新NISAで買うべき銘柄

まず大前提として、外国為替や外国政治の影響を受けにくい円資産での投資。

今から20年後に年金を始めとして社会保障が壊滅することを前提として

究極の安定資産を選定しなければならない。


βヘッジ   → 資源系、ヘルスケア、タバコ、飲料、食品などの日本株式

安定配当   → Jリート、インフラファンド


例えばTOPIXのETFを買ったとする。

TOPIXとは市場平均(β値)そのものであり、市場の価格変動の影響を

受けてしまうので「大不況時(過去のコロナ、リーマン、大震災、戦争など)」

が発生した場合に以下の事態が発生する。


・資産額が半値になる。

・分配金が半額になる。(そもそもETFの利回りが2%と低い)

・以上により精神的なダメージを受ける。


多くの素人連中が、なぜ積み立て投資に途中で失敗して全部売ってしまうのかが

分かると思う。といっても常人なら資産暴落時に精神的に不安定になるのは

仕方ない。人によってはストレスで食べたものを吐くし、夜眠れなくなり

会社に行かなくなるし、食事が喉を通らくなる。ある意味人間らしいと言えるが、


より計画的に運用を実行すれば、最初からそれらの可能性を排除できる。

我々は、常人の次元など優に超越した存在になるべきなのだ。


リートは、利益の9割を分配金として投資主に分配する決まりがあるだけでなく、

実際に支払う分配金額を維持するために内部留保金を切り崩してまで

支払ってくれている傾向になるので分配金が安定しやすい。


仮にリーマンのような不動産大不況が発生したとしても同じくNISA枠で

どんどんナンピンして取得数を増やすイメージでいればいい。


太陽光パネルを主体とした、カナディアン・ソーラー、エネクス・インフラファンドなども良い。こちらもリートと同じく賃料収入を我々に分配してくれるので

将来の安定収入となる。各企業は、太陽光だけでなく水力発電や風力発電事業へと

事業内容を拡大しつつあり、分配金はさらに安定するだろう。


βヘッジの株とは、TOPIXに対して相関性の低い株式のことだ。

ジェレミー・シーゲル博士の研究結果によって特定のセクターに属する

株式は国籍問わずに安定した配当を株主に提供することが分かった。


新NISAでは、端的に言って株価の上昇など狙う必要がない。

老後の年金代わりとなる資産は、そこから生み出されるキャッシュ(配当)を

得る目的で長期的に保有するべきだからだ。


株式投資家にとって株を売るとは、筆者のように入金力が不足した際に

他の株を買うため、仕方なく売るか、あるいはその株の成長に限りが見えた時か、その人が生活に困ったときである。


歴史的に見て、原油などの資源系の株、医療などのヘルスケア、タバコや飲料食品、

タバコ、電力通信などの公益セクターは連続増配銘が多い。

また相場の大暴落にも巻き込まれにくい安定セクターなのである。


・NTT (わが国最古の企業であり最強の公益株。日本電信電話)

・KDDI(第二電電。京セラの稲盛和夫さんが作った。業界二位の通信社)

・INPEX(コロナでは大暴落したが……。LNG、メタンガス、水素に注目)


※インペを原油だけの企業だと勘違いしてる人が多いが、INPEXは

2050年に向けて次世代脱炭素向けのエネルギー資源を開拓中である。


・5大総合商社(伊藤忠商事が最高の安定企業)

・住友林業(日本一の原生林を所有。豪州やNZにも)

・住友倉庫(物流インフラを持ち、不動産事業が安定)

・三井倉庫(ここも不動産が強い。倉庫はEV、医療、家電用の事業に注力)


・JT(タバコの海外シェアが強い。連続増配)

・アサヒG(アルコール、一般飲料、機能性食品。連続増配)

・花王(洗剤を中心とした日用品全般。東証最長の連続増配)


・大塚HD(医薬品だけでなく、ポカリなどの機能性飲食品の利益率も高い)

・中外製薬(スイスの超大手ロシュの傘下。無借金経営の連続増配)

・テルモ(業務用の医療機器の製造。さわかみファンドも上位に組み入れてる)


これらの銘柄で新NISAの個別銘柄を組むべきだろう。

筆者のSBI「世界分散型」では日本の個別株はβヘッジの株を積極的に

組み入れており、今のところ配当利回りは安定しており満足している。


中でも住友の名前には敬意を払っていただきたい。

私欲を滅し公益を最優先に考える創業者の思想が今も息づいている、

住友は、世界最古の財閥(なんと500年の歴史を持つ)として知られている。

あのロックフェラー財閥よりも歴史が長い財閥が、我が国に存在しているのだ。



市場平均と相関性の低い株式をこうして並べてみると、

不思議な共通点を発見した。配当権利が6月と12月の銘柄が多いのだ。


花王、JT、アサヒG、INPEX、住友林業、大塚HD、中外製薬は

6月と12月が権利日だ。


普通、日本株は圧倒的に3月9月の権利確定が多く、内需系の企業で

なければそれ以外の月での権利確定はまずみられない。

それが、βヘッジのために厳選した日本株式でこんなにも

多くの銘柄が6月12月権利確定になるとは不思議なものだ。


またリートやインフラファンドの権利確定日もばらばらだ。

リートであれば2月8月が多く、インフラならば5月や11月が多い。

実際は個別銘柄によって権利日は大きく分かれるが。

このように厳選した新NISA銘柄の権利確定日が、一般的な日本外需系の

株式から大きく離れていることが判明した。


これはすなわち、これらの銘柄で幅広く分散した1,000万程度のPFを

組むことによって、実質毎月のように何かしらの資産から配当や分配が

支払われることを意味する。無期限の非課税のために、

その節税効果は大きく、投資家としては生活への安心にもつながるだろう。


これにJリート系のETF(日興アセット)を組み合わせると、

分配金が二か月に一度支払われるので、さらに面白い効果が発揮されるだろう。

例え少額の分配金だとしても、老後の生活を考えたらその金額だけを

毎月引き出して生活費の補填にすることも可能なのだ。


あるいは月5,000円程度を遊びに使うのも有りだ。

我々は若い時から質素倹約に励んだのだから、老後くらい好きなことに

お金を使って楽しむべきだろう。お金とは使うためにあるのだから。


世間の向こう見ずな人間は、十分な貯金もせずに遊んでしまう傾向にあるが、

我々はその遊ぶタイミングを世間よりも大きく後ろにずらしていると考えなさい。


以下は余談。


米英スイスを中心とした海外勢に食品企業の世界シェアで完敗してる日本で

食品銘柄の投資適格株はまだ見つかってない。あるとしたら日清食品HDだが、

余計な優待品(カップ麺など)があるせいで配当利回りが低すぎるのと、

株価があまりにも高すぎる(100万超え)ので投資対象とみなせない。


☆ネットの記事より抜粋☆

世界のほぼ全ての大手食品および飲料ブランドは、

たった10社の企業に支配されている。


その10社とはネスレ、ペプシコ、コカ・コーラ、ユニリーバ、ダノン、ゼネラル・ミルズ、ケロッグ、マーズ、アソシエイテッド・ ブリティッシュ・フーズ、そしてモンデリーズ・インターナショナルだ。


日本株の最大の弱点は、食品系の外需企業に投資できない点だ。

例えば森永とか明治乳業などは、世界的な市場を獲得できてない上に

配当利回りが低い上に無駄な優待を投資家に送っている。

売上が国内に依存していれば、売上はいずれ頭打ちとなるだろう。

投資家の資産増加のために、ほぼ寄与しない銘柄と言い切ってもいい。


他にもある。日本株にはGAFAMに匹敵する巨大IT銘柄がない。

あるとしたらソニーだけだが、ソニーはコングロマリットなのでITとはいえない。

ゴールドマンサックスやJPモルガンに匹敵する投資銀行もない。

シャネルやグッチのような世界的な高級ブランドもない。


要は、国ごとに得意な分野と不得意な分野があるのだ。

日本は三菱、三井、住友などの財閥が強く、自動車、建築、不動産、

鉄鋼、化学の素材などのシェアで米英を負かしてしまうほどの力を持っている。

有名なトヨタは実は三井財閥である。しつこいようだが、今日英語が世界言語と

なってるように米英とは過去200年に渡り世界を支配した国である。


日本株で不利な部分は、外国籍のETFを購入することでカバーするのが得策だ。

特にナスダックETFが最も重要であり、日本が最も苦手とする最新のIT企業に

実質的に投資をする機会を与えてくれる。日本の全ての投資家にナスダックのETFを所有することを強く勧めたい。


(しかし素人はナスダックが下がり続けると売ってしまう。しかも素人ほど

 無謀にもレバレッジ型のETFに手を出して一攫千金を狙ってしまう)


欧州全域に投資できるユーロストックス50のETFも後で紹介したい。

俺が一番欲しいのは将来の大国になるであろうナイジェリアやエジプトの

ETFだが、東証ではまだETFが作られてない。

遅くとも俺が老人になる前には作ってほしいのものだ。

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