筆者の「世界分散型」の年後半の運用

掲示板(投資の意見箱)の人たちには昨年末時点で公開しているが、

この小説には新たな読者さんもいるようなので改めてPFを公開する


「世界分散型」 中長期のアクティブ運用

グローバル・マクロ戦略(ETFを含めたマルチアセットを使用。現物取引のみ)


評価額合計 評価損益合計

9145273   -1019351


過去の累積リターンを含めた投資元本は1,000万を超える。

株式(特定預り)

銘柄   銘柄名称        保有株数  取得単価 現在値 評価損益

1322   上場パンタ    40    8476  7598   -35120

1324   NF・ロシア株ETF  1600   162     88.6 -117440

1345  上場Jリート      200   1959    1871 -17600

1495  上場アジアリート    30    10697   10510   -5610

1555  上場Aリート     150 1773 1665.5 -16125

1605  INPEX        300 1409 1511 30600

1681  上場MSエマ      70  1648 1689 2870

1911  住友林   100 1949 3130 118100

2031   ハンセンブル      24 8413 5183 -77520

2046   インドブルETN    9 17826 19495 15021

2502  アサヒ          100 4308 5398 109000

2552  上場JリートM     11 1955 1981 286

2768  双日          100 2060 2843 78300

4188  三菱ケミカルグループ   500 855    817.3 -18850

6594  ニデック        200 14173 7090 -1416600

7203  トヨタ自        500 2145 1937 -104000

8001  伊藤忠          100 3577 4785 120800

8053  住友商          100 1802 2651 84900

8593  三菱HCキャピタル    500 605    761 78000

8802  三菱地所        300 1649 1600 -14700

9101  郵船          100 2698 2929.5 23150

9107  川崎船          100 2156 3185 102900

9284  カナディアンソラ    1 117966 123600 5631

9286  エネクスインフラ    2 89293 93400 8214

9287  JIF           2 89429 92400 5942

9303  住友倉          100 2036 2241 20500


22年度末    → 評価額 850万 

23年5月26日 → 評価額 916万 (ただし、トータルでは含み損)


ポイント

・ニデックの含み損140万は変化なし。リターンを押し下げる。

・外国ETFは、インド以外は全て含み損(マクロ経済の影響)

・日本株の含み益が増加した。

・ロシアETFは売買停止。戦争終結の気配なし。


3月に小麦ETFを8万分損切りしているが、それも含めての

この評価額の増大である。年初来リターンは+7.2%。

単純な資産の増加率では日経平均には劣るとはいえ、

ニデックの含み損を抱えながらのこの成績は決して悪くない。


ニデックは長期売上目標を10兆円としている。現在の5倍だ。

25年まで経営者リスクさえ乗り切れば含み損は解消され

含み益に転じる見込みだ。さらに大幅な増配にも期待しているため

集中投資をしている。だが集中投資のデメリットとして中国ロックダウンやウ戦争の

影響をもろに受けてこの含み損となっている。


だから俺は読者諸兄には資産配分を大切にするように語っているのだ。

このニデックの含み損だが、逆に含み益に転じた時は大幅な

資産増加が狙えることを俺は理解してるから我慢しているが、

並の投資家なら昨年に損切りしていることだろう。

ニデックは俺が知る限りプライムで最も成長期待の持てる「最強の銘柄」だ。


・資産配分 (およその割合)

リート      10%

インフラファンド 3%  

日本株      76%

ETF(指数)   10%

現金       1%以下


俺は低金利の日本において現金(ゴミ)を持つのが嫌いだ。

債権、金地金、商品ETFはなし。このPFはその時々の世界情勢に応じて利回りの

高い商品を選定し、機動的に銘柄を入れ替える。23年度前半ではこのような

配分になっているが、圧倒的に日本株が多い。これのどこが世界分散型なの?

日本株が多すぎない? そんな声がどこかから聞こえるが、実は違う。


日本株の内訳をみる。


インフレヘッジの日本株 (超高配当でβとの相関性が極めて低い)

・INPEX (原油・天然ガス)

・住友林業(材木、国内外で林を保有)

・伊藤忠、住友商事、双日 (世界の資源全般)

・日本郵船、川崎汽船 (海上輸送、海上インフラ)

・住友倉庫 (湾口を含む物流インフラ)

・三菱地所 (不動産インフラ、丸の内エリアの賃料)


以上で累計310万円である。いずれも22年度暴落相場で

日経に対して上振れのリターンを出した銘柄だ。

現在の超インフレ、超円安が続く相場において実質的な外国株である。


またβとの相関性が低いのは飲料、アルコールのアサヒGも含まれる。

これも加えると時価で360万円が「実質的な外国株」と定義できる。


さらに外国ETFのインドブル、香港ハンセンブルは単純に

値動き幅が2倍(レバレッジ)となっているために実際の資産配分は

投資元本の2倍と考えられる。

これに外国のリート、日経と全く連動しないインフラファンドも加えるなら、

このPFは日経に対してかなり相関性が低いことになる。


相関性が低いから上昇相場で日経に劣ることもあるし、

日経の下落時に下がりにくいことが考えられる。

現に昨年では元本約290万のニデックの株価が半値(-140万)

になってもPF全体の下落率は日経と同等(-9%)を維持した実績がある。


ニデックの株価は、昨年の暴落からまるで回復しておらず実質では日経に連動

していない。本決算での通期見通しは決して悲観するものではなく

将来に期待が持てる内容だったが、市場の評価はが低すぎて驚く(オリックスも)


だが車載事業の黒字転換、EVモーターの低価格化、工場の生産量が増大するにしたがって株価の上昇幅が日経を大きく超えることが予想される。

これはβに対して下振れ、上振れリターンとしてのα指数となる。


色々な意味でニデックは異次元の株と考えてい良いだろう。

筆者のニデックの目標株価は2030年に3万~5万である。

(その前に株式分割は必至だが(;´∀`)


「世界分散型」で日経に純粋に連動する資産は以下の3銘柄だけである。

・三菱HCキャピタル

・三菱ケミカル

・トヨタ

(総額約170万。投資元本の17%)


トヨタは22年の4月の暴落時に無謀にも集中投資してしまい、

500株を持っているためリバランスの最有力候補だ。

(俺も人のことは言えないな……(;^_^A 偉そうなことを言ってすまない)



23年度後半の運用。


・分配金再投資

 年間配当予想は、税引前で28万円ほど。これを効果的に活用する。


→24年以降の強烈なデフレの可能性が依然として存在する。

 デフレーション、各国通貨に対する円高へのヘッジとして外国社債、外国国債、

 米住宅ローン債権、金などが購入候補になる。いずれの資産もETFである。


・トヨタ、ケミカルを一部利確してリバランス


→上と同じ資産を買うか、あるいは世界の高インフレが数年に渡り継続と

 みるならば、βヘッジと高配当目的でNTT、JTが候補に入る。

 低配当だがテルモも良い。


・世界のインフレが急減し、その反動でデフレになった場合、

 業績見通しが極めて不透明な海運企業を利確してリバランス。


→安定賃料が望めるJリートやインフラファンドを買う。

 デフレによる世界の利下げ相場になるとリートに買いが入る。

 ただし、この想定はまずありえないと思われる。でも一応ね。



リターンの差。

松井「日本外需株」 → 含み益130万を超えて評価額1,100万突破。

このPFは適切な再投資、リバランス、決算分析の継続により、

21年から毎年100万ずつ資産が増えている計算となるため、

一見すると「世界分散型」は資産運用の点で劣っているのではないかと思うだろう。


(世界分散型は、3年間の評価額が940万→850万→916万と推移。

その間に得た売却益と配当があるために投資元本は1,000万まで増えている)


それは違う。世界分散型は、ニデックや外国ETFを筆頭に世界経済の影響を

受けて資産額が低下しているだけで、25年以降の世界を見るならば

まだまだ資産が増加する可能性を秘めている。仮にニデックの含み損が

解消された場合、資産評価額は1,050万を超えることになる。

その頃にはウ戦争も終わり、中国やインド株も好調になってる事だろう。


ある年では日本が有利で、ある年では世界が有利といった具合に

10年単位で見れば国ごとの優位性に変化が生じる。

ちなみに次の10年は米国の時代にならないと俺は思っている。

米国が世界の頂点の座から転落する時に「これからは米国の時代です、

米国株口座を開きましょう」と証券会社があおってるのが笑える。


「世界分散型」をよく観察してみると、その運用方針がブリッジウォーター・

アソシエイツの「ピュアアルファ」やゴールドマンサックスの

「世界リスク分散型」等のPFに似ていると思う。


つまり資産の変動幅を減らして運用のストレスを低減するやり方だ。

おまけにできれば高配当も得たいという、なんともお得な考えだ。


幅広い資産に分散投資しながらも、

信用取引やFXなどの危険な取引はせずに現物だけで勝負する。

(商品先物に連動するETFや2倍のレバレッジを効かせるETFは買うけどね)


このPFの運用は個人のレベルを超越しているが、

皆さんの今後の運用の参考になれば幸いだよ(^○^)

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