死の恐怖を受け入れなければ長期投資はできない
2000年代。
80歳を過ぎたご老人がこう言う。
太平洋戦争で生き残った人がこう言う。
零式艦上戦闘機に乗ってラバウルの空で戦った人がこう言う。
大型空母、赤城の零戦パイロットだった人がこう言う。
「平和な世に生きる人たちは、普段から死の恐怖を感じて生きてることがありません。私たちの世代はそうじゃなかったんです。死は、常に身近にあるものでした。
死を自分とは関係のないこととは思いませんでした。いつでも死ぬ覚悟があって
暮らしていました」
明治時代より以前。江戸の戦国時代、それ以前から人々の生活は死と共にあった。
飢饉が起きれば農民は飢え、果ては互いの子供や死体まで食う畜生となり死ぬ。
戦争が起きれば農民は戦に駆り出され、畑には幼い子供や嫁が残されて飢える。
戦の結果、対象の地位にある男でも負ければ打ち首になり、生首が衆目にさらされる。織田信長軍に敗れたものとあれば、敵側の城にいる妻や姫、その他の侍従は
身体をはりつけにされて身体中をナギナタで切り刻まれる。
負ければ、死ぬ。それもただの死に方じゃない。苦しんだ末に死ぬ。
株式投資とは何か? それは死の恐怖を受け入れることだ。
死の恐怖を受け入れる人にしか勝利がもたらされないことだ。
https://www.youtube.com/watch?v=jraI-9MWzjA
【衝撃】投資初心者が新NISAで損切り祭!誰も気付かない最悪の理由がコレ
かぶまるさんの動画にも真実が表れている。
8月の暴落を受け、日本で定番の投資信託からお金が抜ける。
イーマクシス・スリム・SP500から226億円。
オルカンから78億円。
かぶまるさんの計算では、9割の新NISA組が「死んだ」
彼らは敵の弓矢に倒れたわけではないから生物として死んだわけではないが、
損切りによって多くの財産を失った可能性が高い。
よって便宜上、死んだ、戦死と定義しても問題ないだろう。
筆者が22歳の時から社会で働いていて感じるのは、ここで貯金をしなければ
老後は果てのない苦しみが待っている。死ぬ。そういうことだった。
今、資産運用をするうえで企業の財務分析をしているうえでもそう思う。
この貸借対照表の読み方を少しでも誤れば死ぬ。そう思いながら運用をしている。
成功するか?
失敗して破産するか?
これは銀行からお金を借りて企業経営をする人と同じ心境。
経営者は死のリスクを当然背負って命を懸けている。
永守さんや稲森さんの歴史を学ぶとよい。
若い連中がなぜ企業に失敗するのか。なにゆえ9割が3年以内に倒産するのか。
優劣な武田の騎馬軍に対して、なにも鍛えてもない男の集団が、ホウキとチリトリを持って戦うくらいの覚悟しかないだ。企業経営は簡単なものじゃない。
ただし、我らは経営者ではない。投資を通じて出資する側である。
現物株式投資をである。どこからも金など借りてない。
よって半年先まで株が含み損であっても、そもそも返済する必要のない金なので
右往左往することがないことは、理屈の上で理解できる。
よって短期的に狼狽する必要がないが、死の恐怖がないゆえに心が揺らぐ。
俺は、小説、映画、漫画、その他の伝記を通じて、あらゆる時代のあらゆる人の死を学び続けてきた。俺が大学時代に最もよく学んだ内容は経済学でも英語、ドイツ語でもなく、歴史に関することだった。
どんな名将でも自らの死は怖いものだ。
回天特攻隊の皆様も、突撃用の潜水艇に乗り込んだ際は死の恐怖のあまり震える。
神風特別攻撃隊の皆様も、敵空母艦隊に突撃する際は母親の名前を呼んだ。
あの織田信長でさえ、武田信玄の騎馬を正面に迎える時になって右手が
ガクガクと震えて止まらなかった。部下たちはその姿を後世に伝えている。
だがこの方々は、決して周囲に怖いと口にすることはなかった。
【俺だって相場は怖い。こんなに恐ろしいものはない。だが命を懸けて戦う】
恐怖の本質は受け入れることだ。
プロのアスリートも本番になると恐怖とプレッシャーに耐え切れず本来の
パフォーマンスが発揮できなくなることが常。それは登竜門。
「まず、恐怖を受け入れて」「自分が臆病だと認めて」
場数を踏むことで人は大物と呼ばれるほどの器に育っていく。
これは経験が作り出すことであり、本をいくら読んでも身につくものじゃない。
投資の世界において自分の資金量によって恐怖が増大する。
うえのかぶまるさんの動画では、100万の投資資金でも20%の下落において怖くてたまらなかったと博麗霊夢が語る。blackさんの場合は、資産の総額がその40倍にもなるから恐怖は激増する。blackさんは会社の事務員であり、それが本職であり、株は副業でやってる。わけもわからず動き続ける相場に恐怖を覚える。
それは人として正常。しかし、いずれそれを乗り越えなければならぬ。
【資産4000万で投資を続ける。決して売ってはならぬと知りながら。
すなわち敵兵4000に対して戦うのと同等の胆力を要する。
自分は一人の将となり、部下である株が4000人いると考えろ。
君が売りの注文を出した瞬間、部下が死んでいき自軍が不利になる。
まだ負けたわけでもないのに売りとは、敵に降参するのと同等】
どこかの誰かが言う。
SP500のインデックスが含み損で困ってると。
そんな馬鹿なと筆者は思う。仮に今年の初めにSP500を買った人なら
含み益が続いてるはずだと。
Nikko Listed IDX Fund US Equity (S&P500)
8,508 JPY +1,079.00 (14.52%) 年初来
↑日興証券の上場インデックスファンドSP500を見る。
しっかりと年初来で含み益になるはずだ。
なぜ含み損になる? それは高値で買ってるかだ。
素人は戦いに挑むのを好まない。安全な場所で戦いたいと思うから、
相場の天井7月で戦いを挑んで買い付けたのだろう。
筆者は4月の時点で異変を疑い。日米の半導体ETFをすべて処分した。
最も有利な時に最悪を思い、最も不利な時に希望を見出す。逆張り成り。
相場には異変が常にある。
敵の気配が変わる、戦いの潮目が変わる時が、どこかにある。
その時に俺は思う。「怖い」「気持ちが悪い」「ざわざわする」
俺は怖いと思ったら、いったん逃げる。
株を売るわけじゃない。株は持ち続けて配当権利を得続ける。
ただ、相場を見る必要がないので何か他のことをやる。
相場と距離を取ることを、俺は逃げると表現する。
俺が逃げても企業経営者諸君らは今日も働いてくれている。
戦うべき時、そうではない時を見抜く力。経験と知識で身につくものだ。
自らが臆病だと正しく認め、恐怖を正面から受け止める時、初めて投資家の次元に達する。blackさん、及び読者諸君、君たちがこの次元に達するのはまだ先の話になる。だが決してたどり着けないものではないと知れ。
株を売らずに持つか、ただちに売ってしまうか?
生きるか? 死ぬか? 老後は自民党と企業の奴隷となって飢え死にするか。
江戸時代も令和の時代も、人の本質に何ら変わりはない。
歴史を知る人間としては、死を日常に感じない今がおかしく感じる。
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