「おかしい」と思える力、発想力が勝利へ導く。

俺は14歳の時からこう思っていた。


「先生の教え方は間違ってるんじゃないのか?」

「そもそも文部科学省の教育プログラムがおかしんじゃないのか?」

「この国語の教科書に載ってる作家の意見はおかしくないか?」

「勉強で本当に学ぶべきことはなんだ?」 

「具体的にここで学んだ内容の何が社会で役に立つんだ?」


そう思い始めたのは中学三年生の時。まさに思春期真っ盛り、

反抗期の時期だから親や教師、世間に対して斜めに構えていた。


俺の根底にあるのが「常識を疑うこと」であり、それは大学に進学してからも

少しも変わらなかった。周囲の友人からは「変わり者だ」だと馬鹿にされることもあったが、今ではその「変わり者」が投資でリターンを生み出している。


驚くべきことにヘッジファンドの帝王・レイダリオの自著伝でも

同じこと(常識を疑え)が語られているのだ。常識とは、すなわち大衆心理であるが、その大衆心理の最たるものが、投資においてのヤフー掲示板であり、

ツイッターであり、その他SNSであり、それらを参考にして投資の判断を

下す者たちによって「負け組の群衆」ができあがる。


投資に慣れてくると、ニュースの内容さえ疑うようになる。

アナリストや専門家の意見にも反対を唱える。こうなったらプロの完成だ。

ただし、このレベルに達するには、相当な経験と知識が必要になるが。


最近の例では、2月の決算を受けた住友化学、JFE、任天堂、旭化成の

暴落時に個人のプロレベルの投資家は淡々と買い増しをし、

それに対して素人連中は「なんでこんな減益銘柄を買うんだ?」

「気が狂ってる」「正気じゃない」「普通は空売りを入れるだろ!!」


彼らは減損損失の意味を理解してないし、決算書も読んでない(読めない)

現在が業績の底打ちなのだと理解できない。


AGCが本決算を発表。今期利益が赤字に決着。なのに翌日は暴騰。

「なんで上がるんだよ!!」「こんなのインチキだ!!」

素人が吠える。が、市場はもっと先を見てる。


次年度の見通しでは黒字化が示され、またIRでは経営陣がロシア事業からの

完全撤退を示唆。これは正しい経営判断だろう。よって株価低迷要因の剥落による

株価上昇は論理的に筋が通っている。だが、素人は目先(すでに終わった決算)にしか注目せず、23年の末までの未来が見通せない。

そもそも信用取引などしてる時点で半年以内の決済期間にしばられており論外だ。

デイに至ってはその日の間に売りつけるのだ。スイングも似たようなものだ。


空売りで利益を出す人もいるだろう。しかし、それに持続性はない。

この場合の持続性とは、長期の資産形成における利益率を意味する。


空売りとは、株価下落に対して全力で貼るものだ。まさに丁半博打だ

明日の株が上がるか下がるかなど考えること自体が無意味だし、短期的には

株価はどうにでも動く。長期で現物を持ってる人の場合、株価上昇にかけるわけだが、短期的に株価が仮に半値になったとしても決済する必要がなく、次の上昇を

待てる。つまり含み損は、将来の値上がりを期待する上で問題にならない


例えば筆者の場合、安川電機の含み損が間もなく解消される。

これは22年度の1月の決算後に買ったものであり、その後ウ戦争開始後、

各国の爆発的な利上げ効果によりグロース株は大暴落。


昨年の安川電機は買値より22%~25%下回った状態で推移した。

馬鹿どもはこう叫んだ。

「安川電機は空売り銘柄だ~~!!」


なるほど。確かに暴落相場では空売りで利が取れる。

しかし、相場の格言はこれだ。

「昔がそうだったからといって、次もそうなるとは限らない」

「過去のデータは未来を保証するものではありません」


掲示板に「空売り金融キシダノミクス」という大馬鹿がいる。

この男の子(精神年齢10歳)は、凝りもせず23年1月の安川電機の決算前に

1000株も空売りを仕掛け、綺麗に焼かれてしまった。

損害額は200万をくだらないだろう。

なお彼の場合は信用なので証券会社から借りたお金の返済利子も伴う。


投資において、リターンは常にプラスであるべきなのだ。

ある時は利を得た。ある時は失った。それで楽しいか?

年間で計算すると大した利益になってないはずだ。


実に1年間も筆者の安川電機は低迷したわけが、

まさかロシアがウクライナに侵攻するなど夢にも思ってなかった。

21年から持っていたAGCも暴落して買値から20%も株安になった。

これは筆者にとって想定外の事態であり、ショックだった。


含み損は、株主を弱気にさせる。また含み損の時期が長いと

我慢の限界にきて売ってしまう者もいるが、だいたいはそのタイミングで

株価が上昇に転じる。「自分が売ったら上がった」とよく言われるが、

それは保持する時間が足りないことへの神が与えた罰なのである。


その罰を回避するには「売らないこと」に徹するしかない。


俺はいずれの株も一切売り出すことはなく、配当をもらい続けた。

世間は「もう終わりだー」と言い続けたが、

それらの銘柄は21年から継続して増配を続けていた。


読者諸兄らには今までに何度も同じことを言い続け、すでに耳にタコが

できてるだろうが、そのタコにまたタコができるまで俺は言い続ける

(永守重信の教育術を参照)


勝てる投資

・世間が終わりだーと言ったら底値で株を買う

・一度買ったら売らない。そして配当はもらう

・定期的にIRをチェックする

・決算分析に力を入れる

・精神力が強い(計画性がある)


負ける投資

・世間と行動を合わせる

・掲示板の書き込みやニュースを信じる

・決算後に必ずカブタンの記事を読む(ただし決算資料は読まない)

・上の情報に合わせて売買する

・精神力が弱い(その場の感情に支配されている)


空売りに代表されるように、絶対に下がる方にかける投資とは、

ゼロサムゲームであり利益の持続性は全くない。

なるほど22年はリーマン以来の暴落相場だった。しかし今年は?

仮に本格的な上昇相場が発生してしまったら彼らはどうなるのか?


それが追証となれば彼らは証券会社に借金返済の義務を負うことになるのだ。

株式投資の世界とは過去200年の例から上昇相場7割、下落相場3割と言われており、

現物で優良な株式をしっかりと握っていれば勝てる仕組みになってる。

これは数学で言う「公式」に近い。王道であり勝つための最短コースである。


勝てる人の例

・22年度の戦争勃発後に大暴落したが、三井住友FG、神戸精銅所、安川電機、

日本製鉄、AGC、村田製作所などを保持し続けて年間で配当金を得た。

それらの銘柄は23年度には株価回復の傾向にある。(銀行と鉄は暴騰)


負ける人の例

・22年度に暴落した上記の銘柄で空売り。利を得た。だが配当はない

(配当調整金。空売りの場合は逆に配当を払うことになるから、その前に売る)

 そららの銘柄を23年度も空売りしようとしたが、株価が回復してるため

 失敗が続いている。ここで22年度に得た利益がどんどん減っていく。


トータルリターンの比較をすると歴然である。


勝てる例 (長期投資家、バイアンドホールド)

+配当金によるキャッシュイン(新しい株が買える)

+上昇相場で含み益が増える (売らなければ手数料と税金はかからない)

+普段は外で働いていればいい。お給料で株を買い増す。さらに配当が増える

+実現損失がゼロ(含み損でも売り決済しない。手数料と税金はゼロ)

+精神的に楽 (売買をしてないから)

+相場に張り付く必要がなく、IRの分析に力が入る


負ける例 (短期売買。デイトレや信用売買)

+短期売買の成功

△短期売買の失敗

△信用で借りたお金の利息の支払いがある

△手数料が高い(信用なら1,000株単位)

△普段は株を持ってないため上昇相場に乗り遅れる

△精神的につらい 

△相場に張り付く必要があるため、外で働く暇がない


短期トレーダー

「はぁはぁ……また目薬刺さないと目が痛いな。

 おらおら。とっとと株が上がりやがれ。あ?

 こんな時に電話かよ、無視だな。宅急便? ふざけんじゃねえ!!」


長期トレーダー

「決算は無事通過か。しかも増配が多い。良いことだ。

 さて、やることもないので紅茶でも飲みながら音楽でも聴こうか」


・今年は100万儲かった。でも次の年で70万損した。その翌年はゼロだった。

・今年も来年もその翌年も平均して50万ずつ資産が増えた。

  正しいのは後者である。前者は30万、後者は150万、資産が増えている。


両者の間で、仮に年間リターンに平均で100万の差が出るとする。

それを10年続けると1,000万の差が生じる。これは致命的な差である。


短期売買を最も多く行うのがヘッジファンドなのだが、

彼らのリターンが平均で-20%から-40%だったのが22年度の暴落相場だった。

高度な空売りを仕掛ける彼らでさえこの様だ。

断言してもいいが、空売りをしたところで将来を保証する財産など得られない。


世間がイメージする株取引のイメージとは、

テスタさんのようにマルチモニターを並べてカチャカチャと

マウスを秒刻みで動かして売買を繰り返すものだとされているが、

その常識が間違っている。そんなやり方で勝てるのは一握りの人間だけだ。


勝ち方とは、もっとシンプルでなければならない。

誰にでも実践可能で。最も簡単な方法でならなければならない。

それはバイ・アンド・ホールドによる高配当戦術だ。

ただし優良銘柄を見分けるための高度な知識は必須だが。


9億円の財産を築いて死んでいったロナルド・リード老人は

ガソリンスタンド定員として働きながら高配当株の買い増しをしていた。

単純に9億に対して配当金は利回り3%としても2,700万円が毎年入る。

優良株は増配を繰り返してるので実際は4,000万かもしれない。


もう働く必要などないし株価を見る必要もない。

超富裕層だったリード老人は、それでも株を持ったまま寿命を迎えてしまう。

彼が生涯でした唯一の贅沢は、4万円するスーツを新調したことだった。


リードさん

「(≧∇≦) こんなに高いスーツを買っちゃった(笑)

 でもたまにはいいよね?」


世間 「株は売ったり買ったりするものだ」

リード「株は持ったまま配当を得るものだ」


リード老人の資産が増えた理由は、実は配当再投資の結果だけではない。

『上昇相場で株を持っていたために、資産額が爆発的に増えたのだ』


筆者が最も恐れているのは、上昇相場の時に自分が優良株を

最低100株持っていないことだ。できれば500でも1,000でも持ちたい。

その恐ろしさに比べたら、俺は買った銘柄が短期的に

含み損になることなど少しも気にしない。


言い方を変えよう。

目先の利益を求めて株を短期売買する投資家よりも、

10年に一度は来るであろう、本格的な上昇相場に乗り遅れる方が、

結果的に何倍もの機会損失を出すことになる。しかも短期売買の人は

配当落ちを気にしてすぐに株を売ってしまうから(船3兄弟に多い)

その次の配当権利を得ることができず、年間でのリターンが増えない傾向にある。


2050年の日本。年金破綻、医療保障制度が破綻、

なおも自民党及び国会議員が国民の税金をおもちゃにして遊び続け、

消費税率30%を想定しよう。中国の植民地になってる可能性もある。


長期投資家

「私はもう老人になったが、銀行株や自動車株がたっぷり配当を払ってくれるから

 年金の足しになってる。任天堂株は含み益がたっぷり増えているが、

 売る必要もないので息子や孫に譲渡するか。仮に生活に困ったら株を

 売ることもできる。もちろん評価額が5割も増えた状態での利益確定でね」


短期投資家

「くそっ。株を持ってないので配当が得られない。

 それに今から買うんじゃ高すぎる。トヨタの株価が4,700円?

 ホンダが5,500円だと……? 三菱UFJなんて2,800円だ。高すぎる!!

 任天堂なんて12,000円じゃねえかよ。こんなの誰が買えるんだ!!」


資本とは、それ自体が何か新しい価値を生み出すものを指して使う。

配当を生み出す株式は資産というよりは「資本」だ。資本主義の世界では

資本を持つ者が裕福となる。逆に資本を持ちえない者は貧乏になる。


短期売買の愚かさは、その資本を誰に命令されたわけでもないのに

すぐに手放してしまうことだ。


断言しよう。財政破綻が叫ばれる日本国において、

短期売買など繰り返す愚か者、間違った常識(メディア)に

惑わされる愚か者は将来、飢え死にする。万に一つも生き残れない。


たとえ99歳になるまで働いても生活水準は改善しない。

文字通りボロ雑巾になるまで低賃金で働かされ、病気で苦しんでも

入院費を払うお金もない。政府と企業によってゴミのよう投げ捨てられる。


そして死ぬ。

我が国において貯蓄ゼロ世帯が3割を超えるらしいが、

彼らのたどり着く未来は地獄以外にないと知れ。


過去に類を見ない少子高齢化における財政破綻の懸念は、日本だけでなく

欧州の一等国でも同じであり、米国においてもそうだ。

金融に精通する我々の共通の懸念は「社会保障制度の完全なる破綻」だ。


正しき人間の言葉に耳を傾けろ。

間違った人間の言葉など切り捨てろ。それ以外に生き延びる方法はないぞ。

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