[ 079 ] 怪盗ノワール?

依頼内容

 怪盗ノワールの捕縛、または盗品の回収

 報酬:金貨五十枚

 依頼主: :アルベルタ商会ブーデ


 報酬が高い! 木材伐採護衛が銀貨五枚なのに……金貨五十枚。破格の依頼だけど、怪盗ってあの金品を盗む怪盗のことだよね。


「プリンさん、この怪盗ノワールってのは、なんですか?」

「あー? あー。一ヶ月ほど前にアルベルタ商会に予告状が届いたんですよ「お前の大切な物を貰う」ってね」

「大切なもの? 何か狙われたんですか?」

「ブーデさんの持つ金の杖。寝室に飾ってあったんだけど、予告の時間を過ぎても何も起きないからイタズラだと思ってトイレに行くと寝室から大きな音が。慌てて寝室に戻ると、寝室の壁が外から破壊されて持ち去られてたんだって」

「どちゃくそ力技じゃないですか!! 怪盗要素どこ!」

「あはは。笑っちゃうよね。それから何度も予告状が届くけど毎回狙われるのはアルベルタ商会ばっかり」

「なんでそんなに……」

「さぁねー? それで、アルベルタ商会から依頼が来てるってわけ」


 なるほど、壁を破壊しての犯行なら土魔法かな。土魔法が物理攻撃が強いから……。


「やれそうなのは土属性でしょうか?」

「いや、それがねー? ブーデのデブが言うには、すぐに追いかけて後ろ姿は見たけど、風のような速さで逃げちゃったみたいなのよ」

「風と土のダブルの可能性がありますね」

「まぁダブルってのは本当に世界に数人レベルだから、眉唾だけど、いるとしたらその組み合わせだよねー」


 ならここ一ヶ月以内にフォレストに来た人の属性を調べれば……。


「ちなみに、アルベルタ商会に駄々こねられて、市長がここ一ヶ月以内に外から入った人を全員調べたけど、土と風はいなかったんだよね」

「そうですか……」

「一ヶ月も誰にも見られずに潜伏するなんて、まず無理だから、なにかしらカラクリがありそうだーけどね」


 封印教団のミルトがアルベルタ商会を調べてたな……、何か繋がりがある気がする。


「封印教団の二人は調べましたか?」

「ミルトとルヴィドだよね? 調べたよ。ミルトは火、ルヴィドは雷だった。はずれー」

「そうですか……」


 しかし、ミルトの執着具合は何かありそうだな……。今度あったら揺さぶってみるか、あの子は顔に出やすい。


「まぁ報奨金は高いから、捕まえたら教えてね」

「はい、ありがとうございます。プリンさん」


 それ以外に目ぼしい依頼も特になく、ギルドを出ると ハリルベルは鍛冶屋へ。リュカさんは魔法研究所のメンバーの元へ、僕は四人分の宿を取りにロゼとCエリアを散々する。


 各自用事を終えたら昼を食べて、市長がいるという樹上の街アストに行くため、Aエリアで落ち合うことにした。

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