あんぶ！【スライム飼い慣らしたら学園内で無双が始まりました】

第18話 リロちゃんが来た

『ふはははは。我が来たナリ！』

「先輩……なんすか？ この人」

「うん、一応教師」

『あぁ？　一応とはなんだ！　正真正銘この学園の教師にして古（いにしえ）の暗黒竜の生まれ変わり。神秦　里炉（かみはた りろ）とは我の事ナリ。ふはははは』

「見ての通り、中二病を拗らせ過ぎて重症化してるんだわ」

「中二病の金髪合法ロリとか、どんだけ盛ってんだって話っすね」

『おお、ここが我が部室ナリか。苦しゅうないナリ』

「口調の統一感のなさがハンパないし」

『ふはは、すまんナリ。異世界より転生してきてまだ日が浅い故』

「その甘いキャラ設定でよく見切り発進できたな？」

「で、その暗黒竜さんがウチの部になんの用なんすか？」

『うむ。ここを根城にしていいという、生徒会長からのお達しでな。来てやったナリ』

「会長（あいつ）の差し金かよ。って事は……まさかリロちゃん先生、顧問やるつもり？」

『ふははは……………………愚問だな？』

「今めっちゃ考えた返しがソレすか？」

『ふははは。そうだモン。顧問やるモン』

「公○式みたいに言うなよ。ってかチェンジで」

『うぉいっ！ そんなシステムはない！』

「先輩、マジヤバいっすね。こんなのがウチの秘密知ったら、更に調子こいて手が付けられなくなりますよ？」

「だな。早々に帰ってもらうか」

『おぃ、何をこそこそ話しておるのだ？』

「リロちゃんさぁ、飴玉あげるから帰ってくんない？」

『わーい、飴ちゃんだーっ

…………って喜ばないモンっ』

「ノリ突っ込みも下手すね」

『なんだと？ このチンチクリンが』

「いや、アンタの方が絶対チンチクリンでしょ？ 胸もまな板だし」

『お、おまえだって、つんつるつんじゃないかっ』

「わたしはAありますぅ～。暗黒竜さんはそれ、AAAAすか？」

『そんな単位ないわーっ！！』　

「まあAAでだいたいイチゴくらい、AAAだとさくらんぼくらいだから、AAAAだとさくらんぼの種くらいかなー？」

『それ、チクビ分しかないやんけーっ！』

「こらこら二人共、不毛な争いはやめんか」

『なにーっ、だれがパイパ○だと！？』

「誰が毛の話をしてんだよ」

「いやでも、パイ○ンは成人で毛がない状態を指しますからね？ 生えてない幼女の事ではないっすよ？」

『そーなんか？ なら良いナリ』

「何がいいんだよ」

『だいたいお前らな、さっきから暴言吐いてるが、顧問が必要なのであろう？ せっかく我がなってやろうとゆーとるのだ。有り難く頂戴せんか？』

「えー、他の先生の方がいいんだけどなあ」

『他の教師どもは皆、忙しいのだ』

「リロちゃん暇なんだね」

『誰が暇を持て余してるだとーっ！』　

「自分で言ったじゃん。あーもう面倒くさいからリロちゃん顧問でいいや」

『ホントか？ わーい』

「えーっいいんすか、先輩？」

「顧問なんてどーせ名前だけの存在だしな」

「普通はそうでしょうけど。張り切って毎日きそうっすよ？ あの人」

「うーん、確かに」

『ところでここは何部なのだ？』

「知らずによく顧問引き受けたすね？ あんこ研究倶楽部っす」

『なんだ。我にぴったりではないか。何故なら』

「あんこ食う竜とか言うなよ？」

『そ、そんなん思ってないわっ！』