第14話 ゴブリンに犯される【side:ゴーヨック】

※前話をカットしました。主人公の行動が読者ニーズから外れていると考えたため、書き直します。





「あ!? な、なんだこれええええええええええ!!!!?」


 レベルダウンの罠とやらが起動し、俺のレベルが吸い取られてしまった。

 せっかく50まで上げた俺のレベルが、今更5だと……!?

 くそ……身体に力が入らない。

 なんてことだ。


「ね、ねえゴーヨック、これどういうこと!? どうしちゃったのよ!」


 アカネが心配して俺に駆け寄ってくる。


「わからねぇ……とにかく、俺のレベルが下がってしまったんだ……くそ、このままだと戦えねぇ……」

「え……? じゃあ、レベル50からレベル5に下がって、クソ雑魚ナメクジになっちゃったってこと……!?」


 マーリーがそんなふうに言ってくる。

 まあ、クソ雑魚ナメクジは言いすぎだが、たしかに俺は雑魚になっちまった。

 あのクソ雑魚ナメクジのシンと同じレベルだなんてな……。

 くそがよ。恥ずかしい。


「あ、ああ……そういうことになる……。俺はもう戦えない……」


 俺がそう言った途端、アカネとマーリーの態度が豹変した。

 とくにマーリーがひどい。


「はぁ……? レベル5とか、マジありえないんだけど」

「あ……?」

「今まではさぁ、馬鹿で性格悪くて顔も悪いあんたのこと、強さだけはあるから我慢してたけど……。レベル5wないわぁ……」

「はぁ……? んだとてめえ! カスアマ!」


 くそ、こいつら俺のことそんなふうにしか思ってなかったのか……?

 バカにしやがって、許せねえ。


「勇者の玉の輿ねらってたのに、レベル5とか(笑)そんなんじゃ魔王倒せないでしょ。とんだお荷物だわ……」

「なんだとぉおおおお……!?」


 俺がマーリーにキレて殴りかかりそうになると、アカネがそれをなだめた。


「ま、まあ二人とも。仲間割れはよそう? それより、これからどうしようか?」

「う……そうだな。レべル50からレベル5になっちまったし、マルダ神殿に行ってもしゃあないわな。とりあえず、街まで引き返すか……っち……」


 ということで、俺たちは一度ダンジョンを抜けることにした。



 ◆



 だがしかし、帰り道も一筋縄ではいかない。

 なにせ、俺のレベルが下がってしまっているのだ。

 チームのかなめであった俺のレベルが。

 当然、普段以上に戦いで苦戦する。


「っく……なんでゴブリンごときに苦戦しなきゃいけねえ……」


 俺たちはまた、ゴブリンに囲まれていた。


「ゴーヨック、ちゃんと前に出て! そうじゃないと魔法うてないじゃない!」

「っち……わかってるよ……。俺はレベル低いんだからしゃーねえだろうが!」


 後ろから、アカネに文句を言われてしまう。

 俺の戦士職は、タンクという分類にある。

 だから、本来であれば俺はもっと前に出ないといけないのだ。

 だが、レベルが低くなって俺はかなり脆くなってるから、モンスターが怖いのだ。


 すべての職業は、アタッカー、タンク、ヒーラー、サポートの4つに分類される。

 俺の戦士はタンク、アカネの魔法使いはアタッカー、マーリーの回復術師がヒーラーだ。そして罠師はサポート。

 サポートには、いてもいなくても同じような雑魚ばかりしかいない。例えば、地図師とかだな。

 これらの職業のバランスで、パーティーは機能する。

 だが、今タンクである俺が前に出られないので、パーティーとしてもなかなか苦戦してしまうのだ。


「ゴブゴブ!」

「っく……」


 俺たちはゴブリンに囲まれ、負けてしまった。

 武器を壊され、なすすべがない。

 もはやこれまでか……!?


「ゴブぅ……」


 ゴブリンは俺を羽交い絞めにすると、俺の服を脱がせようとしてきた。


「おい……!? なにをするんだ……!?」


 そして、俺のケツをしきりに狙ってきやがる。

 まじかよ……こいつら……!


「ゴブゴブぅ……!」

「うわああああああ! やめてくれ! そ、それだけはああああ!」


 俺はマーリーとアカネに助けを求めた。

 しかし、二人も同じくゴブリンにつかまって、今にも犯されようとしている。


「きゃあああ! またゴブリンに犯されるなんて嫌よおおおお!」


 クソが……! みんなしてゴブリンに犯されろっていうのか……!?

 神様はなんて残酷なんだ……!


「ぎゃああああああああ!!!!」

「きゃああああああああ!!!!」


 俺たちはそのまま、ゴブリンたちに囲まれて、されるがままだった。

 くそ……悔しい……!

 負けるのがこんなに悔しいだなんて……。

 俺はケツを犯されながら、放心状態だった。

 こんな屈辱、生まれて初めてだ。

 くそ、ゴブリンめ……!


 俺たちのケツをさんざん楽しんだあと、ゴブリンたちは巣穴に帰っていった。

 くそ……ようやく終わったか……。

 この世界のゴブリンには、二種類いる。

 強姦してくるゴブリンと、殺害してくるゴブリンだ。

 どちらも種としては同じなのだが、季節によって目的が違う。

 繁殖期のゴブリンは、殺害はせずに、犯してきやがる。

 ちなみに、あいつらは馬鹿だから男と女の違いもわかってない。

 だから、俺も容赦なくケツを掘られた。


 繁殖期のゴブリンは、穴とみるとなんでも犯したがる。

 猿みてえなやつらだ。

 逆にゴブリンが繁殖期じゃない場合は、容赦なく殺される。

 まあ、そこはラッキーだったか。

 繁殖期のゴブリンは、子種だけ吐き出すと、そのままどこかに去って行く。

 そして雌がゴブリンの子を孕んだ場合、巣穴に無理やり連れていくのだ。

 今回はどうやら運よく誰も孕まなかったようなので、見逃されたわけだな……。

 くそ……気色わりい生き物だぜ。


「くそが……! こうなったら、レベル上げだ! 死ぬ気でレベル上げしてやる! もう一度俺はレベル50になって、ゴブリンたちを駆逐してやるッ……!」

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