相関係数とは何か。
相関係数の低い資産をPFに組み合わせると、
市場の暴落時に総資産の下落率を防いでくれる。
【相関係数が高い】ベータとする基準価格『TOPIX』に対し、
日本株が同じように値が動く。例としてトヨタや三菱UFJなど。
『日本株式』ならば『株式の市場平均』と連動するのは基本。
【相関係数が低い】原油・金・商品・国債・リートなどは違う値動きをする。
『α指数』を取るのだ。βヘッジ(市場平均と連動するリスクを殺す)とも呼ぶ。
blackさんのPF「日本優良株式」は全て日本株で組まれている。
筆者の「日本外需株」も同じだ。どちらのPFにもTOPIXに
対して相関係数の低い資産が一部組み入れられている。
デビューさんのPFも同じだろう。
株式の分類に入る資産が、すべて同じ値動きをするわけではない。
上にあげた相関関係の低い資源などを扱っている企業は
一般的な株式とは異なる値動きをする。
これは読者諸君も22年の暴落相場を通じて経験的に感じていることだと思う。
ジェレミー・シーゲル博士の分析によると、
株式でβヘッジが取れるのは、以下の三種類
①原油など資源系 ➁ヘルスケア(医療、薬剤) ③有名ブランドの生活必需品
TOPIXと相関係数の低い株式の例
① INPEX、総合商社、海運
➁ 中外製薬
③ 花王、JT
➁ 中外の他には、三菱ケミカル、旭化成、住友化学は総売上の2~3割を
占める医薬品の子会社があるために、これに加えてもいいかもしれない。
なおキヤノンも医療事業を長期的な成長の柱としている。
③ 化粧品、洗剤、生理用品、タバコ、アルコール飲料(アサヒG)の銘柄が
該当する。タバコやアルコールは依存性が高いので購入者はそれが
ないと生きていけないのだ。アクシージアも市場規模が広がればこれに該当する。
blackさんの覇権国ETFで買ってもらった『UBS英国ETF』は、
このβヘッジが取れる銘柄の構成比率が高いため資産分散効果が高い。
島国の英国は、いつも他国から距離を取りお高くとまってるものだ。
シーゲル博士は、以上の3種類の銘柄を長期投資のPFに
2割程度は加えるべきだと語る。ちなみに同氏の株式の推奨保有期間は
「企業の成長に問題がない限りは永遠」とされている。
シーゲル博士は、ヘッジファンドのレイ・ダリオと違い、債券や金への投資を嫌い、PFは全て株式のみで組むべきだと提唱する。確かに長期投資による複利効果を最大化するためには理に適うが、一方で相場暴落時は資産額が一気に下がるため相当な忍耐力が試される。逆に言えば【忍耐力さえあれば資産の最大化が可能なのだ】
PFの組み方を知らない初心者に多いのが、
日本株では自動車をはじめとした製造業ばかりで組んでしまうことだ。
自称プロのアクティブ・ファンドのマネージャーでもこういう人は普通にいる。
それならトピックスETFを買ったほうがパフォーマンスが高い場合もある。
ここ数年の相場では資源系商社や海運が、指数ETFに対して配当金額のみならず
株価でも圧倒している。
相場下落の原因がウ戦争による「急激なインフレ」と「各国の利上げ」だからだ。インフレ時なので商社や海運の利益と配当が爆発するのだが、指数だけを買ってる人はこの恩恵にはあずかれない。ここにアクティブ運用(個別株投資)の面白さがあるのだ。しかしアクティブ運用が上級者向けのテクであることは忘れないこと。
委員長のPF「世界分散型」「リスク低減型ETF」は
下の思想に基づいて資産配分が作られている
【レイダリオに学ぶ】投資の聖杯!分散投資の重要性と低相関の資産クラスについて
↓中級者向けのURLのために別に読まなくてもいい
https://nikomarublog.com/%E3%80%90%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6%E3%80%91%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E8%81%96%E6%9D%AF%EF%BC%81%E5%88%86%E6%95%A3%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E9%87%8D
相関係数は資産運用の基本でありプロの間では常識だが、その中でもレイ・ダリオ
は一線を画した鋭い分析をされている。レイの思想は、
短期的な暴落から資産の下落をいかにして守るかに重点が置かれている。
ヘッジファンドの世界は富裕層が主要顧客。一定数の「含み損」を出しただけで
マネージャーは減給か解雇される。自分のPFさえ公表できない、予想を外しまくる高橋ダンのようなアホは、まず間違いなく解雇されたのだろう。
22年度相場は日本有利、米国不利、中国圧倒的不利のために委員長の
「世界分散型」のトータル・リターンはマイナスで終わった
(売却益と配当→70万、評価額が△150万 ←日本電産、ロシア中国ETF)
資産運用の成績とは、成績を測る時点(年末)で含み損が多いと
騰落率ではマイナス、つまり【下手くそ】と評価されてしまう。
しかし22年2月にウ戦争が起きることなど誰にも予想できなかったので
「世界分散型」の成績は悪くなるのは必然であり落ち込むことはない。
一方、23年以降に日本株不利、中国株有利となった場合にこの状況は改善する。
長い目で見れば、どの国の株式がその年の王座になるかは分からないし、
その順番はサッカーの得点王のように数年ごとに入れ替わるのだ。
筆者が世界の分散投資を貫く理由は、たとえどんな市況の変化があったとしても
三つのPFの内のどれかが好調ならばそれでいいと言う考えだ。
松井「日本外需株」SBI「世界分散型」は、シーソーゲームのように
毎年利益の幅が入れ替わることを前提として21年度末に作り上げたものだ。
俺が常に全額投資をして現金を持たない理由は、第一に22年の暴落相場で
現金など残す意味がないことがあげられるが、それ以外には
市場平均に対して相関係数の低い資産を効果的に組み入れることにより、
一部銘柄の資産下落を防ぎながらも
①配当金額の最大化 (キャッシュ・インの最大化)
➁上昇相場に乗り遅れない (含み益の銘柄を増やす)
以上の効果を狙うためだ。完全に下値を切り上げた銘柄を長期で保持するなら、
それはいつでも現金化できるために、もはや現金と定義できる。
しかもその現金の配当利回りは普通預金とは比較にもならない。
筆者は「世界分散型」で各国のリートを120万近く保有しているが、
リートの良いところは、どんな市況でも分配金が一定額維持されることだ。
20年のコロナの暴落時でも一円も分配金が下がらなかったことは記憶に新しい。
このような資産は、老後の生活苦になった時に自分を助けてくれるだろう。
とあるプロに言わせると、個人投資家にとっての最適な
リートの保有期間は「死ぬまで永遠に」だ。筆者も同意する。
「リスク低減型ETF」は22年5月に200万の元本で作成した。
ほぼ全ての資産がβヘッジ目的で組まれている。
外国籍のETFが主である(円換算した各国通貨)ために
「外国為替」によるβヘッジの効果も狙っている。
22年10月の大暴落で資産額が188万へ減少(下落率は6%)
23年度の初頭から208万へ上昇。3月の暴落で204万へ。
現在まで設定来元本の200万まで戻ることはない。
少額だが分配金はほぼ毎月入ってくるので資産が増える一方だ。
これは「リスク低減型ETF」が普通預金以上の価値があることを示しており、
「いつでも換金可能な状態を維持する」という運用目的を達成している。
難点としてリスクは低いので利回りも低く中々資産額が増えないが、
この運用方法は自分が70歳の老人になった時に真価を発揮すると思う。
先ほどの暴落相場で現金を持たない話に戻るが、22年は今振り返ってみても
まったく酷い相場であり、個人投資家にとって阿鼻驚嘆の地獄絵図だった。
暴落相場で筆者の場合はひたすら「攻める」
①安値だと分析した銘柄を買う (逆張り)
➁さらに下がる (暴落)
③また買う (ナンピン)
④さらに下がる (大暴落)
昨年はこの繰り返しだった。
8割の投資家なら➁の時点で心が折れて損切りする。
筆者の場合は①で「安値」の定義が完成してる。その価格は自分にとって適性だ。
長期で持てば勝てることを知っている。よって売る必要はない。
中には心の強い個人投資家がいたとして、③まで達したとしよう。
ここが底値だと信じてのナンピンである。そして④大暴落が来たとしたら
頭を抱えながら損切りするだろう。ストレスと恐怖で白髪になってるかもしれない。
人によってはヤケになって信用取引(空売りなど)に手を出すそうだ。
筆者なら「⑤さらに買う」を選択する。しかし資金余力がない。
「ならば、利益のある銘柄か、同値に近い銘柄を売るか」
そして資金を作り⑤をする。強硬的なリバランスである。
限界まで知恵を絞り、想像を絶するストレスだったが耐える。
しかし、物語には続きがあった。
⑥さらに暴落する。これが22年の12月だったと思う。
この暴落は多くの投資家の心に致命的なダメージを与えた。
個人投資家の多くが我先にと株を売ってしまう。
「やっぱり株式投資なんてしちゃだめだ。こんなのでお金が稼げるわけがない」
「きっと来年も終わりだろう」
「米国株は日本株より弱い。完全に終わりだ。米国ETFを勧めた奴は死ねよ」
「全部売ってすっきりした―。来年からは空売りを全力でやるぞ!!」
「まだ株式投資なんてしてる奴いるのかよ。バッカじゃねえのww」
筆者はもう完全に資金の余力がないばかりか、各PFの資産配分は
完璧に近く、これ以上はどうしようもない。残った最後の手段は
⑦12月に入ったわずかな配当を再投資する。あとは何もしない。
年末になると戦場(相場)には味方(個人投資家)がいなくなっていた。
皆怖くなって逃げ出してしまったのだ。草原には彼らが残していった
武器や弾薬が放置されている。中には追証(FXや信用取引の失敗)になって
倒れてる若者もいた。ショックのあまり歩く気力もないらしい。
「なあそこの人。俺に30万ほど貸してくれねえか?
30万でいい。俺には借金が600万もあるんだ」
筆者はそいつを無視し、その場にドカッと腰を降ろし、雲の多い空を見上げる。
水筒の水を飲みながらこう思った。
「ふん。実に下らん相場だ。よくも俺の資産評価額をここまで下げてくれたものだ。
だが、戦いには必ず転換期がある。その転換期をじっと待てばいいのだ。
敵は人間だ。人間は無敵ではない。敵の弾もいつかは切れるだろう」
そう、いつかは売るべき銘柄(弾)が尽きるはずなのだ。
我々個人は全く防戦一方となっていた。しかし攻める方(売ってる機関)も
いつかは疲れが来る。やがてはその反動で上昇相場がやってくる
(実際に23年度の2月から本格的に上昇した)
戦争やスポーツでも防戦一方の状態が永遠に続くことはあり得ない。
守って苦しむ側だって実は次の反撃の機会をうかがっているものだ。
暴落相場での戦いは、守り(損切りしない)ながらも攻勢(買い)を続けていけば
いつかは勝てるのだ。ましてインフレ時に現金など持っていてもゴミになるだけだ。
ふたを開けてみると、22年度のヘッジファンド連中の平均成績が-22%
だったことが明らかになった。主に日本株に売り仕掛けをするのは
奴らや大手銀行などの金融関係者である。
22年度末、米投資銀行での数千人規模の大量解雇が発表された。
終わってみれば、奴らもまた、苦しかったのだ。
あの相場で楽しかったものなど一人もいなかったのだろう。まさに戦争である。
俺は22年度相場で得た教訓を一生の宝としたい。
戦争の格言『こちらが苦しい時は、敵もまた苦しい』
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