第4話 アーマーと言えばアレ


「朝陽菜先輩、ダンジョン探索に行きましょう!」


「また藪から棒だね」


「それは股の藪から棒が出てるってゆーアレすか?」  


「アレって何だよ? 前触れもなく、って事だよ」 


「なんだ、またチ○コ的な事かと」


「なんで会っていきなりチ○コの話しが出るんだよ」


「それこそ藪から棒ってヤツっすね」


「チ○コから上手い事まとめたね」


「いや、せっかく部室にダンジョンがあるって都合のいい設定なんすから、有効に使わないとって話しっす」


「都合いい設定とか言うなよ。確かにそうだけど」


「このまま部室でダラダラしてたって宝の持ち腐れっすよ?」


「そうは言ってもなあ。都合のいい設定ってのは時として自由を阻害する足枷になるんだぞ? 巨大化しなくなったキン○マン然り、タイムワープしなくなったパ○リロ然り」


「例えが全然わかんないっす」


「だよねー。でもまあ、マジな話、ダンジョン行くなら装備がないとね」


「そう言うと思って、持って来てるんすよ。着て下さい、先輩」


「んー?」



 ◇



「なあ、明里?」


「はい、先輩。着れました?」


「これふざけてないよね?」


「大真面目っす、先輩」


「これ見てもそう言えんの?」


「おう、エロいっすね。ってうわっ、何すかそのおっぱい。はみ出てる方が多いですやん? イヤミっすか? アタシに対する当てつけすか?」


「いや、あんたが持ってきたんだけどね? で、これってもしかして……ビキニアーマー?」


「ビキニっすね」


「だからビキニアーマー?」


「だからビキニですってば」


「だよねー。一番抜けちゃいけない要素が抜けちゃってるよねー」


「ある意味、違うモンもヌけますが」


「そーゆーのはいいから。でもこれはないな」


「え、何でですか? ゲームとかマンガじゃそーゆー格好、定番じゃないすか」


「そりゃフィクションだもの。露出多めは大人の都合、紳士のお約束でしょ? 現実でこんな格好したら、冷えるだけだわ」


「ダメすか?」


「ダメだね」


「先輩、ダメなのわかってて着替えてくれたんすね?」


「そりゃ、せっかくだしね」


「あ! 閃きました」


「どーせロクな事じゃないと思うけど聞こうか」


「その上からムライさんスライム被るのどーです?」




  ◇



「おーイイっすね。ムライさん、透明だからまるでビキニだけに見えますよ? 打撃無効だし」


「マジか。ムライさん、何でもありだな。ってか、透明じゃない方が有り難いんだけど」


「そこは紳士のお約束じゃないんすか?」


「うっ、何も言えない。ってかさ、これもしかして、またビキニが溶けるオチじゃないよな?」


「それで溶けたら真っ裸っすね。個人的に是非そう願いたいすけど、前と同じオチってのもね。先輩、どーして欲しいです?」


「絶対やるなよ?」


「それは真っ裸にしてくれと」


「だからフリじゃないから! って結局同じオチじゃん」




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