「恋人になろうよ!」

 俺と奏は高校になり両親が海外出張で出かけてて姉弟として普通に暮らしながら生活をしていた。

「士郎~」


 ガチャッ!


「ゲーム機貸して!」

「……」

 今はドアを開けてゲームをしている俺の邪魔する姉になってる。

「……今、ゲームをしているんだけど」

「それは知ってる。士郎のゲームがあるからそれから借りようと思ってるから来てるの」

「……迷惑な話だな」

 奏が俺のところに近づいてきた。

「お願い! 新作のゲーム買ったからやりたいの! 終わったら士郎に貸してあげるから!」

「……しょうがないな」

 俺は渋々セーブをしてゲームのコントローラーを奏に貸した。

「ありがとう!」

 奏が目をキラキラとしていて自分のソフトやりを始めた。

 俺は自分の漫画を取って奏の隣に座り込み読み始めた。

 ただ隣に居て欲しいだそうだ。

 画面の方を見ると少しアクションゲームをやっていた。

「〜〜♪」

「へぇ……」

 チュートリアルで説明してるけど結構面白そうな感じのゲームだった。

「……ねぇ士郎。お姉ちゃんとデートしない?」

「んっ? いいよ」

「やった!」

 デートと言っても姉弟で買い物や一緒になにかする程度だ。

 前に友達とかクラスメイトで姉妹で買い物とか出かけてる話を聞いてから奏とも出掛けるようになった。

「それで出かける用事はなに?」

「喫茶店に美味しいカレーがあるんだって。士郎と一緒に食べたいなって」

「なるほどね。了解」

「やった!」

 奏が嬉しそうに左右に揺れていた。

「……」

 けどこうしてデートに行くのは恋人だと思うかな。

 奏も高校生で好きな人ぐらいはいるだろうな。

 俺がいうのもなんだけど結構美人だと思う。

 姉弟として見ていたが多分友達のままだったら告白して振られてると思う……。

 ……振られるんか。まぁ、姉として見てしまってるから弟に告白なんかしたら嫌な目で見られるのは確かだ。

 ……俺は実際に言うと奏が好きだと思う。

 あやふやにはなってしまうがやっぱり幼稚園から一緒にいて、姉として見てしまったけど多分、好きになったのは幼稚園頃に彼女と居て楽しいって気持ちがあったからだ。

 けど姉弟になってるから告白なんてしたら絶対に嫌われるのは目に見えてる。

 だから、好きな人っていうのは気になってしまう。

 とどめを刺して欲しい。

 早めに終わらせよ……。

 ズルズルと引っ張ってきたから余計に気持ちが痛いし自分で終わらせたら楽になる……。

「……なぁ、奏聞いてもいいか?」

「んっ? なにデートの話し? それだったら喫茶店の後か前に下着とか服も欲しい。可愛いのがあったから買いたい」

 ……わかってはいたけどやっぱり弟な気持ちなんだろうな。

「まあ、そのデートなんだけどさ。それって……大抵恋人とか行くものだろ」

「……え!? うん、そうだね」

 奏がセレクトボタンを押し、ゲーム画面を止めた。

「もう、高校生だから好きな人っていたりしないのか?」

「……え、うんまぁいるよ。それは」

 あぁ、居るんだなやっぱり。

 俺が出る幕なんてないな。弟の俺はサッサと終わらせよ。

「そっか、それじゃあ頑張ってくれよ。その好きな人と恋人になって幸せに」

「え!? いや、好きな人は士郎だって! 士郎が好きだからデートがしたいの!」

「……え!?」

 好きな人が俺!? ……そう言ったよな。嘘だろ! やったー!

 気持ち的に嬉しかった。

「やっ……」

 けど、やっぱり冷静に考えてみると俺たちは姉弟だというのは気づいた。

「……いやあの俺たち姉弟だけど」

「え? それは兄妹とかは出来ないけど。私たちなら恋人になれるよ?」

「……どうゆう意味?」

 俺が首を傾げると奏が首を上下に頷いた。

「だって私たち血が繋がっていないから結婚とかしても大丈夫よ。それとお母さんとかお父さん達なら私たちが恋人になっても簡単にオッケーもらえるよきっと」

「……え!?」

 え? なんか……簡単に?

「恋人になろうよ! 弟としても好きだけど、恋人になってイチャイチャしようよ! 恋人で士郎とやりたいこともあるから」

「……え、あっうん」

 簡単に、奏と……。

「恋人にしてください」

「うん!」

 笑顔で恋人ととしてなれた……。

 気持ち的に嬉しすぎる。

「……うん。お姉ちゃんとしても恋人と同じように頑張るね」

「……はい」

 お姉ちゃんでもあるけど奏と恋人になりました。

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