第4話『ゲームがあるらしい』


「お前ら俺の部屋に泊まるつもりか?!」


「え?違うんすか?」


「他に部屋あるだろ!?」


「ノー!私がココに泊まりたいって言ったんデス!もうベッドも置いてマス!」


「ってかその機械何?」


「……ゲーム」


 いやもう、もう……諦めたよ。言っちゃぁ悪いんだけど、確かに俺の部屋無駄にデカかったし……。四人住んでようやくトントンって感じだし……。それに、まぁ一緒にいられるなら別にいいかな。うん。そう言う事にしておこう。


「ゲームやるんだ」


「そりゃそうっすよ先輩!……ってか、先輩はしないんすか?」


「俺はちょっとね……。時間がね」


 そう言えば、高校一年の時は本当に時間も何もなかったからなぁ……。叔母さんにいっぱい迷惑かけちゃったし。しかし今はもう大丈夫!自分で飯も作れる!一応!


「あ、そう言えばウチ今度新しいゴーグル買うんすよ、先輩どうっすか?ウチのお下がりっすけど、スペックは高いっすよ!」


「そうか……。ちなみにどんなゲームをするんだ?」


「……名前は、『エル・ブレイク』。面白い」


 知らない名前の知らないゲームだ……。いやまぁ確かに、VRゲームが流行ってるって言うのは聞いてたけど、まさかここにいる俺以外の皆やっているとは……。俺もやってみるかな?里奈がお古くれるって言うし。


「でもウチらって同じギルドでも無いっすよね?その辺どう思います先輩」


「いや俺に聞くなよ」


「……。みたらしは入ってない」


「私もデス。ぶっちゃけうま味が無いデース!」


「そうっすか。まぁウチも入ってないんすけどね!」


 ……。いやもうギルドって何……?話を聞くに特に意味が無さそうって感じなんだけど……。なんなんだ?まぁそう言うならやってみるかな。


「じゃあ布団敷くから手伝ってくれ」


「はーい!」


「……ん」


 あ、そう言えばリルはベッドだったな……。


「どうする?その……ベッド」


「ンー……。まぁアレはまた今度と言う事デ……」


 結局布団で寝るのか……。ベッド持って来た意味が無いよ意味が。しかしこうして布団を敷いてると、中学の修学旅行を思い出すな。あのバカ共元気にしてるかな……。


「じゃぁまくら投げでもするっすか!」


「おいおい」


「ん」


 布団を敷くとやりたくなるまくら投げ。俺もそうだけどちょっとさぁ!加減って奴をさぁ!あっこの野郎本気で投げ合いやがって……!仕方ない、中学のまくら投げの時に、一人で全滅させた俺の実力、見せてやるよ!


「お前ら全員本気でぶっ飛ばすから覚悟しろや!」


「げっ!先輩が本気になったっす!逃げろ!」


 逃げても全滅だぞぉ?!一人残らずまくらの餌食にしてやる!

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