第529話
「ちょっと待て。確かに9543番達の銀河には人類がいないんじゃなかったのか?」
9543番が連れてきた10189番がある問題に悩まされており、その原因が彼女の本体である惑星に住む人類だと聞いたジョットは、以前9543番から聞いた話を思い出す。
9543番達が生きる銀河には人類が存在せず、彼女達そこにある意思を持つ惑星は自分と同じ存在とコンタクトを取り続けてきたが、気が遠くなるくらい全く変化の無い年月を過ごしているうちに退屈を感じていた。だから9543番達、意思を持つ惑星はゲムマという分身を使い、別の銀河にいるジョット達人類に
そのことをジョットが聞くと9543番は申し訳無さそうな表情となって頷く。
「いや〜……。そうなんだけどさ、でも実は……」
「最近になってワタシの本体にも人類がいることが分かったんです……」
9543番の言葉を10189番が引き継ぐが、それを聞いてシレイアが首を傾げる。
「そんなことってあり得るのですか? 10189番様の本体、自分が統治している惑星なのに、人類が誕生していたことを見逃すだなんて?」
「……統治、ですか?」
皇女であるシレイアからしてみれば自分が管理している場所の変化に気づかなかった10189番に納得がいかなかったが、10189番はシレイアの言葉の意味が理解できていないようであった。そんな二人の様子を見て9543番が説明をする。
「シレイア。ワタシ達にとって本体である惑星は自分の身体そのものだから、統治しているって訳じゃないんだよね。だから惑星に生き物が住んでいても特に気にならないって言うか、君達だって身体の表面や内部に細菌とか微生物が棲みついているけど気にならないでしょ?」
「それはそうかもしれないけど、そういうものなの?」
9543番の言葉にマリーが聞くと9543番と10189番が頷く。
「はい。ワタシ以外の皆さんの中にも、本体の惑星に生物が住んでいる方が多くいますけど、彼らのほとんどがどんな生物が自分の本体に住んでいるのか知らないみたいです」
「ぶっちゃけた話、ジョット君達みたいに星から星へ移動したり、ミレス・マキナや宇宙戦艦みたいな兵器とか使っていないとワタシ達、それが知的生命体だと気付けないんだよね。なんかの生き物がいるっていう感覚で」
「大雑把すぎない? 私達って9543番から見たら細菌や微生物と同レベルなの?」
「これが惑星レベルの生物の感覚か……。まあ、ゲムマを玩具代わりにして人類に戦いというゲームを仕掛けてくるのだから、ある意味納得できるか……」
10189番と9543番の話にマーシャとセレディスは微妙な表情となり、カーリーが本題について聞こうとする。
「それで10189番の本体に住む人類は一体どんなことをしたの? もしかして惑星を破壊する自爆装置でも開発したの?」
「そんなまさか。自分達が住む星を破壊する自爆装置を開発するだなんて、マリーさん達じゃあるまいし……」
カーリーが半分以上冗談で言うとシャルロットがそれを苦笑しながらするのだが、9543番と10189番は驚いた表情となってカーリーを見る。
「驚いた……! カーリー、どうして分かったの?」
『『……………………………!?』』
9543番がカーリーに聞くと、今度はジョット達が彼女の言葉に驚くのであった。
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