竜を通して見えてくる”異世界”――世界観に浸かるのが好きな人は必読!


  主人公は、世界が歪んで見える長命の魔女ルカヱル様と、一目見たものを正確に描き写せる絵描きの少年セタ。

 もうこの時点で刺さる人には刺さる(私はブッ刺さった)関係性で、実際作中での二人のやりとりも空気が美味し~い雰囲気でとっても好き。
 移動手段は空飛ぶ箒だから必然的に密着するぞ!最高だな!

 災害的な力を持つ竜の図鑑を作るべく、その伝承がある地域へ赴く二人。そこには当然その地で暮らす人々が居ます……竜の生息する地域で暮らす人々が。

 この作品はそんな竜の生息圏で生きる人々の生活と竜の生態とのすり合わせが上手で、世界観に引き込んでくれました。

 異世界の世界観にとっぷり浸かりたい、語り部の雰囲気が良い感じならもっと良い。そんな方にお勧め出来るお話です。

 最新章では、2匹目の竜の観測に際し思わぬ事実が……雰囲気が良いだけでなく続きも気になりますねェ!


――セタがルカヱル様をルカヱル”様”って付けて呼ぶの好きなんだよな(周りもそう呼んでるってのもあるけど)……今後”様”が取れても取れなくても、こういう距離感って、その……いいよな……