廃墟の屋上で詠うある少年/少女の詩

@cresttitania

どんなに綺麗に見せたくても

みるみる腐りゆく僕がいた

どんな夢や理想を描いたとて

到底辿り着けないんだよ

君と語り合ったあの日々も

いつか忘れてしまうだろう

そうして時は過ぎ去っていき

ただ消え去ってくだけの僕だ


空っぽになった僕の心

永遠に満たされることはない

ただ虚ろな目と顔をして

一時の幸せに縋るだけ

ただ死なないでいる僕は

呪怨と憎悪の亡霊だ

彷徨って何かに縋りついても

掴めるものは何もないよ


僕が唯一の神を信じ

正義のために生きていたなら

正義のために死んでしあわせ

それが一番良かったのに

客観的な事実はただ

僕の世界を削り取ってく

肝心なことは教えてくれず

空っぽな知識だけ詰まってる


ああ僕は自殺をするならば

自分が作ったアンドロイドに

刺し殺してもらいたいなんて

大口を叩いてみたけれど

ゲームを入れたり消したりして

計画も何の意味もなくて

テストの点も変わらない僕が

同じ夢を見続けるなんて


きっと夢物語は消え去って

蝋燭の煙が僕を包む

甘い香りと諦めの念が

背中を押してくれるだろう

神聖な信念と思っていた

薄っぺらな感情を吹き消して

ああもういいや そう呟いて

心変わりを最期にするのだろう







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