支配者の理論

 アフリカに対して中酷は巨額のバラマキを発表した。と言っても大半は踏み倒される貸し付けか鉱物資源や港の使用権略奪。その額、三年で約3600億元、日本円で約7兆円。若い世代の就職難、給与の遅配、海外企業の中酷からの脱出に歯止めが効かない人民困窮の最中でのアフリカ支援の目的とは?

 秀欣平が推進する一体一道という略奪システム。支援とは名ばかりで実際には中酷企業、人民、資材など全てが中酷が支配し、その費用をその国に払わせるもので、受けた国は、インフラ工事などを押し売りされただけで大したメリットはない。作られたインフラや建造物は見た目は盛大だが中身が伴わない粗悪品。破損・故障は当たり前。壊れて修理するのにまた多額の金が必要になる。返済計画もなく借りれば、馬鹿を見るだけ。馬鹿な国は、投資詐欺の一種ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)にあっさり騙されるように、甘い言葉に騙され、借金地獄に追い込まれる。

 中酷は地元企業と合弁企業を作り、鉱山開発を行う。そこで得た利益は地元に還元されることなく、借金返済に使われる。

 中酷の更なる狙いは国連での議決権の1票を得ることだ。例えば、台湾政府承認に反対票を投じさせるものだ。人民からは、アフリカは北京に来て台湾は中酷のものだと言うだけで巨額の金が舞い込むとはいいご身分だと囁かれている。囁くだけで、指をくわえて見ているだけ。騒げば、逮捕され、何もかも失いかねないか騒げない。

 秀欣平が自国民を顧みずアフリカに金を使うのは、支配される者とされる側の者という思考からだ。人民は強酸党が支配しているモノ。従わせる者でしかない奴隷であり、そのような者に金を割く必要がないと考えている。国が豊かになるためには人民は泡でも雑草でも食べていればいい。だから、自然災害が起きても国が大々的に支援しない。自分たちで何とかしろと突き放す。強酸党は、支配者である地位を守る、力を拡大することにしか興味がない。

 言い方を代えれば、人民が豊かになると余裕と欲が生まれ、政権に歯向かうようになる。それは強酸党にとって拙いことだ。だから、学習塾禁止を秀欣平は打ち出した。日本の総裁選候補の世襲議員の小泉進次郎のように企業で働いたこともない分際で奨学金返済で苦しむくらいなら大学などに行かず手に職を付けろと言い放つ思考に似ている。日本で学歴社会は一時期より納まりを見せても、給与格差は歴然とあるのも確かだ。経済の担い手となるホワイトカラーを減らし、ブルーカラーを増やせば、国は発展から遠ざかる。素晴らしい技術もそれを売り捌く能力に掛けると半導体製造世界一位だった東芝のように衰退の一途を辿る。勿論、国の政策に携わる者の考えが追いついていないのも事実であり、小泉進次郎の考えは、東芝の悲劇を繰り返すようなものだ。

 秀欣平は、国内で暴動が起こらないデットラインぎりぎりを保ちつつ、国際的影響力を強め、強酸党の存在意義を人民に植え付ける努力をしているに過ぎない。支配者の理論で物事を観ている。

 いま、日本でも似たようなことが起きている。外国人の優遇だ。海外から学生を招き入れ、渡航費や学費、生活費までほぼ全額補助してまで受け入れる。結果、不法滞在や犯罪が増える。一部の権力者と企業が利権を貪るシステムに日本人は怒りを顕わにし、外国人参政権や在留資格の緩和や補助に賛同する者に「どこ、見てんだよ~」と「NO」を突きつけるべきだ。

 

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