あんぶ！【スライム飼い慣らしたら学園内で無双が始まりました】

第51話 モデルになりました

「じゃあ真（まこと）先輩、また連絡しますね♡」

「あー、うん。じゃあね」

「先輩」

「うわっ、ビックリした。なんだ、明里か。こっそり背後に立つなよ？」

「さっきの、また新しい子すか？」

「新しい子ってなんだよ？　あの子は前にプロレス同好会辞めた子だよ」

「ああ、由麻さんと仲良くなるきっかけになったあの子すか。なんか見た事ある可愛い子だなと思ったら」　

「言い方にトゲがある気がする」

「どーせまた誘ったか、誘われたかしたんでしょ？」

「いやまあ、誘われはしたけども」

「ほらやっぱり」

「前の件のお礼って事で、食事おごってもらっただけだぞ？」

「食事ついでにあの子も頂いたと」

「頂いてないから」

「いった抱いたと」　

「字が違うって」

「また連絡するって事は、次の約束も取り付けてある訳っすね？」

「お前、盗み聞きは良くないぞ？」

「それ、自らの部を貶める発言っすね」

「あのなあ、絵のモデルになってくれって頼まれたんだよ」

「へえ、彼女、プロレス辞めて美術の方に行った訳すか」

「そーみたいだな」

「で、ヌードを描かせてくれと」

「ヌードとは聞いてないぞ？」

「ヌードでしょ？　先輩なんだから裸に剥かないとどーするんすか」

「どーゆー意味だよ」

「じゃあ、見学に行きますね」

「来なくていいよ、恥ずかしい」

「大丈夫っす。先輩の裸は見慣れてるんで」

「アタシが恥ずかしいのっ」

「ダメすか？」

「ダメ」

「栞ちゃんと由麻さんにチクっていいすか？」

「明日の放課後、ここに集合」

「了解っす」

　　　◇

「先輩、ここで合ってますよね？」

「うん、そのハズだけど」

「美術部じゃなかったっすね」

「だな。マンガ同好会だったか」　

「あ、真先輩、待ってましたよ？　あれ？　そちらの人は？」

「勝手に付いて来た後輩」

「勝手じゃないっすよ？　ども、玉木明里、一年っす。宜しく」

「じゃあ同学年だね。あたし平山萌（ひらやま もえ）、よろしくね。中へどうぞ」

　　◇

「すげーっ、先輩、薄い本がいっぱいあるっす」

「薄い本？」

「同人誌っすよ。ここにあるのは……殆ど百合っすね」

「どれどれ？　…………うわっ、エロっ！？　なにこれ？　今こんなんになってんの？　下手なAVよりエロくない？」

「コレはいかにも栞ちゃんが好きそうな……」

「だな…………うわぁ……」

「…………ゴク……」

「…………！！……」

『……おいおい君たち、いつまで見てるんだ？』

「はっ！　うーん、思わず入り込んでしまった……えーっと、あなたは？」

『ここの部長の大極院鈴音（だいごくいん すずね）だよ。萌が言ってたモデルって君だろ？』

「すげぇ名前だな。あ、はい。朝陽菜真です」

「アレはペンネームですよ。真先輩」

「ああ、そうだろうね」

『じゃあ早速、萌君と絡んでくれるかな？』

「はい？」

『いや、だから君、モデルだろ？』

「そーだけど……もしかしてエロマンガのモデル役をやれと？」

『そーだよ？』

「いや、聞いてないんだけど？！」

「ふふっ、だって、言ったら真先輩、来てくれなかったでしょ？　来ちゃった以上、あたしと絡んでくださいね？先輩♡」

「こりゃ興味深い展開っすね。来て正解っす」