三、俺は悪くないぞ !
あの騒動の後、黒竜は応竜に呼び出された。もちろん覚悟はしていた。それでも譲れなかったのだ。
竜の姿ではなく、人の姿を模した分身の姿で陣に入ると、すでに自分を除いた皆が勢揃いしていた。
「ちょっと、
喧しい声が空間に響き渡る。真紅の衣を纏った長い赤髪の女性が、自分を視界に入れるなり詰め寄って来た。
「あの子に呪いをかけるなんて、馬鹿なの? ねえ、馬鹿なの?」
「馬鹿馬鹿言うな、喧しい。言っておくが、俺は悪くないぞ。あいつが謝らないのが悪いんだ」
はあ? と赤い髪の女、もとい、
「ふたりとも、いい加減にしなさい。
背の高い緑がかった青色の瞳の青年が、そう言いながらも
(結局、俺ひとりが悪者扱いかよ)
「
これは事実で、そもそもたかが地仙が竜に物申すなど、聞いたことがない。
「
応竜である
「あれは、元は天界の人間で、まあ、その、色々あってだな、」
「天界? 天仙だったってことですか? っていうか、一体何をやらかしたら天界から地上に追放されるんです?」
「あんた本当になんにも知らないのね、」
はあ、と肩を竦めて厭味ったらしく
「ふふ····聞いて驚きなさい! あの子はねぇ、」
その続きを聞いた
(いや、だからなんでそんな奴が天界から追放されてんだよ!)
ますます意味が解らない。
あの性格からして、天帝にでも口ごたえしたが、今のように意地を張って自ら追放されたかだな! と
仮にも四竜の長である
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