーが凍りつく。


「できた……」


 この氷炎は炎属性が効かない相手に有効である。氷属性の召喚術にとってはカップのコーヒーを氷つかせるのは簡単であるが、私の様な炎属性からの氷を作る事はかなりの高等召喚である。

私はバランス型の召喚術士でない。この世界のことわりは『極める』のは最強である。そう、それが氷炎に代表される属性を超える力です。


 うぅ……意識がなくなるほどの力を使ったのです。


『絶対正義』は強さの印。そう、弱き助け悪を裂く。私の決意の名の下に『絶対正義』は星の様に輝く。


……。


 気がつくと朝でした。


 ふ~ぅ、ぶっ倒れたか、薄れ行く意識の中で強がりを言った記憶があります。私の炎術はまだまだです。


 さて、学校で勉強だ。

私は朝の支度をして登校します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る