第19話 栞ちゃん推し


「……てな訳で、リロちゃん先生がウチの顧問になったんだよね」


「先輩、有りがちな時短説明、乙っす」


《へー、そうなんですね。あの人、私もチラッとみた事あるんですけど、なんで小学生が?って思ってました。先生だったんですねぇ》


「つか、よくまぁアレで教師になれたすね? 見た目は子供、頭脳も子供じゃないすか。その名は迷惑ロリの顧問君っすよ?」


「いや、性格はアレだけど頭脳は優秀らしいぞ?」


《ああ、なんとかと天才紙一重って言いますもんねw》


「……なぁ、明里。栞ちゃん、なんか性格変わってない?」


「え? そうすかね?」


「前よか喋るよーになったし」


「あー、先輩の悪人面にも慣れてきたんじゃないすか?」


「お前は全く変わらんな」


「栞ちゃん、そろそろリモートじゃなくて直接部室来ないすか?」


《……ぅーン、まだ生で朝陽菜部長の顔見れないかも……》


「うっ、そんなにアタシの顔って怖いのか」


《あっ、いえ、そうではなくて……推しのキャラに似てるとゆーか、あっ、キョージ君ってキャラなんですけど、えっと、『幕末異世界宇宙大戦』ってゲームに出てくる伊勢エビが擬人化したキャラで、美形でドSなのにいつの間にかMに調教されてしまうという……》 


「もういいって、わかったから。いや全然わかんないけど。何、そのてんこ盛りなゲーム?」 


「えーっと、コレっすね。イケ伊勢エビのキョージ君。成る程、先輩と雰囲気似てますねー。死んだ目とか」

 

「なんで活け伊勢エビなんだ?」


「活けじゃなくて、イケてる伊勢エビっす」


「余計、意味がわからん」


「ってか生きてるんだから正確には、活けイケ伊勢エビですかね?」


「何?その、どんと行け的なヤツ?」 


「すんません、今のはわかんないっす」


「ヒューマだよ」


「ああ、スニーカーとかの」


「それはプーマ」


「未確認生物?」


「それはユ」


《 UMA。って、いつまで続くんですか?》


「おーっ、栞ちゃん、突っ込みも覚えたねぇ」


「てかこれ18禁のエロゲっすね」


「栞ちゃん、エロゲやってんのかい」  


「今日日の子はエロゲくらい、普通にやってますって。ねぇ、栞ちゃん」


《そうでもないですけど……最近気になるというか、ハマってしまって……》


「先輩、これって例の心霊現象の弊害じゃないすかね?」


「うっ、そーかもなぁとはチラッと思ったけども。まぁ、突っ込めるくらいポジティブになってきてんだから、いいんじゃん」


「純真無垢な少女に性の喜びを教えてエロエロな女にしちゃった訳ですが 」


「大人の階段を登ったんだよ」


「シン・デレラ的なアレすか」


「アンノ作品みたいに言うな」











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