デビューさんへの手紙(リタイヤメント・プランニング)

俺は机上の空論を嫌うので、あまり具体的な金額を書きたくなかったが、

デビューさんの株式のみの長期運用は、資産の増加率が我々3人の中で一番早い。


少数エリート投資家が集まる「投資の意見箱」のトップランナーだ。

来年に大和銘柄の整理が終われば、損益が黒字化し今後は資産が伸びつづける。

2030年予定の第二次リーマンショックの大暴落までに新NISAの配当再投資も

手伝い、資産額4,000万~5,000万はおそらく達成できる。


運が良ければ(ニデックとトヨタの経営が順調なら)

7,000万が達成できるかもしれない


★最大リスク★

旦那さんの年金生活開始時にリーマン級の大暴落が来る可能性がある。

過去の事例から株価が最大で5~8割は暴落し、回復に3年かかると考えよう。

2001年のITバブルもやばかった。IT銘柄のアップルは株価が9割下落したものだ。

多くの企業が無配になるか配当が半減になった。

まれに配当を維持してるのもあるが(花王やアサヒGなど)


※俺がblackさんに「安定」で進めているのは、

大暴落時に配当を維持できることが予想される銘柄が中心となってる。


また俺とblackさんは老後まで時間の余裕があることから、

(blackさんの実年齢は不明だが・・・・・・)

2030年の大暴落は受け入れて全額投資を継続する計画だ。


リーマンショックの際、老後資金を株式のみ(確定拠出年金)で運用していた

米国人60歳の多くが退職と同時に破産し、家を売って車で

生活することを余儀なくされた。住む家がないので車中泊するしかなかったのだ。

彼らは例外なく貯金がゼロだったので日本人としては異常な感覚だが。


暴落とは、予期しないときに10年単位で必ず起きている。

これは株式市場の過去200年の歴史が証明している。

前回のリーマンが2008年でコロナが2020年と12年も開きがあったが、

おおむね10年単位でよろしい。


すると次は、2032年~34年が怪しくなる。

コロナの暴落で多くの有望な株式が配当が半額が無配に転落したが、

(当時は丸紅や双日も大火事に転落し、株価は大暴落した)


コロナは流行性の感染症であり、


①大災害で企業の本社や生産設備が破壊されたわけでもなく、

②国と国が争う戦争でもなく、

③銀行が破綻したわけでもない


よって株価回復が早く、21年にはコロナバブルと呼ばれるくらいに回復。

22年はウ戦争の影響で利上げが早まり、暴落したが23年にインフレ鈍化で

株価回復と、ジェットコースター相場が続いた。この3年間は、

結果的に株を持ってるだけで誰よりも得をすることができた。


2008年。

リーマンの時は不動産担保証券の不良化による(サブプライムショック)

リーマンブラザーズ証券の破綻から、各国の銀行の保有債権が大幅な

赤字の連鎖になった。


これは経済の血流である「銀行」が直撃を受けて回復不能なほどの

ダメージを追ってしまい、主要な企業の株価回復に3年もの時を要した。

日本はさらに2011年に東日本大震災もあり最悪の状態が続いた。

民主党政権時代は大幅な円高(1ドル85円)となり、

外需企業はもう外国相手の商売で稼ぐことはできないとまで言われた。


俺が大学を卒業したのが2009年の3月。

俺は一人暮らしの費用が無駄だと考えていたので都会には出ず、

埼玉北西部の農村付近で職を探す。どうやって仕事を探してもまともな求人などなく、面接官は新卒だろうが既卒だろうが「ゴミ」をみるように我々を品定めし、

あろうことかまだ社会にすら出たことない若者を面接の場で説教までする。


俺の新卒で働いた企業は正社員だったのにボーナスなしだった。ハロワに行くと失業保険を受給しに多くの大人たちが列を作って待っていたのを今でも覚えている。


それが今では人手不足(バブルを支えた高齢世帯の退職者増)となり、

面接官の奴らがこちらにコビを売り、求職者に頭を下げるようになってきた。

滑稽なことであり、これこそが経済の循環、すなわち血の流れなのである。


話を戻すが、コロナの場合は③銀行の破綻がなかった。

より端的に言えば、質の悪い風邪がコロナであり、歴史を追ってみれば簡単に終息した。スペイン風邪やペストに比べたら屁みたいなものである。

よってコロナショックは大暴落とさえ言えないのかもしれない。

だから株価の回復も早かった。


しかし、次の暴落はリーマンやITバブル級のが来るのではないか。



★旦那さんのリタイヤ後の対策★


まず次の暴落が来るまで「走り続ける」


いわば、逃げだ。先頭を走って逃げる続けるのだ。

株の含み益の増大、配当の再投資、新NISAの最大活用。

株の資産は、競走馬のように株式市場を走り続ける。

グロース株の集中投資が花を咲かせる。


旦那さんがリタイヤする直前、

株式保有額4,000万~7,000万(推定)のうち、

1,000~2,000万円分を利益確定し、現金として保有する。


(全てのグロース株が売却対象となる。リタイヤ後に企業の成長など気にする余裕は   

 ない。新NISAならば売却益も非課税となるので含み益の多い銘柄ほど効果大。

 夫婦の死後、息子さんに残したいグロース株が銘柄があるのなら話は別だ。

 逆に福岡リートなどの優れた賃料を生み出す優良資産を売ってしまうのは愚かだ)


つまり、その時点で株価の上昇も下落も、いずれの可能性も殺してしまうのだ。

利益を確定すれば、配当が得られなくなるが、もう株価が変動することはない。


株価に対して「止まれ!!」というのだ。レース場の馬が止まるように。

いったん現金として戻ってきた資産は、投資家に莫大な安心感をもたらす。


新NISAを配当だけで使うのはもったいないし、

俺も老後は新NISAで売却益を得ようと思っている。


「それじゃ株を売った分だけ配当が得らないから、もったいない……」


と思うかもしれない。それでいい。

なぜなら、いつかは暴落が必ず来るのだ。

いっそ次の暴落が来るまで現金で待機し、暴落が来たら

その時に、現金の半分を使って株を買ってもいい。

その間も保有してる株の配当は入り続ける。


日頃の預貯金に加えて、旦那さんの退職金や厚生年金もあるのだから、そんなに現金を持たなくても間に合ってると思うかも知れないが、それでも現金を確保しておくことは重要なことだ。あるいは1,000万~2000円分を債権で運用するのならそれでもいいが。


上の計算だと旦那さんのリタイヤが始まる前(大暴落前)に株の利益確定をしたとしても、保有株式が最低でも3,000万は残る計算だ(あくまで机上の空論)

うまく運用すれば年間配当80万~100万も不可能ではあるまい。


夫婦の厚生年金にこの配当を足せば生活に十分な余裕ができると思う。


それとは別に、大暴落時の買い付け資金かつ生活防衛費として

1,000万~2,000万の現金を「確保」しておく。


ご夫婦が長生きすることを願うと同時に、息子さんが大学を卒業して

30歳になる頃には社会保障制度の破綻が視野に入る。


デビューさんは息子さんのいる身だ。特に旦那さん名義で保有してる

松井証券の口座は、いずれは息子さん名義に変更することを視野に入れよう。


2050年。財政危機が本格化し、新卒社会人の給料の60%が税金で

もっていかれ、住居費を足すと赤字になるのが常となる。

多くの若者は「略奪」「殺戮」「暴行」と日本人なのに戦時の鬼畜米英と化す。


日本は「北斗の拳」の世界と化すことが想像され、東京、大阪、名古屋に

多数のスラム街が乱立するであろう、荒れ果てた日本で息子さんは生きるのだ。

子供に万が一があった時のためにも、緊急時に必要な「現金」はカギを握る。

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