第444話
とある銀河には一万を超える自我を持つ惑星が存在しており、その中に八千七百八十九番目に自我に目覚めたため、同じ自我を持つ惑星の仲間達から8789番と呼ばる惑星があった。
8789番は昔から好奇心が強く、以前から自分達の
自分の考えを否定されることに若干の不満はあったが、それでも8789番が別の銀河の人類と戦う遊びを楽しんでいた時にある話を聞いた。
その話とは最近になって出始めた、遊びに飽き始めた一部の仲間達が人類そのものを攻撃しようとした時、逆に人類の兵器に分身体を撃退されたというものであった。人類が使う兵器は8789番達の分身体と同じく精神波で操るもので、人類を攻撃しようとした仲間達は遊びで禁じ手としていた精神波を遮断する術を使って人類の兵器を無力化したはずなのに、それでも人類は仲間達の分身体を撃退したのだ。
これには自我を持つ惑星の多くが興味を持ち、当然8789番も興味を持った。
驚くべきスピードで進歩を続ける人類はいつも自分達を楽しませくれる。
仲間達を撃退した人類とは一体どんな存在なのだろう?
自分もその人類と
そんなことを8789番が考えていると仲間の一人である9543番が話に出てきた人類に接触したという噂を聞いて、好奇心が強かった8789番は自分も仲間を撃退した人類と接触しようと行動を開始した。しかもそれと同時に8789番は、今まで遊びをする時に仲間達から止められてきたある行動を、この機会にやってみたいという要求に駆られたのであった。
「やっと着いたのであ〜る。あれが例の人類がいるという惑星であ〜るな」
惑星エイロンから数十光年離れたとある宙域で、一人の人物が宇宙空間を漂いながら惑星エイロンがある方向を見ながら一人呟いた。
「我が同胞を倒したと言う人類よ……いや、ここは我が宿命のライバルと呼ばせてもらおうか? 宿命のライバルよ。貴様がワガハイの前に現れてくれたことに深く感謝するのであ〜る」
宇宙空間を漂う人物は人間ではなくこことは別の銀河に存在する自我を持つ惑星の一つ、8789番が作り出した分身体で、8789番は数十光年離れた場所にいる人類に向けて言葉を送る。
「宿命のライバル、貴様が現れてくれたお陰でワガハイ達はこの至高の
8789番が両腕を開いてそう言うと、その背後にあった複数の巨大な鉱物が動き出し、人に近い形となる。それは今の人間と同じ姿をした分身体と同じく8789番が作った戦闘用の分身体、人類がゲムマと呼ぶ存在であった。
「ぬっふっふ……! 今まで同胞達に止められてきたが、我が宿命のライバルが相手というならばワガハイが全力を出しても問題ないはずなのであ〜る。行くのあ〜る」
8789番が命じるとゲムマは高速で惑星エイロンに向かって飛んでいき、それを見送った8789番は楽しそうな笑みを浮かべる。
「さあ、我が宿命のライバルよ。ワガハイの愛と期待をその胸で受け止めてほしいのであ〜る」
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