第3話『なんで来るって事になってるの?』


「えっ親に連絡は?」


「したっす」


「俺の家に連絡は?」


「やってマース!」


「荷物は?」


「……もう……持って来てる」


 ?????????????


「お?なんだ海月、女連れ込んでんのか」


「あっおばさん!」


「人の前で叔母さん呼びはやめろって言ってるよなぁ!?」


 あぁ痛い痛い!やめて!頭ゴリゴリやめて!確かに三十代で叔母さん呼びなのは俺もどうかと思うけど!しょうがないじゃん俺にとって叔母さんなんだから!


「叔母さん?」


「あぁ、俺の親戚の人でさ、今俺はこの人の家に居候させてもらってんの」


「へー。あ、どうも!私はリル・ゴールドデス!今日からよろしくデース!」


「あぁ、あんたが今日から来るって言う……。ま、狭い民宿で、人全然いないけど。よろしくな」


 ……。あぁ!そう言えば叔母さんの家って民宿やってたわ!全然人いねぇし客来ねぇから忘れてたけど!良く知ってたなぁ。


「ん?って事は、今日からここに民宿として住むって事!?」


「ハイ!」


「え、お金大丈夫?」


「その辺はまぁ、大丈夫っすよ。と言うか先輩の家が民宿って知ったのつい先週っすからね……」


「……。客いない。予約、簡単」


 叔母さん……。本気で心配になったんだけど……。どうやって俺を食わせてくれてるの?学費も払ってくれてるの?バイト代からいくらか出そうかな?


「じゃ、そう言う訳でお邪魔するっすよー!」


「私もオジャマデース!」


「……はい」


 ……。まぁあの三人はいいとして。叔母さん……。俺に、隠してたんだね?知れば俺が多分何かしらしようと動くからって。


「まぁ待てや海月。……。あたしはね、金に困ってるわけじゃないんだよ」


「……」


「そりゃまぁちょっと厳しかったけど」


「俺に言ってくれればいつでも手伝ったんだけど」


「そりゃ知ってるわ。……だから言わなかったんだよ、お前が知ったら絶対気負うだろうからね」


「……」


「でもねぇ!学生ってのは人生で一度きり!……最大限楽しみなさいな。あたしが出来なかったんだから」


 叔母さんがいい人なのは知ってたけど……。もう少し俺に話してくれても良かったんじゃないかな。……俺はただでさえ、ほとんど何も出来ずにこの家にいるんだから。


「それより、アレ彼女?三人も手ぇ出すとはねぇ……」


「違うからな!?アレは、その……。後輩だ!後輩!」


「……そうかい。ま、そう言う事にしといてやるよ!ほら分かったらさっさと行く!」


 ん?行くって……え、まさか叔母さん!?俺の部屋に案内した訳じゃないだろうな!?そ、そんな訳……


「へー、先輩って結構部屋デカいんすねぇ」


「この野郎!」


「(笑)」

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