第3話 特訓係

イグザミンが指を指して言った。


「あれが私の家です!」


「めっちゃ豪華ですね...」


こんな豪華な家、住み着いていいのか?




「そうですか?神界では普通ですけど」


「マジですか!?僕が神界に来たときは、平凡な家が多かったですけど!?」


「近くに行けば豪華感が分かる仕様になっているのですよ」


「すごいですね。能力って」


「まあまあ、そんなこと置いていて、早く入りましょう!」


「そうですね、お邪魔させてもらいます」







内観は、外観と同じように豪華だな。




「じゃあご飯を用意するから。待っててね」


そういい、イグザミンが冷蔵庫?みたいな保管場所から食べ物を出してきた。




「ごめんね。ちょっと今月金欠で…」


そういい、パンなどを出した。


「神界で金欠とかあるんですね」


「まあ、あるよ。一応私も仕事をしてこの家に住んでいるからね」


「大変ですね」


「で!でも、神界の食べ物だから、美味しさは保証しますよ!」


「そうですね!信用できます」






イグザミンがパンを食べながら言った。


「アベンジ君、ちょっとお話があるんだけど」


「何ですか?」


「君が良ければなんだけど、特訓係、をつけたいんだけど」


「特訓係?」


「特訓係っていうのは、制御できていない能力を、正しい使い方などを教えたり、抑制したりする人のことを指すわ。君の能力は、森羅万象の一部だからつくことになったけど、どう?」


「あ、僕は全然いいですよ。自分もこの能力のすごさが今回の身体測定で分かったので…」


「本当?ありがとうね」


「ちなみに僕の特訓係になった人は誰なんですか?」


「それを今から説明するわね。もう出てきていいですよ!」




シュ




その音とともに美人な女性が壁から出てきた。


「はい~!出てきたわよ~」


「ちょっと、ベリーさん、壁の中にいるとか独特すぎるでしょ!」


「そう~?意外と居心地がいいのよね~」


アベンジが混乱の声で言った。




「えっと、これはいったいどういう」


「あ、ごめんね。混乱させちゃって。この人がアベンジ君の特訓係になった、ベリー=アルマイティさん。君の能力の会議で教育方針を提案してくれた人よ」


「あ…。どうりで見たような気がしたんだ。あの、教育方針の件はありがとうございました」


「いえいえ~。私は言いたいことを言っただけ~。そんなに褒められることじゃないわ~」


「ベリーさんは独特な考えの持ち主だからね」


「なるほど」


だから壁の中に入っていたのか。




「じゃあ、とりあえず、ベリーさんの紹介をするわね」


「あ、お願いします」


「ベリーさんは、神界、で最も強いとされる人よ。能力は、全知全能」


「全知全能?」


「全知全能は、あらゆることを理解できて、それを実現できる能力よ。いわゆる完全無欠の能力だわ」


「す、すごい能力ですね」


「意外と森羅万象に似ている部位もあるかもね」


「いやいや~そんなに褒められる能力じゃないわ~」


照れてる。


やっぱり美人だから、めっちゃ可愛いというか、美しいというか。




「それでなんでベリーさんが僕の特訓係に?会議にも出席していたし、相当えらい立場だと思うのですが。時間を割いてまで僕の相手をしてくれる時間とかってあるんですか?」


「まあ~時間とかはあまりないけど、君は次世代の神界を担っていく存在になりえる可能性があるからね~だから一番強い私が担当することになっているのよ、しかも類義している部分もあるしね~」


「なるほどです」


イグザミンがベリーの言葉を付け足すように言った。




「ベリーさんは、全知全能を持っていた歴代の神たちよりも数段以上扱い方がうまいとされているからね。選ばれていても当然でしょう」


「うふふ~ありがとうね。イグザミン」


「す、すごいですね。あの~質問とかよろしいですかね?」


「ん?全然いいわよ~」


「先ほどベリーさんの能力は、森羅万象に似ている能力だとおっしゃっていたじゃないですか」


「うん~そうだよ」


「感知というか、ある特定の人物を探す事って可能なんですか?」


「そうね~魔力量さえあれば特定の人物を探すことができるわ~」


「じゃあ、その特定の人物をいたぶることも?」


「ふっ。そうね~」


「『殺す』ことも?」


「ふふふ。できるわ」


「最悪の痛みを与えて殺すことも?」


「出来るわ。あなたが強くなりさえすれば、あなたを苦しめた人物をめった刺しにしたり、毒付けしたり、そんなことができるわ」


「本当か?嘘じゃないよな?」


「本当よ」


イグザミンが混乱の声で言った。


「え?どうしたの?アベンジ君」


「あ!すみません。ちょっと知りたいことがあっただけなので」


「本当に?」


「はい!」


「まあーそれならいいわ。急に感情的な感じになってたから。アベンジ君、そんなに物騒な言葉使わないし」


「私も~言われてびっくりしました~」


「あ、すみません。本当に何でもないですから」


「あーならよかったわ」


「同感~」




アベンジがパンを持って言いました。


「飯食べましょう。話とかしてて少しおなかがすいてしまったので」


「もしよければベリーさんも食べてく?パンしかないけど!」


「いや~私はおなかがすいていないし、仕事がまだ少し残っているからね~今回は遠慮するわ~またの機会にお願いね~」


「そうですか。ありがとうございました」


「また来てくださいね」


「はい~」




シュン




その音とともにベリーは瞬間移動で消えていった。




凄いな。音を少ししか立てないで、一瞬で消えていった。




ベリー


「ふふふ、本当に面白い子ね。さすが、復讐心の塊みたいな子ね」

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