第3話
子猫たるノエは医者に連れて行かれ、結膜炎ですね、鼻水も後遺症で残るでしょう。失明する手前でした。目薬さしておきましょう。
と、家のものに伝える。とうぜんノエにはなんのことかわからないただまだ模様のはっきりしないブチを背にいくつか背負いながら、こんなことを言われる。
毛足が長いというか、ふわふわしてるんですけど、外国っぽいでしょうか。
そうですねえ、その可能性も、
おおっ!
そんなやりとりをしながら我が家に外国の猫の血筋が来るかもなんて飼い主というもの達はちょっとワクワクしていた。
数年後、たしかに体は大きいが毛足はそんなに長くなく、生まれつきかっくんかっくんと歩く左足下がった左肩。曲がった白い長い尾。
他の雌猫たちにはあまり苦労をかけず、それどころか外の喧嘩で縄張りを守ると、他の猫は少し近づいて目を見てきた。
静かな家でだれも鳴かない。ばあさん猫なんかストレスで口を開けただけの音で飼い主達に意思を伝えていた。
やがて家族に不幸が起きた。不幸の前の、残念なことに近いことだ。母は、何を考えたのか、大変なものを危ない娘ではないもう一人の芯の強い娘の伝手で貰ってきた。俺の背中のブチ達に負けず劣らずの小さなメスの、三毛猫だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます