第45話 恐るべしスキル
「しっかし、西口君、結局わざとか偶然かわかんなかったなぁ」
「あれ、ラッキースケベっていうスキルなんすよ、きっと」
「スキルなのか?」
《西口君って誰なんです?》
「おぉ栞ちゃん。生徒会書記で2年の西口ってヤツなんだけどね。なんかする度にエロい事が起きるんだわ」
《マンガでよくあるやつですよね。なんか信じられないですけど》
「既に会長はセミヌード2回目撃されてるし、先輩もおっぱいに顔埋められてんすよね」
《はあ!? そいつ、ボコっちゃいましょう》
「いやいや、栞ちゃん、流石にそれはちょっと」
《なんでですか? 絶対わざとですよ?》
「わざとだとしたら、かなり身体能力ないと無理っぽくない?」
「そーすね。会長のお尻はともかく、先輩のおっぱい狙うのは相当の実力がないと。て、事はやっぱり特殊能力なんすよ」
「ゲームや小説じゃあるまいし、そんなモンあるのかね?」
「それ、スライムをテイムしてるあんたが言います?」
「ごもっとも」
「それに先輩、あの西口君の容姿見てどう思いました?」
「んー、体は華奢だし、顔は女の子みたいに可愛らしいなって感じ?」
「で、胸に顔埋められた時の気持ちは?」
「まあ、イヤっていうより、よろけた事に対して大丈夫か?って思ったな」
「それっすよ。彼のあの容姿も含めてのラッキースケベってスキルなんすよ」
「んー? どーゆー意味?」
「仮にバルタンが同じ事してきたらどうします?」
「殴り飛ばす」
「でしょ? つまり彼はあの容姿があるからノーリスクでラッキースケベ発動し放題なんすよ」
「あー、確かにされても許しちゃう雰囲気あるなぁ。
《私は許せないですけどっ》
「まあまあ栞ちゃん、落ち着いて」
「更に驚くべきは、先輩には胸に突っ込んだのに、会長にはお尻に突っ込んだ事っす」
「なんか卑猥な表現だな。それが?」
《あっ、会長さんの胸はニセパイだから、敢えてお尻を選択したんだ》
「その通りっす。西口君自身は、会長がニセパイなの知らないすからね。スキルの方が勝手に選択したんすよ」
「げっ、マジか。そう考えると恐るべき異能力だな」
「とにかく、彼はもう少し観察したいっすね。見てるだけでエロいハプニング起こしてくれるとか、なかなかの逸材なんで」
◇◇◇
「先輩、久々に新しいグッズを開発しまして」
「また変なのだろ?」
「いやいや、スライムパットの改良版なんすけどね」
「ん、ならリロちゃん用?」
「会長用っす」
「ほう、で、どこが新しいんだ?」
「実際見た方が早いと思うんで」
「つけないぞ?」
「そんな警戒しなくて大丈夫っす。今回は栞ちゃんに試着お願いしてるんで。ねっ、栞ちゃん?」
《……恥ずかしいですけど……》
「マジか。えーっと栞ちゃん、もう付けてるの?」
《はい、パジャマの下に……》
「じゃ、栞ちゃん。脱いでもらっていいすか?」
《……はい》
◇
《どうでしょう?》
「これは……ヤバいな。清純派が脱ぐと、どうしてこう強烈なエロスを感じるのか」
《……ポッ》
「注目すべきはそこじゃないんすけど。よーく見てどうです? 先っぽとか」
「ん? 殆ど本物に見えるけど、前のと変わらないよな?」
「はい、見た目は前と一緒っす。違うのは性能なんすよ。栞ちゃん、先っぽの方、ちょっと触ってもらっていいすか?」
《え? こう? あっ、ああんっ》
「ぐはっ、エロっ。って、どしたん?」
《ニセチクビなのに……ちゃんと感触があって、いや、直接触るより刺激強いかも……あんっ》
「そう、この新型パットは、触った感触を少し増幅して伝えるんすよ」
「それ、すごい………のか? 何か意味あんの?」
「ふふん、これを会長に献上するとどうなると思います?」
「あっ、なるほどね」
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