安息八賢人の力
――天空流奥義〈五行陣・木〉
剣に凝縮された太陽の力をさらに増幅して解放した。
誇張ではなく文字通り地図を変えるほどの一撃だった。『獄炎』の斬撃は今この戦場を越えて森の果てまで伸びていき、大地が割れた巨大な傷痕が残った。過度な熱気が斬撃の傷痕とその周辺を溶かして溶岩を作った。直撃した地点近くの木は燃える時間さえなく消滅し、あふれる火炎の影響を遠くから受けた木が燃えていた。
〈遥かなる天の牢獄〉も、〈冬の意志を抱く槍〉も痕跡さえ残せず消滅した。そのような光景の中でベルトラムは歯を食いしばったまま血が溢れる肩をつかんでいた。
……浅い。
やっぱり安息八賢人。この程度の雄大な一撃でもダメージは『肩が少し深く切られた』程度に過ぎなかった。斬撃を放つ瞬間巨大な魔力の放出が感じられたけど……おそらく奥義級の技でダメージを抑えたんだろう。
けれどダメージを受けたということ自体は事実だ。
――天空流〈フレア〉
最速の剣閃を放った。ベルトラムは小さな氷の盾を急いで展開して阻止した。けれどその隙に私はベルトラムに突撃して突きを放ち、ベルトラムがそれを避けるやいなや跳躍して彼の後方上方を占めた。そこで『万壊電』と『獄炎』が融合した斬撃を浴びせた。
――『冬天』専用技〈隔絶の輪〉
私の斬撃とベルトラムの防御技が激突した。爆発するように広がった破壊の力が周辺一帯を破壊した。〈隔絶の輪〉も同様だった。
「はあっ!」
着地して下段を荒らすように剣を振り回した。ベルトラムは上へと跳躍して避けた後、氷の槍と剣を大量に解放した。だけど私は〈雷神化〉の稲妻を展開するだけでそれを全部破壊し、両手の双剣で同時に突きを放った。
――『冬天』専用奥義〈冬の神の偶像〉
ベルトラムの後ろに巨大で荘厳な氷の彫像が現れた。彫像の両手が私の双剣をしっかりとつかんだ。『万壊電』と『獄炎』が融合した魔力を正面から受けても傷一つつかないほど冷たく堅固だった。〈冬の神の偶像〉も両手が動かせない状態だったけれど、魔力だけで強力な氷の槍を生み出した。
どうせ今の剣は魔力で作り出したものに過ぎないから、捕まった剣を捨てて新しく作り出せばいいんだけど……今はそれ以上のものが必要だ。
――天空流奥義〈満月描き〉
剣を基点に解放された魔力の暴風が〈冬の神の偶像〉を破壊した。それだけでなく周辺をさらにめちゃくちゃにした。
彫像自体が強力な魔力場を持っていたのか、ベルトラム本体のダメージは微弱だった。けれど彫像が一撃で破壊されたことに驚いたのか、ベルトラムが目を丸くした。
もちろん彼は驚いたからといって隙を見せるほど甘い敵ではなかった。
「しょうがないな……!!」
ベルトラムの体から大量の邪毒が溢れ出た。
余裕を与えないために私はすでに剣を振り回していたけれど、邪毒と共に急激に増幅された魔力が私の剣を防いだ。それだけでなく強力な圧力が私を後ろに押し出した。
ベルトラムの外見は変わっていない。けれど大量の邪毒が彼の体に影響を及ぼすのは確かだった。
この流れと気配は……。
「勝手に改造した黒騎士の魔道具だね。私みたいな女の子を相手にそんなことまで使うなんて恥ずかしくないの?」
「それほど強力な敵手と認めたという意味だ」
「そんな評価いらないわよ!」
叫ぶと同時に〈三日月描き〉を放った。けれどベルトラムは増幅された魔力で斬撃を相殺した。
――『冬天』専用奥義〈冬天の千手王〉
ベルトラムの後方に巨大な氷の彫像が現れた。胴体だけでも小さな山ほどの大きさだったし、何より印象的なのは文字通り千本の腕がついているということだった。
――『万壊電』専用技〈雷神化〉第二段階〈雷鳴顕現〉
――〈雷鳴顕現〉派生技〈千手修羅の像〉
氷の彫像に負けないほどの巨大な稲妻の形像を作り出した。千本の手が振り回す千本の雷剣と〈冬天の千手王〉の千本の氷手が激突した。
数千回の激突が爆発を起こした。暴風の中で雷剣が壊れ、氷の手が崩壊した。時には雷剣を失った稲妻の手が直接突撃したり、氷の手が剣ごと稲妻の手をつぶしたりもした。
激しい攻防の末に敗北したのは私の方だった。〈千手修羅の像〉のすべての手が破壊された反面、〈冬天の千手王〉の手は約百個程度が残った。
けれどその百個もまともな状態ではなかった。そのため突っ込む隙があった。
――天空流〈彗星描き〉
突進しながら〈雷鳴顕現〉の雷電を散らした。残りの氷手の半分が崩壊した。けれどベルトラムは残りの半分を自ら破壊し、その破片を一つに凝縮した。魔力が幾度も圧縮された末、まっすぐで小さな氷剣になった。
――『冬天』専用奥義〈氷山呼び〉
凝縮された氷剣が氷の斬撃を吐き出した。剣術ではなく剣の力を吐き出すに過ぎなかったけれど、巨大な氷壁が殺到してくる姿は圧倒的だった。
――天空流奥義〈五行陣・木〉
大地を切り裂く斬撃を放った。けれど黒騎士の魔道具を発動したベルトラムの力は強大だった。〈五行陣・木〉は私が単独で放つことができる最も強い斬撃なのに、〈氷山呼び〉を相殺することしかできなかった。安息八賢人の奥義級攻撃を単独で相殺するだけでもすごいことだけど。
「くっ、しつこいな……!」
「それはこっちのセリフよ!」
すでに距離は近かった。再び速いスピードで近づいて剣を振り回すと、ベルトラムは冷気と氷で防いだ。
いや、私の斬撃を防ぐだけじゃなかった。私たちの戦闘の余波で半分以上壊れたアジトまで巻き込まれるほどの規模だった。その広い範囲全体が単純に凍ったり壊れたりするだけでなく、氷の動物や人形のようなものが無数に生まれて動き始めた。
私はベルトラムの意図を後になって悟った。
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今回の更新で進度が最新化されました。
明日から、以前申し上げた通り更新スピードが変更されます。
これから毎週水曜日から日曜日まで週5回更新されます。
これからもよろしくお願いします。
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