第20話 宝箱とミミック作戦


 でも、どうやってこのダンジョンに冒険者をおびき寄せようか。

 ただ地図を流布して待ってるだけでは、確実性がない。

 

 このダンジョンは低難易度のダンジョンで、報酬も少ない。

 冒険者は、報酬のおいしいダンジョンに群がる。

 ダンジョンの報酬は、地図師がそのスキルで宝箱を把握し、その地図を冒険者に売ったりなんかして、あらかじめ知られている。


「よし、宝箱を設置しよう!」


 俺は、冒険者をダンジョンに呼び込むために、宝箱を置くことにした。

 だが、宝箱を設置するのにもDPが必要だ。

 そこで、俺は自前でアイテムを用意することにした。


「まさか返せと言われなかったゴーヨックたちの荷物が、こんなとこで役に立つとは……」


 そう、俺はアイテムボックスから、ゴーヨックたちの予備の装備品をとりだし、それを宝箱に詰めた。

 よし、これでばっちりだ。

 俺はアイテムボックスの中から、適当にレアそうなアイテムをいくつか見繕って、宝箱としてダンジョンの中に設置した。

 これで冒険者にとって、このダンジョンの価値が上がったはずだ。

 冒険者はあらかじめ、宝箱など戦利品の価値を知るスキルを使って、どのダンジョンを攻略するか見極める。

 つまりまあ、宝箱さえ置いておけば、あとはアリみたいに冒険者が集まってくるというわけだな。


「じゃあ次は防衛だな」


 ただ宝箱を置いただけでは、みすみす盗られてしまうだけだ。

 それを護れるだけの設備や魔物を設置しなければいけない。

 俺はダンジョンメニューの【魔物】の項目を開く。

 魔石でコツコツとDPを稼いでいたおかげで、召喚できるモンスターも増えているのだ。

 ダンジョンレベルも2にあがったところだ。

 ダンジョンレベルが2にあがったことで、DP1000がボーナスとしてもらえた。

 今回は、それを使う。


――――――――――――――――――――――――

スライム 100

ゴブリン 300

ドワーフ 600

 ・

 ・

 ・

ミミック 800

――――――――――――――――――――――――



「あった……! こいつだ!」


 そしてミミックを第二階層に設置!

 ミミックには特殊な能力がある。

 普通なら、冒険者を倒したときに得られるのがDPだが……。

 ミミックの場合、相手の武器などを食べてもDPが手に入る。


 どういうことか……?

 冒険者は最初、宝箱だと思ってミミックを開ける。

 すると、ミミックが冒険者の腕にガブリと噛みつくわけだ。

 その際、冒険者が手に持っていた武器やアイテムを奪い取る。


 ミミックにとってはそのアイテムが食事みたいなものだから、ボーナスでDPが入る仕組みだ。

 これなら効率的にDPを稼ぐことが出来る。


 第二階層にはまず、宝箱の山を設置した。

 そしてその一番手前にミミックを置いたのだ。

 これなら、宝に喜んだ冒険者が一番初めに開けるのはミミックになる。


 我ながらいやらしい作戦だとは思う。

 きっと彼らは浮かれていて、あっさり武器を喰われてしまうにちがいない。

 そして武器を失った冒険者は、逃げるかミミックにそのまま食われるか……。


 第一階層では毒の沼。

 そして第二階層には宝箱とミミックだ。

 これで、防衛はなんとかなりそうだな。



 

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名前 シン・ラトップ

職業 罠師(サポート)

サブ職業 ダンジョンマスター

男 16歳


レベル  50

体力   3615

魔力   1925

攻撃力  2442

防御力  2354

魔法攻撃 2598

魔法耐性 2513

敏捷   2522

運    2673


スキル一覧

・針山トラップ

・トラバサミトラップ

・経験値貯蓄トラップ

・掘削トラップ

・トラップドア

・毒餌トラップ

・スライム床 

・ダミートラップ

・壁トラップ

・ダンジョンコア制御トラップ

・毒の床トラップ

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◆ダンジョン情報

 

 ダンジョンレベル 2

 

 イストワーリア×1

 スライム×10

 ゴブリンエリート×5

 ドラキュラマスター×1

 ミミック×1


 DP 200

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