第二十五話 掲示板と捕縛



  冒険者 総合雑談スレッド Part456



 ……

 …………



 081:名無しの冒険者

 >>075 つまり最初の職業が「運び屋」だったワイは……


 082:名無しの冒険者

 >>081 お先真っ暗やな


 083:名無しの冒険者

 >>081 ようこそこちら側の世界へ(ニッコリ


 084:名無しの冒険者

 (´;ω;`)ブワッ

 

 085:名無しの冒険者

 >>082 >>083 

 やめたれや ワイらが悲しくなるだけやで


 086:名無しの冒険者

 ワイら(元ニート)


 087:名無しの冒険者

 ワイら(労働新法で)


 088:名無しの冒険者

 ワイら(無事底辺冒険者に)


 089:名無しの冒険者

 問い(5)「家でヌクヌクしとったら政府のお偉いさんがきて、強制的に働かされた時の気持ちを答えよ」


 090:名無しの冒険者

 >>089 絶望


 091:名無しの冒険者

 >>089 お国のためや、耐えろニート


 092:名無しの冒険者

 あの時のニート板の阿鼻叫喚ぶりは今でも鮮明に思い出せるわ


 093:名無しの冒険者

 嫌な…事件だったね…


 094:名無しの冒険者

 >>092 なお、その時はマッマの背中でブルブル震えていた模様

 

 095:名無しの冒険者

 >>094 しゃーないやろ、10年ぶりの人との会話やぞ


 096:名無しの冒険者

 >>095 せめて親くらいとは話しておけよw


 097:名無しの冒険者

 ワイ(ニート歴30年)低みの見物


 098:名無しの冒険者

 ここには元ニートしかおらんのか


 099:名無しの冒険者

 >>098 当たり前やろ、な〇jやぞ


 ……


 112:名無しの冒険者

 まーでも、あんな状況からな〇jできるまでに回復するとは思わなんだ


 113:名無しの冒険者

 >>112 それな。消去される前に鯖ごと拾い上げてくれた有志には感謝やで


 114:名無しの冒険者

 なんだかんだ親も泣いて喜んでくれてるしな


 115;名無しの冒険者

 普通に親孝行しとるとはワイらも大きくなったもんや


 116:名無しの冒険者

 >>115 それ以前が酷すぎた定期


 117:名無しの冒険者

 そんで、結局ワイらは何でな〇jやれてるんやっけ?


 118:名無しの冒険者

 あー何か古い回線を使って無理やり繋げてるとか何とか


 119:名無しの冒険者

 やから旧式のPCやないとアクセスできんのよ

 コンカとかいうポンコツ機械じゃ土台無理な話やな


 120:名無しの冒険者

 ワイの聞いた話やと、物好きな神様がお慈悲で残してくれた言うとったけどなあ


 121:名無しの冒険者

 >>120 そんなわけないやろw


 122:名無しの冒険者

 朗報 静岡ダンジョンでモンスター娘発見か!?


 123:名無しの冒険者

 >>122 スレ違いやって言おうとしたけど……マジか


 124:名無しの冒険者

 >>122 ガタッ


 125:名無しの冒険者

 >>122 とうとう来たかっ

 ( ゚д゚ ) ガタッ

 .r   ヾ

 __|_| / ̄ ̄ ̄/_

 \/    /


 126:名無しの冒険者

 気持ちは分かるが、あんまり騒ぐと奴らにみ


 127:名無しのケモナー仮面

 君たち、獣っ娘の話をしていなかったかい?

 獣人、人獣、半人半獣、えとせとら 君の性癖にささるものがあるはずだっ。

 この嫁たちを少しでも気に入ったら是非遊びに来てくれっ


 っ[狐耳が生えた少女のイラスト]、「二足歩行のモフモフした猫」……


 128:名無しの植物系美少女に捕食され隊

 植物系美少女は良いものですよ

 魅惑的な体に誘い出されてみれば、待ち受けているのは甘美な罠

 蔓で縛られ、何もできずに食べられてしまうのです そうぱっくりと

 

 [遊〇王の蟲〇魔カード]、[エッなアルラウネのイラスト]……



 ……以下、多種多様なモンスター娘板の勧誘が続く。



 194:名無しの冒険者

 ようやく収まったか、他板の住人しつこすぎやろ


 195:名無しの冒険者

 しゃーない、ダンジョン災害のせいで供給が圧倒的に不足してるんや

 今なら小学生レベルの絵でも神絵師と崇め奉られるんやで


 196:名無しの冒険者

 >>195 ま? ちょっと覗いてみようかな


 197:名無しの冒険者

 こうして仲間って減っていくんやなって……


 198:名無しの冒険者

 >>197 減った仲間は自動補充されるから大丈夫やぞ

 ほんで某モンスターについて他に情報はないんか?


 199;名無しの冒険者

 >>198 隣の藤枝ダンジョンに移ったんやないかってことで、支部長同士でバチバチやってるで


 200:名無しの冒険者

 藤枝?あっ…(察し)


 201:名無しの冒険者

 鬼人さんがいるとこやん 

 終わったな、その子

 

 202:名無しの冒険者

 鬼人(ガチ)


 203:名無しの冒険者

 こんにちは!ここって現役冒険者たちが情報交換する場所であってますか?お父さんのPCを使ったらここが出てきて、スキルとかモンスター?とか色々書いてあってそうかなって思ったんです!


 204:名無しの冒険者

 …


 205:名無しの冒険者

 …


 206:名無しの冒険者

 >>203 はい、そうですよ。ここには冒険者歴10年以上のベテランさんたちが沢山います。分からないことがあったら何でも質問してください。皆さん丁寧に教えてくれますよ。


 207:名無しの冒険者

 ありがとうございます!来年から福岡の冒険者学校に通うことになって不安だったけど、ここで色々と教えてくれるなら何とか安心できそうです!

 

 208:名無しの冒険者

 Welcome to Underground(ボソッ



 ……

 …………


 




 シャアアア 


 巨大な蛇型のBランクモンスター、イエローマンバが飛びついてくるのを木にマントを引っ掛けて回避し、そのまま「絶命の一撃」を振り下ろす。

 嫌な音とともに消失する体。


『ふむ、近場のモンスターはこれで最後のようじゃな』


 コンカで確認するより一足早いその言葉に、ほっと息を吐く。

 Sランクモンスターがいる地帯を抜けられるようになってから一週間、模擬戦の成果もあってBランクモンスターを倒せるまでに成長できていた。

 今のステータスはこんな感じだ。


 月宮 マコ(B) Lv.25  死神 Lv.2    

 筋力 A(↑)          

 物防 D    

 魔防 D       

 知性 C(↑)        

 器用 A(↑)         

 敏捷 A(↑)         

 運  B(↑)   

  

 <スキル>

 攻撃系 

  絶命の一撃 Lv.2(↑)

 防御系 

  なし

 補助系 

  転移 Lv.3  

  闇煙 Lv.1    

 加護系 

  冥王の寵愛 Lv._


 スキルでは「絶命の一撃」のレベルが上がって、攻撃力がさらに強力になった。

 ついでにBランクになれたし、このペースなら本当にいけるかもしれない。


『む、近くに人が来たようじゃ。急ぐがよい』


 コンカの端に表示される青点。

 静岡ダンジョンで探索隊を組まれた理由を考えて、ここでは人が近くにいるときは出来るだけ「転移」を使わないことを決めていた。

 歩いてその場を離れようとしてーー


『っ、いかんっ。急げっ』


 シル様から急な指示が飛ぶ。

 急いで「転移」で遠くに飛びーー弾かれる。発動、しなかった!?


「なに、これっ」


『「結界」じゃ。まずいぞ、「転移」を封じられたっ』 


 見れば、木々の間から覗く空が紫に染まっていた。

 「結界」、確か中に閉じ込められると絶対に「結界」内部にしか移動できなくなるんだったか。

 だったら効果が切れるまで逃げてやるとコンカに目を落とせば、凄まじい速度でこちらに向かってくる青点。

 

 ーーやべっ。

 即座に「闇煙」を発動。闇に染まる視界。

 万が一のために「転移」を残して、枝の上に乗ろうとマントを伸ばす。


「ーー残念、その判断は間違いよ」 


 突如爆風と共に晴れる視界。

 赤いオーラを纏う女性が至近距離にいるのを捉えた瞬間、俺は意識を手放した。


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