愛が分からぬ

 黙々とただ黙々と繰り返す指の動き。

 叩く音だけが耳に届く。


 一息ついて周りを見ても、言葉も息もない部屋。

 向き直せばパソコンと液タブとスマホのテーブル。

 落書き程度を描き、文章もどきを語る。

 なんてくだらないだろう、と一笑してしまう。

 

 満たされない。

 違う。 

 駄作だ。

 破壊。

 自己満足。


 感情がないわけではない。

 泣く、怒る、笑う、嫌う、好む。

 なのに何かが欠落している。

 ネットの中を探ろうとしても見つからない。

 何かが欠落しているだけでこれほどまで虚無になれるものかと疑ってしまう。

 とはいえ不幸とは思わない。

 幸福でもないが……。


 曖昧なまま今日も指先で叩く。

 一息ついて周りを見れば、人影のない部屋。

 向き直せばいつもの機材だけがある。

 相変わらず満たされることはない。


 今日も文章もどきを語り、落書き程度を描く。

 

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