第1話 神界へ

「天地万物ってなんですか?」


「簡単に言いますと、世の中に存在する物と現象を操れる能力です」


す、すごいな。


そんな力があの光の玉に…。


「とりあえず、私と一緒に神界に来てください!詳細はのちに話しますので!」


「わ、わかりました」


なんで焦っているんだ?




使者が唱えた。


「『神界転移』」


使者がそういった瞬間、使者とアベンジの場所に白い紋章が出てきた。




シュン








「着きました」


え、まじか、唱えただけで移動するなんて。


今は地面しか見ていないけどそれだけで移動したと分かる。


辺りを見てみるか。




「って、あんまり現実世界と変わってない」


アベンジが見た光景は、ほぼ普段通りの後継と一緒だった。


「神界は天下とほぼ変わらないです。ですが、能力が使用されているので、外観からではわからないものが多いです….。ていうか!私についてきてもらっていいですか!」


「あ、はい」






数分後




「ここです」


使者が建物に指を指した。




すごいな。


明らかに大臣や偉い方がいそうな協会っぽい場所だな…。


「中に入りますよ!」


「はい」








建物に入り使者が受付へ行った。


「すみません!ちょっと主に合わせてもらっていいですか!」


「能力者を連れてきたんですか?」


「そうです!そして実は……..」




「え!そんな!わっかりました!あちらに!」


受付の人が慌てた声で行き先を示した。




「アベンジさん!行きますよ!」


「あ、ちょっと!」


本当にどうしたんだ?






使者とアベンジが階段を上がり、ドアまで来た。




「すーはー、じゃあ、開けますよ」


「あ、はい」






ガチャ






「失礼します、王の使者である、イグザミン=モーメント とアベンジさんが入ります」


そういい、使者イグザミンが言った。




Wow、緊張する!


いかにも大臣さんや王?様がいる。


はあー世界観に慣れない。


あ、というか使者さんの名前、初めて知った。




手前の大臣らしき男が言った。


「話は受付人から聞いている。その子が、天地万物を持った天下の人間か」


「はい、そうでございます」


他の大臣も言った。


「まさか、天下にその能力の保持者がいるとは」


「何千年ぶりだ?」


一人の大臣らしき人があわただしい声で言った。


「何年など関係ない!そいつは危ない存在だ!天地万物を持っている時点で処刑するべきだ!危険すぎる!神界の害悪人だ!」


うわ!なんだ急に。


そんなにこの能力が危ないのか?




イグザミンが言った。


「大臣様、どうか気を荒立てないでください。ついに、森羅万象、の一部の能力保持者が見つかったのですから」


「は!?森羅万象、の力が復活する可能性があるのだぞ!あの能力はすべてを操れる能力だ!そいつが悪に使う可能性がある!」


なんだ?森羅万象って?




一人の大臣が言った。


「落ち着け、王はどう考えますか?生かすか、殺すか」


えええ!?


そんな、俺が殺される可能性があるの?


まじかよ…。


王様、マジで生かしてくれ…。


「うむ、そうだな。我はどちらの意見も納得がいく。何千年も現れなかった天地万物の能力者。確かに危ないかもしれないが、逆にチャンスでもある…。ここは、神界でも屈指の実力を持つ、ベリー¬=アルマイティ の意見を聞くとする」


「了解しました~」


と、命じられたベリーが言った。




うわ!めっちゃ美人な人だな。


ずっと笑顔だな。


「私の意見はですね、『教育学校』、にいれることをお勧めします」


教育学校?


「教育学校か、なぜだ?」


「その子、まだ能力を一回しか使ってないでしょう?しかも一回目は暴走」


え、なんでバレてんの?


「天地万物はいままで幾千年も現れなかった能力。それを今ここで殺してしまうのは惜しい。なら、能力の使い方を教えさせて、こちらに貢献させるほうが利点があるので」


慌てていた大臣が言った。


「だが!この人間は悪に使う可能性があるのだぞ!!!」


「大丈夫です、その時は私が始末しますので」


と笑った。




やばいな、笑顔で平然とやばいことを言っている。


こわ…。




「なるほど、経過は必要だからな。ならば、教育学校に行かせることを許可する」


「ありがとうございます♪」


「ちょっと待ってください!王よ!あぶないはずだ!」


「我の言うことを否定するのか?」


「いや、そういうつもりでは」


「なら抵抗するな。次、抵抗したら、お前を処するからな」


「も、申し訳ございません」


うわ、力づくだな。


「じゃあ、今回の人間は教育学校に行かせる」


『わかりました』


「では、イグザミンと人間よ、退出せよ」


「わかりました」




ガチャ






イグザミンが疲れた声で言った。


「はあ~よかった。処刑されなくて」


「なんか色々とありがとうございます」


「いや、大丈夫、あなたは逸材だからね。あ、というか、森羅万象、の説明をしてなかったね」


「あ、そうですね」


「じゃあ説明するね」

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