第12話『告白、そして……』



「帰ったぞー」


「お帰りデス!」


「あれ、二人は?」


「まだゲームやってマス。まぁみたらしはギルド運営で仕方ないとして、里奈は素材集めをまだやってマス」


「そうか……」


やっぱ面倒なんだなぁ、ギルドを作るのって……。それより素材集めって割と虚無じゃない……?辛くて三十分で断念したんだけど。いや良い素材を集めて、強い武器を作るって言う目的は分かるのよ、でもそんなに面白くは……。


「あぁそうだ。俺ゲームで鍛冶屋やる事になったから」


「そうなんデスか?そう言うのが好きなんデス?」


「まぁね。……。さてと。リル」


「なんデスか?」


「……こんな事を今言うのはなんだが、リル。好きだ」


「……?」


あっ、リルのCPU使用率がえげつないことになってる!何!?理解できなかったの!?


「……そ、それは……。つ、つまり……、告白ってコト!?」


「そうだよ!」


「ハイ!私も大好きデス!!海月!!!」


よしこんな感じでいいか!うん!リルは毎回好きだって言ってるからな!うん!好意を持っているよな!……なんで好かれてるのかは分かんないんだけどな!正直!


「そう言えばさ」


「ン?」


「なんで好きになったの?」


「ンー……。一目惚れデスかね?人の恋に大した理由はいらないと思いマス!だって恋はハリケーンデスから!」


……そ、そうなのか。んまぁそう言う物か。俺も皆好きだしな。……多分これはラブじゃなくライクだと思うんだけど。とにかくリルには伝えられたぞ!


「二人にも言いマス?」


「まぁうん。……言いたいけどねぇ」


「大丈夫デスよ!二人共海月の事大好きデスし!とはイエ、二人がドウ思うかは分からないデス。頑張りマショウ!」


「よ、よし!やってみるか!」


……明日な!とりあえず今日はアレだし、明日頑張るぞ!


「そういうトコ、もっと頑張れって感じデスね」


「言わんとしてる事は分かるよ」


こればっかりは仕方がないのだ。俺は自覚してはいるが自己肯定感が鬼のように低い!そりゃもうおっそろしい程低い!一々自分を卑下してしまうのだ!


「ぐうぅ……」


「マ、これから頑張りまショウ!私も手伝いマスよ!」


「ありがとねリル……」


と、とりあえずどっちが先に降りてくるかだ。里奈は気の合う後輩って感じでだいぶ慣れてはいるが、告白って感じじゃないんだよなぁ……。なんだろう、気が合いすぎて踏み込めないって感じ。


みたらしは色々あったけど、今頑張ってるからね……。俺も頑張ってみるか。……でも、みたらしは繊細だからなぁ。告白されてなんて言うか……。してみない事にはわかんないけど。


「よし!じゃあ頑張るぞ俺!」


「頑張ってくだサイ!」

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