第22話
楓ちゃん達は、逃げられたかもしれない。捕まったかもしれない。生きているかもしれない。今もどこかでさまよっているかもしれない。殺されたかもしれない。せめて。せめて。もっと、私は、ああでも、と思う。
スマートフォンを持ち始めて最初の頃私はとあるアプリで猫達の画像をupしていたのだ。駐車場に気持ちよさそうに寝転ぶ猫達。枕の上で寝るぽっちゃり猫。今は懐かしい固定電話のコードをみつめる猫。
ネットリテラシーが足りていなかった。
そのくせ周囲の車のナンバーはぼかしたり、加工していたけれど、団地の影、先に見える山々。ちょっと変わった曲がりくねった駐車場から国道への入り口。
私は、はしゃいで猫の写真を撮って、ネットにあげて、イイネ貰って、あげてが楽しかった。
でも。もしかしたら有名な猫屋敷として、私が災厄を招き入れたのかもしれない。
楓とぽやぽやは、私のupした写真のせいで、消されてしまったのかもしれない。
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