第3話

 

 時空間

 

 睡魔に襲われ気を失ってから、どれほど時間が過ぎたのか知る方法などないけれど、どうやら生きているようだ。猛獣などここにはいないのかも。しかし、目を開けるにも勇気が必要である。目を開けた時、また、見知らぬ場所であったら、絶望して舌を噛みちぎって自決するかもしれない。目を閉じていても今が昼間ではない事がわかった。まぶたに光からの感覚がなかったからである。ずっと目を閉じたまま起きているのもしんどかったので

恐る恐るゆっくり目を開けたら、予想通り漆黒の闇に包まれていた。真上を見上げたら、きっと星空とお月様が慰めてくれるはずだ。

そう思って空を見上げても漆黒の空間が無限に広がっているだけであった。一滴の水が顔の横を流れた。夜露なのか涙なのか。時を待ったら朝が来て周りの様子が見えてくるはずである。今はつらいかもかもしれないが光が

この黒い時空間を追い払うまでしばらく、待とうじゃないか。そう言い聞かせる事以外、何も憶えていない自分にしてあげられ事など何もなかった。

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