12-03 自給
そして、3日目の朝を迎えた。
運は味方してくれた。
一昨日、ここへ着いたのは、夕暮れ時だった。
そして昨日は、雨天の為、散策できなかった。
そして今日は、晴天。
始めて、このまわりを散策する。
目的はここで自給が可能かどうかである。
アノンさんが、みんなを呼んだ。
見て欲しい物があるとの事である。
それは、倉庫のような小屋だった。
その中に置かれていた物、それはクワなどの農機具だった。
ここに農機具があるという事は、この近くに畑がある。
BMさんと、ドローンを飛ばした。
上空から、この辺りを撮影する。
そして撮影を終えたドローンから画像データをノートパソコンに移し、画像を再生。
見つけた。
ここから北へ向かう山道の途中に畑らしきものがある。
そこまでの距離は約2km
……なるほど、ここから更に北へ2kmというと、最初の上空写真には写っていない。
私たちは、全員でそこへ向かった。
この山道沿いを歩いていく。
そこに、畑があった。
おそらくここで農作業を行い、あの山小屋を利用していたのだろう。
半年間、放ったらかしとなった畑である。
しかし、じゃがいも等が収穫出来た。
私たちは、食べられそうなものだけを持って、山小屋へ戻った。
そして私は、再びドローンからの画像を確認した。
ここに山小屋を建てたという事は、何処かに水源があるはずである。
ドローンが映した画像から、小川のようなものを見つけた。
ここから近い。
そこへ皆で行った。
綺麗で透き通った水が流れている。
この水をろ過器でろ過すれば、飲み水になる。
ここで、水と食料が手に入った。
そうなると、話しは変わって来る。
話し合いのもと、しばらくここへ滞在する事となった。
小川を見つけてから、何やら女性達は話し合いをしている。
男3人が座っている所へ、女性4人が話しに来た。
水浴びしたいとの事である。
「まぁ、天気もいいし、いいんじゃないですか」
と言うと、
「あの……見に来ちゃダメですよ」
と言われた。
……ああ、そういう事か。
3日前から、お風呂に入っていない。
彼女達は着替えを持って、小川の方へ行った。
我々男3人は、黙って座っている。
皆さん、実に魅力的な女性で、正直 男としては、その裸を拝みたい。
しかし、男3人がお互いを見張っている。
『ちょっと彼女達のようす、見て来ますか』等と言い出す人はいない。
まさに女性達は、あっさりと我々男性3人を縛り付けたのだ。
小川の方から、『キャッ、キャッ』といった声が聞こえてくる。
……けしからんなぁ。
・・・・・・
しばらくすると、彼女達が戻ってきた。
なんだろう、皆さん得意顔である。
C子さんが言った。
「見てぇ」
タオルの中にあったもの
「えっ!」
それは川魚だった。
私たちは驚いた。
アノンさんが言った。
「鳥や動物は居ないのに、魚は生息しているんです」
「……解った。私も水浴びしてくる」
C子さんが言った。
「今晩は、じゃがいもと魚料理でーす」
男3人も、着替えを持って小川へ向かった。
水が豊富にあるという事は、非常にありがたい。
ジャガイモは、水洗いして皮をむいて茹でた。
川魚は、生で食べるのは危険な為、良く焼いて食べた。
ここへ来て、初めての自給だった。
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次回:畑作り
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