第49話 西口君、苦悩する
「あ、先輩。ちわっす」
「おぅ、明里。一緒に部室に……むっ? 殺気!」
『こ、こんちわ、朝陽菜さん、おっとっと、うっ、あ痛っ!』
「やっぱりお前か、西口」
「おお、先輩。西口君のラッキースケベを見事に避けたっすね?」
「そう毎度毎度、おっぱいに突っ込まれてたまるかっての」
『あいたたた。酷いよ、朝陽菜さん? よろけた僕も悪いけど、そんなに露骨に避ける事ないでしょ?』
「あんたのラッキースケベは既に見切った」
『なに、ラッキースケベって?』
「自覚ないの? あんたさ、事ある事にエッチなハプニングが起こるじゃん? それをラッキースケベって言うんだよ」
『エッチなハプニング……た、確かに。それで僕、会長に避けられてるのか』
「なに? あんた、
『うん、実はその事を相談しようと思って、朝陽菜さんに声掛けたんだけど……』
「なんでアタシに?」
『だって、君と会長、仲良さそうだったし』
「アタシと
「狙ってはいるんすよね?」
「そりゃ、あれだけの美女だし、あわよくば……って、思ってねーわっ!」
「ふん、どーだか」
『何か良くわかんないけど。とりあえず僕、どうしたらいいと思う?』
「てか、西口君さ、会長の痴態、何回見たんだ?」
『痴態って……、は、半裸の姿なら三回くらいで……』
「三回もかよ。故意にじゃないだろうな?」
『と、とんでもない!わざとじゃないよ!? 普通に部室の扉開けたら、会長が半裸で、な、何かやってただけで……』
「ほー、で、見てどー思ったん?」
『こ、神々しい美しさだと……』
「それで?」
『その夜は寝れなくて、朝まで……』
「何度も?」
『そう、何度も何度も……って、何言わせてんの!?』
「とにかく西口君さ。君はその会長の神々しいおヌードを三回も拝んじゃった、罪深き男なんだよ?」
「その三回とも脱がしたの
『うぅ、僕は一体、どうしたら……』
「そうだな、とりあえず、おっぱい褒めてみたら?」
『ええっ、なんて? カッコいいおっぱいですね、とか? 余計嫌われない?』
「いや、ダメでしょ? いくら会長がおっぱい系ポンコツでも、いきなりそれは流石にドン引きっすよ?」
「じゃあ、どーすんだよ?」
「ここは逆に引くべきっすよ。敢えてこっちから距離を置くんです。そんで時々チラッと見る。あくまでもチラッとね」
「それ、キモくないか?」
「普通の男がやったら、そらキモいっすよ。可愛いい系の西口君がやるから、許されるんっす」
「なるほど」
「更に重要なのが、視線を外してからポッと頬を染める感じ。これをやったら完璧っす」
『うっ、何か難しいね』
「試しに明里でやってみたら?」
『うん、じゃあ……チラッ…………チラッ……』
「…………ポっ」
「
「いやだって、かわいい男子に見つめられた事ないですもん」
「西口君もポッってできてないぞ?」
『いや、頬を染めるのって難しいんだよ?』
「じゃあ、先輩見てやったらどーです?」
『うん、わかった。……チラッ………チラッ……』
「…………ムカッ」
『うっ、こ、怖い、朝陽菜さん、怖いよっ』
「先輩、なんで睨んじゃうんすか?」
「なんかガンつけられてるみたいで、イラッと来るんだよ」
「あんたは昭和のヤンキーすか」
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