ポイントを相続できるのか?税金は?
親が死んだ。
色々と手続きが大変だったけど、なかでも億劫だったのポイント。
少し前から買い物の値引きはあったが国からの給付金から始まり、会社からの給与やバイト代にまで広がり、支払いもそれでできるようになり最近では納税もいいらしい。
日本は金利がゼロと言ってもいい金融システムなので、もはやシステムと言っていいのかわからないが。カードやスマホにポイントという仮想通貨のほうが使い勝手が良かった。
そのためか、給与が上がらないのもあって現金はそのまま預けて、現実のやりとりはポイントだけの人も少なくない。
親はそういった財テクのようなことが半分趣味だったので、株をはじめ仮想通貨を数種類、ポイントがお得になるチャンスを逃さず少しずつ貯めて増やしていた。
なのにそれらを現実のものに使うことも無く死んでしまった。
土地や家建物や預貯金はまだいいが、ポイントとなると大変だ。
まず財布を開いてカードを並べるが暗証番号がわからない。
パソコンやスマホも同様だ。
常日頃から自慢するように「そろそろ海外旅行ができるくらいたまってきた」とか「来年の誕生日は高級肉だ」なと話していたから相当な額がありそうなのだ。
僕のような遺族は珍しくないようで、スマホ解析やカード会社とのやり取りをしてくれる弁護士事務所の広告をよく見かける。
このままにしていると、カード会社や企業が還元することなく利益になるのだろう。
上手いことを考えたものだ。
国が考えて企業が乗っかったのか、それとも逆なのか。
今では国が提示する政策の多くがポイント支給になっているし額面も高い。
すなわち従ったほうが数万単位でポイントが自動的に入ってくるわけだ。
けっして現金じゃないのでデフレやインフレの心配はないし財政に直接響かない。
絵に描いた餅のようなものだと気づいた時には遅かった。
親世代は他人を疑っちゃいけない、国の言うことには従えば間違いない、テレビは正しいと信じていたから仕方ないといえばそうなのだが。
僕らもスマホやチャージするような生活が当たり前になっている。
まんまとレールに乗せられているわけだからどうしようもない。
だから僕らは財産を残さないようしている。
そういうと浪費とかするのかと思われるだろうが違う。
全てのポイントや資産を子供名義にしている。
子供にも自分の子にそうしろと言っている。
ポイントや金は使うべき時には使うし、骨董のようなものに替えておく。
金利が無いのだから、価値が上がりそうなものを日常使いしながらそばに置いておく。
今狙っているのは紙の本だ。
CDが発売されたときレコードは無くなると言われたようだがいまだに人気があるし、MDなんて一瞬で消えた。
フロッピーはさすがに消えそうだが、一昔前の工場のデータはフロッピーで保存更新しているようで、完全に消えるのはだいぶ先になりそうだ。
本もネットな電子書籍が主流になっているが、レコードと同じように趣味として人気が出るのは間違いないだろうと思っている。
まあ場所をとるので奥さんに支持されていないけど。
だからポイントを貯めて倉庫を建てるのが今の目標になっている。
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