全国民段階的マスク解禁 ミリ単位でマスクを外す
今日から全国民でマスクが解禁になる。
とはいっても段階的に、しかも一斉同時に。
2日で5ミリマスクを下げていき20日後に全面解除ということになる。
ここでの肝は全国民が一斉にもれなく実行することにある。
一気に外さず少しずつスローで。
気が付いたらマスクの無い日常が始まっているという具合。
初回の2日間は鼻に少しかかっているくらいだが、ここが微妙で油断すると規定の5ミリを超えてしまう。事前にズレないためのライフハックで両面テープで着けるというのが流れてきた。
さらに次では鼻の下になり呼吸が少し楽になった。以前は鼻マスクと非難された位置だが今では正義になっている。
次は上唇にかかる程度。ここで再び両面テープが活躍した。
そして厄介なのが次の下唇の位置。このまま2日間過ごさねばならない。
喋るのはまあ可能だが、食事の時は外すかどうか微妙で、一度外すとテープを交換しなければならない手間が増える。だからといってそのまま食べると汚れてしまうので交換するはめになる。
だからこの期間にハンバーガーは全く売れなかったようだ。これは想定外だったようで次の日はどこの店も閉店していた。
ようやく顎マスクに到達した。実質的にマスク解禁なのだが、緊急時に再装着できるような状態。
最終日ようやくかと思っていたが、なんと首マスクということになり2日間を過ごした。
そしてようやく全面解禁になった日の朝、街中の景色は以前と同じだろうと皆が思った。
残念なことに季節は花粉症ピーク。
症状が出ている人は解禁期間中は苦しくても皆と同じようにしていたそうで、ようやく誰の目もはばからずマスクをができるようになって一斉にマスクをするようになった。
電車内は無関心を装う無害な人間をアピールするためのマスクが復活した。
そう、我が国の国民にとってマスクは生活に不可欠なものだったのだ。
決して感染予防ではなく、むしろ次いでの使用目的。
しかもマスク生活が長かったせいで、マスクはドレスコードと同じ扱いとされ、レストランやデパートなどに行く時は必須となってしまった。まるでネクタイスーツ姿のように。
就活生のテンプレートにも加わったみたいだ。
国民の同調性を利用したマスク解禁は、政府の思惑を大いに外れた。
そもそも最初は強制的にマスクとか黙食とかパーテーションとかを法的に規制したのに解禁時は段階的にして誤魔化だけもの。
国民としてはマスク警察のような独善的な正義感を振りかざす輩を抑制する効果があっただけ。
それにしても我が国の同調性に対する容認さには驚いた。
昔からそうだったから、そしてこれからもずっと。
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