第17話 ひドイストーリー


「朝陽菜先輩、セキュリティの件なんすけど」


「初めての?」


「それはア○ム。ってか、まずセ○ムでボケましょうよ? 何でいきなり飛ばしちゃうんすか」


「セ○ム飛ばしたのに良くわかったな?」


「もはや慣れっすね、慣れ」


「そこに愛はないのか?」


「それでセキュリティの件なんですがね」


「あーはいはい。スルーにも慣れたわ。どーぞ続けて」


「正真正銘、この学園の暗部になったからには、もっとセキュリティ強化が必要かと思うんすよ」


「あー、そーね。例えば?」


「この旧校舎に誰か来た時、警報が鳴るとか」


「まあ、立ち入り禁止の看板は残してもらってるけど、興味本位で来るヤツもいるだろうしなぁ。明里おまえみたいに」


「その前に入ってた人に言われたくないっすけどね」


「で、具体的には?」


「実は既にカメレオンスライムを配置させてるんすよ。わたし逹以外の人間がこの旧舎に近付いたら、同期のスライムが警報を鳴らす仕組みっす」


「誰かが来たって予め知らせてくれる訳ね」 


「撃退するならカメレオンスライム逹が見えないように攻撃しますし、部室までこられても、ここにいるスライム逹は自主的に素早く隠れる訳っす」


「オモチャが主役の某ストーリーみたいじゃん」


「ここの現状的にはアダルトおもちゃストーリーですけどね」


「ひドイストーリーだな。夢もへったくれもない」


「因みに先輩はカウボーイと宇宙飛行士、どっち派すか?」


「カウボーイかな。宇宙飛行士の方は顔がね。

まず わりといやー」


「それでですね、一度訓練しときませんかって話なんですが」


「はいはい、またスルーね。放置プレイ? 訓練はいいけど」


「じゃあ警報を……」



 ピロピロ~ピロピロ~




「ん? 何か思ってたのと違うなぁ。スライム逹、サッと素早く隠れ過ぎだろ? もっとこう、あたふたと隠れる姿が愛らしいんだけどね?」


「いや、コントやってる訳じゃないす。って、今わたし警報鳴らしてないっすよ?」


「ん? じゃあ本当に誰か来たって事!? やべっ、早くいろいろ隠さないと!!」


「いや、あんたがアタフタしてどーするんすか?」


「まったく、どこの馬鹿が来たんだか」


「監視カメラで確認しますね」 


「それもスライムが撮ってんの?」


「いや、流石にこれは普通のデジタル機器っす」


「成る程。デジタルとモンスターの融合だねぇ。略してデ……」


「略さなくていいからコレ見てって」


「なんだよ? 黄色い雷ネズミでも写ってんのか?」


「黄色いネズミは写ってないすけど、

 ……金髪ロリが写ってます」



   ◇



「なんすかね、 あの金髪ロリ? っちゃっていいすか?」


「バッカ! あれ一応、教師だぞ?」


「は? 何で小学生が教師やってんすか?」


「あー見えて確か、27歳くらいだったりするはず」


「何その都合のいいロリ? 所謂、合法ロリってヤツ? で、ヤっちゃっていいすか?」


「やるなってば」


「えー、何で反対するんすか? あの合法金髪ロリのちょいエロ動画撮って上げたらバズりますよ?」



「だからアタシは宇宙飛行士バズよりカウボーイ派なんだって」





  







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