パンデミックの隠された真実
古来から人々は戦争をしてきた。
それは増えすぎた人口で食料が足りないゆえに隣国を支配し食料を確保することと、戦死者で人口減を図ることだった。
一夫多妻制が生まれた要因ともされているが、戦争で高齢者は減らない。
農耕文化と貨幣経済が発達し国家という仕組みができ医療が発達したことで人口比はピラミッド型でなくなった。
そこで各国間が裏で画策した。
それは高齢者を合法的に減らすことだ。
数年前に野生動物から人間に感染する病気が流行ったことを参考にした。
その発生源とされる国が手を挙げた。
「我が国が発生源とするウイルスを拡大させましょう。他国と共同研究している風邪ウイルスの変異型が完成したので、それを使いましょう。なに大丈夫ですよ、感染しても高齢者を中心に死ぬだけで、若者には普通の風邪と何ら変わりません。インフルと思っていいでしょう。
ちょうど我が国の国民は世界中を頻繁に行き来しているようですから簡単に広がることでしょう。
すでにワクチンの仕組みは完成していますから製造方法を自国の製薬会社にお渡ししましょう。
別に自国開発と宣伝しても構いませんよ。
むしろその方が作為的な事だとバレませんから。
しかも以前から認可されにくくなって問題になっているメッセンジャーRNAタイプのワクチンですから、これを機に認可されて製薬会社も研究開発費を回収できるどころか大幅な利益を得ることこできるでしょう。
そうですね、何も見返りを要求しないわけじゃないですよ。
我が国の政治体制や人権問題を追及しないとか、アフリカの開発や貿易に口を出さないでくれればいいです。
おたくらの国は高齢者医療費の削減など長い目で見て相当な利があるでしょうから、これらの条件など些細な事でしょう」
各国は全てを了承した。
ウイルスは瞬く間のうちに拡大し経済は停滞し医療崩壊になったが、ワクチンを素早く開発接種したことにより終息した。
ワクチンの副作用で数万人が犠牲になったが他の事故が原因でも同じ結果になっているだろうとして問題になれなかったので正式な集計と公表はどこの国でもなされなかった。
しかし想定外が起きた。
あまりにも拡大したことで各地で変異株が発生してしまった。
想定以上の強毒性と感染力で無事だとされた若年層の死亡者が急増してしまった。
ワクチンの効果はほとんどなく、最初に接種が完遂していた発生国と、同じワクチンを使用していた国から崩壊が始まった。
変異株は感染数に比例して発生する。ワクチン耐性を潜り抜けたウイルスが殺人級の脅威として世界中を襲っていった。
そして人類が半減するのに1年とかからず達成してしまうという結果を残した。
最初の計画を練っていた各国代表も犠牲となり、本当の歴史の事実は誰にも知られることのないまま過ぎていき、後世の資料に感染症の恐怖の時代とだけ記されていただけであった。
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