六、とっておきの最終手段で、あなたについて行きます。
抱き寄せたまま、遠回しに「お断り」をされた
(ちょっと言い方は間違えてしまったけれど、伝わったはず、ですよね?)
小首を傾げて、
「えっと、君は、」
「
間髪入れずに
「······
とりあえず、
「あなたに命をあげられるくらいの、"好き"だけど、それってなにか関係ある?」
想像以上の"好き"の度合いに、
「······私には重すぎますので、本当に、結構です。なので、本当に申し訳ないのですが、契約は解除していただけますか?」
「いいけど、じゃあ、俺を殺してくれる?」
「······ええっと、なぜ?」
「そういう契約にしたから?」
「なんで疑問形なんです? 一体どんな契約にしたんですか?」
半分諦めた様子で、
「契約は、俺が得た
「呪いが解ければ、解除されるんですか?」
そうだよ、と
それを聞いて、後ろで手を組んだ
「なら、ここでお別れです。その内容であれば、一緒にいる必要はないようですし、そもそも、私はひとりが好きなんです」
右側があの町へと続く道。左側が違う町へと続く道。左右に続く道の真ん中で、
その微かな変化に、
ぽん、という間の抜けた音と共に、辺りが白い煙に包まれる。
その白い煙が晴れた頃、
雪と同化していてわかりづらかったが、地面の上でぐったりとしている白蛇がそこにはいた。
どうして突然蛇の姿に? と
「まさか、······冬眠?」
自分で言って、
蛇は気温がある一定温度を下回ると、冬眠を始めるという。
こんな場所に放っておくこともできず、
(なんだか腑に落ちませんが····とにかく町に戻りましょう)
白蛇の姿になって動かなくなってしまった
(あたたかいな、)
そのぬくもりに甘えながら、
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