04-02 連れて来られた人達

 BMさん、B子さんがここへ入居されてから数週間が経った。

 そして、この施設へ更に2人、入居される連絡が入った。


 正面ゲートが開き、あのトレーラーが入ってきた。


 私と詩織、そしてBMさんとB子さんは、正面ゲートに向かった。

 127さんに連れられて男性と女性の2人が降りて来た。


 1人は、40代ぐらいの、品の良い感じの男性。

 そして、20代のくらいの、胸の大きい、はつらつとした感じの女性だ。


 その2人に私たちを紹介した。

「彼はAMさん、彼女はAFさん……そして、彼はBMさんで彼女はB子さん。

 ここでの仮称ですので、B子さんのように、好きな名前を付けて頂いてかまいません」


 次に、連れて来た2人を紹介した。

「彼はCMさん、そして彼女はCFさんです」


 すると、CFさんと紹介された女性が手を上げた。

「はい。私もCFではなくて、C子がいいです」

「了解しました」


 すると、詩織も手を上げて言った。

「あの、私もAFではなく、今からA子に変えて頂く事、可能でしょうか」

「了解しました」


 ここでは単なる記号であるが、女性はF記号のfemale(メス)に抵抗が有るようだ。

 しかし、男性は、皆このままで良いらしい。


 という事で、

 AM、A子、BM、B子、CM、C子というコードネームになった。


 CMさん達の食材や生活必需品が運ばれていく。

 そして127さんは、トレーラーと共に帰っていった。


 私たちは、ここの施設を案内し、お互い干渉しないお付き合いに、CMさんとC子さんも同意された。


 今日はCMさん達にとって、最初という事で、全員で食事する事にした。

 全員で夕食を作る。

 C子さんは、手慣れたものである。


 6人分の夕食を作り上げて、3つのテーブルを付け、夕食を始めた。


 お互い干渉しない。

 そして、お互い詮索しない。

 とはいっても、どうしても相手を頭の中で詮索してしまう。

 それは、皆さんも同じようで……。


 だが、一番詮索されているのは、私と詩織の関係だろう。

 A子(詩織)は中学生?

 そしてA子は私に敬語で話す事から親族ではないようだ……と?


 CMさん達にも、12部屋あるプライベートルームの内、2部屋を専有してもらう事となった。

 2人とも、別々の部屋で寝るようだ。

 どうやら、そういった関係では無いようだ。


・・・・・・


 それから数日が経った。

 CMさんとC子さんは、バケツと大型スコップを持って、庭園を散策し始めた。

 さまざまな所の土を掘り起こして、何やら調べている。

 いったい、何が始まったのだ。


 私と詩織、BMさん達、CMさん達、この3つのグループは、リビングでも離れたテーブルを利用して、食事等を行っている。


 とは言っても、普通の会話であれば、聞こえてきてしまう。

 B子さんの話が聞こえて来た。

「・・・今日は、北側の構造を調べてみましょう」


 BMさん達は、この施設の図面を描いている。

 彼らはいったい、何を調べているのか……?


 そして、C子さんの話しが聞こえてきた。

「・・・庭園の西側の土には、溶岩石が含まれています。〇〇地方の土を運んで来たのでしょうか」


 CMさん達は、地質学の専門家なのだろうか?

 しかし彼らも、何を調べているのか……?


・・・・・・


 B子さんとC子さんは年が近いようで、すっかり親しくなったようだ。

 そして詩織を含めて女性3人、この施設に連れて来られた仲間という事で、良くお茶会と称した女子会を開いている。

 とても良い感じだ。


 それに比べて男性3人は、あまり関わろうとしない。

 ただ、女子会で女性が仕入れて来た情報を元に、相手を色々詮索している。


 当然私も例外では無い。

 詩織の話によると、BMさん達も、CMさん達も、

 どうやら理系分野の専門家のようだ、との事。


 どのような事で、ここへ連れてこられたのだろう。


・・・・・・


 BMさん達は、この施設を測量し、図面を描いている。

 CMさん達は、この庭園を散策し、さまざまな所の土を掘り起こしている。


 私と詩織は、相変わらずリビングで話をしたり、専門書を読んだり、庭でキャッチボールをしたり。


 最近詩織は、アンダースローでボールを投げる。

 このフォーム、さまになっているのだが、この投げ方だと……めーない。

 これは……おあずけである。


 しかし何球かに1回、オーバースローで投げる。

 来たっ!

 『ズバン』

 ご褒美、頂きましたぁ!

 ……今日は白でした。 〔←良かったね〕


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 もぉーーーバカじゃん!


 そして、いよいよこの小説にも、魔法使いが登場します!


 次回:(第4章 最終話)魔法使いと星の王女さま

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