第4話
夜明け
身の周りが徐々に灰色に変わっていった。期待していた明るさではなかったが、それでも木や草、石ころや岩などが識別出来るように目がだんだん慣れていったので一安心することができた。もう少し周りが見えるまで明るくなったら、高い所に登った方が良さそうだ。もしかしたら、人や町が見つかるかもしれないし、ここの地形なども知っておいた方がいい。そうこう思っているうちに歩ける明るさまでになっていた。傾斜のあるところを見つけるとそこを無心に登っていた。息が上がってもお構いなしに足を動かした。どれほど登ったか分かる術はなかったけど、感覚としては1時間ほどは登ったようであった。周りの景色も少しずつ霧が覚めて元に戻りつつある。いよいよ傾斜を登り切ると空がまたなんとも言えない微妙な色で雲はこれから台風でも呼んきそうな表情であった。これでどうして昨夜があんなに漆黒であったか理解できた。上の景色はもう十分鑑賞したので下を見渡し見ると、海と地平線が無限に広がっていた。海の色もまた言い表せない神妙な色をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます