第6話 タイトル回収です


「……で、結局ここって何部なんすかね?」


「なにが『で』なのかわかんないけど、そもそも部の基準も満たしてないしね」


「部員ってわたしと朝陽菜先輩だけですもんね」


「部が存在してないのにお前、いつの間に部員になったんだよ?」

 

「えっ、それは酷くないっすか? こんなに先輩を慕ってる後輩、いないってのに」


「お前、最初アタシの事を殺し屋だと思ってたよね?」


「いや、暗殺者アサシンっすね」


「同じだっつーの」


「それはともかく、このままじゃマズくないっすか?」


「そりゃ不正占拠だしね。生徒会に知られるとマズいな。先に既成事実を作っとくべきか」


「ヒニンしない的なアレすか」


「誰と誰がアレするんだよ?」


「わたしと先輩っすね」


「チ○コないのに?」


「触手ならありますが」


「……って何の話だよ。先に部を立ち上げようかって話してたのに」 


「なるほど。勃てるのは部の方すね」


「違う字あててる気がするけど、もはやつっこむまい」


「部って確か部員が最低3人いるんすよね?」


「そうだな。もう1人どっかから連れてこないとな」


「あ、今閃いたんすけど」


「どうせロクでもないと思うけど聞こうか?」


「手っ取り早く、ムライさんスライムで良くないすかね?」


「スライム出したらパニックになるわ」


「いや、さすがにそのまんまのムライさんじゃなくて、人間に擬態させるんすよ」




  ◇



「おおー、先輩の擬態、なかなか良くできてないすか?」


「うん、ここまで擬態出来るとは予想以上だねぇ。透明なのがキモいけど」


「うーん、服とかは着せたらいいけど、問題は素肌が出てる部分っすよねぇ。あ、レモン色のムライさんでやってみます?」


「うっ、中身アレだし、見た目的にも黄疸出てるみたいで無いわ」


「ならレモン色のムライさんと赤いムライさんを混ぜて……」


「おまえ、マジで止めろ? つか、よく考えたらアタシが2人いたらおかしいんじゃないか?」


「顔色の悪い双子って事で」


「いや、無理あるだろ」


「ならとりあえず部員は置いといて、何部か決めませんか?」


「名前かぁ。うーん、仮の部で仮部カリブとか?」


「海賊か」


「おーっ、明里に突っ込まれるのも何気に新鮮でいいな」


「わたしで良かったら何時でも突っ込みますよ?」


「いや、なに触手持ってんだよ」


「あ、今閃いたんすけど」


「どうせロクな事じゃないと思うけど聞こうか?」


「『暗部あんぶ』とかどーすか?」


「お前、まだアサシンに拘ってるよね? 何そのヤバい事してます、みたいな部?」


「いや実際、ヤバい事だらけじゃないすか? ダンジョンあるわ、モンスター飼ってるわ」


「そーいや、そーだけども」


「まあ所謂、タイトル回収ってヤツですね」


「それがオチか」






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