第20話 リロちゃん、○○が怖い


『わははははっ。我が来た』


「ねぇリロちゃんさぁ、顧問になっても別にしょっちゅう来なくていいからねって言ったじゃん?」


「そーすよ。なんで毎日来ちゃうんすか?」


『なんだその言い種は!おまえらを導く為に来てやってるのだ。決して暇だからではないぞ?』


「やっぱ暇なんすね」


「ほら、飴玉やるから帰りな」


『わーい、飴ちゃんだーっ…………って毎回それやるなっ!!』


「どう思います?先輩」


「うーん、ノリ突っ込みはまだまだだね」


「いや、突っ込みじゃなくて、毎日来る事っすよ」 


「まあ、会長がアタシらを信用してなくて、嫌がらせの為に送り込んで来たってのはあると思うけど、この人自身は素でやってんだろうね」


『おい、何をこそこそやってるのだ?早く茶でも出さんか』




  ◇


『相変わらずこのクッションは良いな。わはははは』


「先輩、あのクッションから触手出してヤっちゃいます?」


「バカ、止めとけ。いくら中身は27歳とはいえ、見た目があんなロリじゃ、絵面がえらい事になるわ」


「そーすね。じゃ、睡眠誘導用の微弱振動でいっときますか」



   ◇



『……すぴ〜……ムニャムニャ……』


「見事に速攻で寝落ちしましたね。ヨダレ垂らして爆睡っすよ」


「さて、コレをどうしたもんかな」


「この間にスライムでヤっちゃいますか?」


「だから止めろって。うーん、そうだな。暗示でもかけてみるか?」


「なるほど。暗示でここに来にくくさせるんすね。でも効くかどうか、まず軽い暗示で実験しましょう」


「だな。よし、お前は今からクマだ、クマだ、お前はクマだ」


『……うっ、う〜ん……』


「ん?なんでコイツ、猫みたいなカッコしてんだ?」


「ひょっとして、猫じゃなくて女豹のポーズでは?グラビアアイドルようこ的な」


「……そっちかぁ」


「なら、今度はわたしが。お前はネズミだ、ネズミだ、ネズミだ」


『むにゃ……やあ、ぼくミッ、ふがふがっ』


「あっぶねえっ。それは流石にダメだろっ」


「ふぅ、危うく消されるとこでしたね」


「実験はもういいだろ。じゃ、本題にいくか。お前はアンコが怖くなる、お前はアンコが怖くなるー」





   ◇



『うっ、うーん、良く寝たら腹が減ったぞ』


「はい、お饅頭どうぞ」


『ん、気がきくではないか。美味そうだな、ん、あれ?なんかこの饅頭怖くないか?』


「おっ、なんか効いてるっぽいすね?」


『うーむ、美味い、モグ、怖い、モグモグ、でも美味い、モグ、うんやっぱり怖い』


「ホントに効いてるのか?」


「もうちょい試してみます?リロちゃん先生、これもどうぞ」


『うむ。うっ、これも怖いモグ、美味いモグ、怖い怖いモグモグ』


「……結局全部食べちゃいましたね」


「……」


『怖かったけど満腹なのだ。あ〜怖かった』


「リロちゃんさあ、因みに今は何が怖い?」


『そーだな。今はおチ、』


が怖いとか言ったら、このヨダレ垂らして寝てる画像、ネットに流すからな?」


『うっ、そんなショット、いつの間に⁉』


「ほら、何が怖いか言ってみな?」


「ちゃんとオチもつけて下さいよ?」


『お、お、お前らの……ぶりが怖いわ!!』















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る